14話 煮込みハンバーグ
甘酸っぱいトマトソースとふわふわのハンバーグ♪
ハンバーグ焼かないで煮込むとこんなかんじなんだ……
焼いたら焼いたで香ばしくておいしいけど、焼かない方がスープによくなじむ!
「ん~!!」
サクラはうっとりとかみしめる。
これがコンソメとトマトだけでつくられているなんて信じられない!
いやいや、忘れてはいけない影の立役者。
玉葱さん!
玉葱からとけだした甘味がいい仕事してます。
現世だったらケチャップとかジュースとかつかっちゃいますが、気を付けて表示見ないと結構糖質はいってたりしますからね。
タマネギからこんなに甘味がでるなんてサスガ万能野菜さん!
サクラはハンバーグとタマネギを一緒にすくって口にいれる。
「ぱくっ」
ざくざくと不揃いに切られたタマネギ。トロトロにとけたところも、大きめで『タマネギ食べてます!』てところも二度美味しい!
タマネギってミネラル成分があるから、血糖値が高い人にはオススメだって言うし、血もサラサラになるから素晴らしい野菜だね!
もちろん、いつもどおりキャベツをもりもり食べたあとで。
「これは、米 いや、麦ですか?」
サラダボウルの隣にもうひとつ、平べったい 真ん中に線の入った白いものが 盛られていた。
「ええ。」
イシルはボウルをとると サーバースプーンを使って 一すくい 自分のハンバーグの中に入れる。
「こうやって」
スプーンで麦とスープを絡めて 自分の口へとはこんだ。
サクラも真似してみる。
「はぐっ もぎゅっ」
おいしい!
結構弾力がある。
スープとからまって、麦くささが気にならない。
むぎゅっと弾力があって、噛むたびにご飯食べてますって気がする。
「麦はあんまり消化がよくないので、夜よりは朝とか昼にたべたほうがいいんですが、サクラさん そろそろお米が食べたくなるんじゃないかと思いまして」
「ありがとうございます 美味しいです!」
イシルの気遣いもあったので、1スクープでやめておいた。
のこった麦は冷凍してまたつかえる。
「ところで、サクラさん」
「はい?」
「サンミの手紙にあったのですが、できれば午前中 店の手伝いをしてほしいと。」
「あ!行きます 私でよければ 毎日でも。」
「毎日 ですか?」
「ええ、午前中だけだし。」
「それは……」
イシルさんなんか嫌そう。
「だめですか?」
「初めは様子をみてはいかがです?一日やって一日休む、とか。」
「そうですね、ここの手伝いもありますし、四日行って一日休みます。」
「三日に一回休みにしましょう。」
なんだろこの変な交渉……
「わかりました……じゃあ、それで」
「いや、二日に一回のほうが……」
「大丈夫です!サンミさんにはお世話になったし、ね!」
更に減らされそうになってサクラはあわてて止めた。
過保護すぎますイシルさん。
「そうですか……」
まだなんか府に落ちなさそう
「じゃあ、明日は僕と過ごしてくれますね?」
ん?仕事か?
「もちろんです。」
◇◆◇◆◇
ぎしっ、ぎしっ、と べっとの軋む音
「……36……37……38……39」
サクラがベッドの上で腹筋中。
「40!ふあぁ~」
神に言われたのは一日トータルで腹筋100回。
あさ起きて×30
昼合間見て×30
夜寝る前×40 にしている。
初めは無理して起き上がらず、頭をちょこっとおこすくらいでもいいと。
これが、結構効く。
一日で鳩尾がいたくなった。
『にゃうん』
腹筋が終わったのを見計らったように 黒猫が ベッドにとびのってきた。
「一緒に寝る?」
『ニャー』
もぞもぞと布団にもぐり込んでくる。
サクラに身をよせると ゴロゴロとのどをならした。
サクラは優しくなでながら、明かりを消した。
『もにっ もにっ』
黒猫がさくらのお腹を揉む。
「うちの
子猫が母親をもとめるように
「情をうつすなっていわれたんだっけ」
甘える黒猫を優しくいだいて サクラは眠りについた。
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