第4話 襲撃
ガッガッ!トタン屋根をトンカチで叩いたらこんな音がするだろうか?問題は叩かれているのが俺が乗っている車の天井だということで。
屋根に歪なへこみが出来たかと思うと、ついに穴が開いてしまう。そこから現れたのは、巨大な鳥の足。鋭い鉤爪が光る。こいつが天井をぶちやぶったわけだ。
「運転手、そのまま真っ直ぐ走れ!こいつは俺がなんとかする!」
高速道路で止まれば追突が心配される。後ろを走っているのはアンジェラたちが乗る車だ。
俺は懐から十字架型の飛び出しナイフを取り出して、鳥の足に突き立てる。
ギャアアアアと甲高い絶叫が響いて、耳がビリビリする。
すぐ後部座席の扉を開き、上を確認した。すると、天井を支配する異形の姿がやっとはっきりする。
上半身は裸の女、下半身と腕は鳥。大きな翼を持つそいつは、ハーピーと呼ばれるバケモンだ。
足を怪我したハーピーは、キイキイ言いながら飛び立って逃げていく。が、終わりではない。アンジェラたちが乗る車の上に移動しただけだったからだ。
「させるかよッ」
俺は車の天井、ルーフに登り、そこから後続車のボンネットに飛び映る。運転手の視界を邪魔せぬよう、すぐに上にいるハーピーに飛びかかった。
「降りろっつのー!」
どん、と腹を蹴る。するとハーピーは路面に転がり落ちた。ゴロゴロと転がり、今度は更に後ろの車にぶつかりそうになる。
「ちっ…聖なる
素早く術を唱えると、ハーピーの身体が塵となりかき消える。ある程度ダメージを与えた後にしか効かない術だったので、ホッとし。
「静寂!無茶やるわね。とりあえずこっちに乗りなさいよ!」
後部座席の扉が開き、アンジェラが叫んでいる。
「Okay、お邪魔しまーす」
俺は身体を滑り込ませ、車に乗った。
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