第13話 鳥退治
翌日。俺達は旅館の美味しい朝食を食べてから、調査を開始することにした。
狙われているのは明らかに時子であるので、時子の護衛をアンジェラに任せる。有彦を連れて、俺はまず時子の家を訪れることにした。
一見すると、広い庭のある優雅な雰囲気の日本家屋だ。しかし、庭の木々、屋根に止まっている無数の小さな鳥の群れが、その雰囲気をぶち壊している。
一体何羽いるのだろう?まるで黒い大きな塊が生きて蠢いているかのようだ。
あまり近づくと襲われるから、俺は双眼鏡で様子を伺う。
「静寂お兄ちゃん、あれを追い払わなきゃいけないんでしょ。どうするの?」
「鳥の駆除とか仕事じゃねえんだけどなあ」
有彦の問いに俺は頭をかく。そもそも、あの鳥はただの鳥なのか?ハーピーに操られているのか?
甲高い声が響く。
「お兄ちゃん、あれはホトトギスだよ。僕、あの声知ってる」
「ホトトギス、ねえ。あの信長が殺してしまえと言ったやつか。うん、殺すか!」
「お兄ちゃーん?」
俺の適当さに有彦が呆れている。とりあえず、追っ払うのが一番だろう。俺は十字架を掲げて念を込める。
「神よ、我に力を与えたまえ…聖なる
目映い光がバチバチと跳ねる。幾つもの雷が鳥たちを襲い、焦がす。大半は慌てて逃げ出した。
「お兄ちゃん、何羽が焦げたよ…」
「焼き鳥…や、なんでもねえ。まあ仕方ねえだろ。後は結界だ。有彦、頼んだぞ。」
「はぁい」
有彦も最近仕事を手伝ってくれる。物覚えがいいのでもっと色々教えたら優秀なエクソシストになりそうだ。尤も、それが彼の人生の幸せかはわからないが。
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