高等部1年2組 茜とららみ

夢川ゆめかわさんっ!」

「あれ、いいんちょ?」


 昼休み、屋上にビーチパラソルを立ててギャル部の仲間とお昼を食べている私こと夢川ららみに、眉間に皺を寄せながらズンズンやってきたのは、同じクラスの学級委員長にして風紀委員の橘茜たちばなあかね。クラスでのあだ名はいいんちょ。


「なぁに〜?」

「あなたに挑戦状を叩きつけます‼︎」

「……は?」


 腰に右手を当てて左手の人差し指でビシッと指差しすいいんちょ。どゆこと?


「次の期末テストですっ‼︎」

「……ああ〜」


 そゆことか。


「確かいいんちょ、前の中間テストじゃ学年2位で、1位がぶちょーのららみだったよね」

「そそっ、授業中寝てばっかなのにね。ギャルやってて勉強できるなんてららみってマジ最強じゃん?」


 黒ギャルの虹華にじかと白ギャルの弥生やよいがポッキー片手にそんな事を言った。ちなみにこの2人も150人いる同級生の中でも30位以内には入ってる。ギャル部はこう見えてそこそこ勉強ができる集団なのだ。


「……まさかいいんちょ、それ言う為にわざわざ来たの?昼食べた?」

「とっくに食べ終えてます! で、貴方を私のライバルと認め、期末テストで打ち負かします!」

「なんか一方的っていうか、いいんちょらしいっていうか……」


 確かいいんちょって勝負事が好きで負けず嫌いだっけ。5月下旬の体育祭でアタシ達のクラスが学年トップになれたのも、いいんちょの采配が上手かったのが勝因だし。


 で、いいんちょは風紀委員としても頑張ってるし先生達からの信頼もある。優等生の鏡とはこの子のことだろうなぁ。ま、制服がエロいからくびれのあるお腹とか形のいいへそとか丸見えだし、Eカップの巨乳が歩く度にいつも揺れるし、風紀委員だけどスカートが超短いのがフツーだからパンツ見えそうになってるから風紀委員になっちゃってるけどね。あっ、本人に言ったら絶対にキレられるから言わないけど。


「別にいいけど、1つ賭けをしない?」

「か、賭けですか?」

「うん。ただ勝ち負け決めるだけじゃつまらないでしょ? 何か賭けることで面白くなるし」

「まぁ、金銭でなければ……」


 しめしめ、乗ってきた。いいんちょって真面目だけど勝負事に関わると結構言うこと聞いてくれるんだよなぁ。中等部時代から知ってたけど。


「いいんちょが勝ったらアタシにして欲しいことしてあげる」

「そ、そうですね。もっと真面目に授業を受けてほしい、少なくともポーズくらいは取ってほしい、かしらね」

「オッケー! じゃあアタシが勝ったらぁ……」

「な、何ですか?」


 私が立ち上がってジリジリと距離をつけると後ずさるいいんちょ。メガネ越しに見える黒い瞳がマジ超可愛い♪


 で、私の提案を受け入れたいいんちょは挑戦を受け入れ、期末試験で勝負したの。



⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶


 結果はまたしても私の勝ちだった。って言っても前は全教科合計の差が25点だったのが、今回は10点差だったから、いいんちょも相当頑張ったのは分かる。


「くっ、またしてもあなたに負けるなんて……‼」

「でもいいんちょの方が理数系は得点高かったじゃん」

「文系はあなたに負けました。特に英語で差を付けられるなんて……」


 期末テストが終わった後に私の部屋にやってきたいいんちょは、悔しがりながら答案用紙を握り締めていた。ちなみにいいんちょがアタシの部屋に来てる理由は、私が勝負で賭けた約束を果たす為なの。


「ま、まさか私が、あなたが着てる服を着ることになるなんて……」

「まぁまぁ、いいんちょってスタイル良いんだし胸も大きいし、アタシの着てる服のいくつかは絶対に合うって前から思ってたんだよねぇ。今日の白のノースリーブワンピも可愛いけど」

「前からって、昔からそんなことを思ってたんですか?」

「まぁ、中等部の頃からね。そん時からいいんちょって生徒会所属だし、高等部でも学級委員長と風紀委員だったじゃん。あの頃から思ってたけどぉ、結構スタイル良くて可愛いのにおしゃれしないなんて勿体無いよ」

「わ、私はこういう服が好きなんです。派手というかギャルみたいな服は苦手というか……」

「約束でしょ? それに人前じゃなくて、アタシの前だけなんだからいいでしょ?」


 って言うと、いいんちょは顔を赤らめて黙っちゃった。どしたんだろ?


「……や、約束は約束です。煮るなり焼くなりお好きにどうぞっ!」


 って言った途端、いいんちょはガバッとワンピースの裾に手をかけて一思いに脱ごうとした。


「ちょ、乱暴にやると服が痛むよっ。アタシが着替えさせるっ!」

「で、でも……」

「でももなにもないっ。アタシに任せてっ!」


 ってな訳で、思い切りが良すぎてマンガみたいに服が破れそうな勢いで脱ごうとするいいんちょを抑えて、アタシが持ってる中でも1番のお気に入りのを着せた。まっ、元から破れてるから大丈夫だけどねっ❤️


 いいんちょも諦めたのか、後はされるがままって感じで素直になってくれたわ。髪も解いて軽くウェーブをかけてっと……。


「き、着替えられましたけど……」

「おぉ……❤️」


 アタシが着せたのは丈の短い黄色のチビTとダメージジーンズ。チビTはいいんちょの胸の大きさもあってヘソ出しどころか下乳まで見えそう❤️


 ダメージジーンズは太ももから膝の下辺りまでがっつり破れてるセクシーなやつ。こうやってみるといいんちょの脚って太ももはムチッとしてるけど全体的にいいフォルム。ってかマジでいいんちょって……。

 

「……エロいね」

「はぁあ⁉︎」

「いやぁ、自分の服着せて思ったけど、いいんちょの体ってエロいなぁって。胸も大きいし太もももムチっとしてて触り心地良さそうだし」

「な、急に何を言ってるんですか⁉︎」


 戸惑ってるいいんちょ可愛い♪ 元が可愛いからこう言うの着せてもいいカンジじゃん。ってかいいんちょ、マジでスタイル良いじゃん……❤


「ねぇ、体触ってもいい?」

「は? ま、まぁいいですけど……」


 ラッキー! じゃあまずはお腹からぁ♪


「きゃ、く、くすぐったい……/////」

「触り心地が気持ちいい❤️ へその形も良いし❤️ へそピアスすればもっとセクシーだと思うなぁ❤️」

「ピ、ピアスは遠慮します……」

「まぁ、無理強いしないけどね」


 ついでにジーンズの穴から手を入れて太ももをさすってみる。うう~ん❤ 感触もいいし肌触りもたまらないっ❤


「制服着てる時から思ってたけど、やっぱりいいんちょってオシャレしないと勿体ないなぁ❤」

「そ、そう、ですか?」

「ギャルファッションとまでは言わないけど、もっとはっちゃけちゃえばいいのに……❤」


 いいんちょのお腹に顔を埋める私。ここも感触が気持ちいなぁ❤️


「な、なんでそこまで……?」

「いいんちょが可愛くて仕方ないからってのもあるけどぉ……」


 いいんちょのおなかに顔を埋めながらこう言ったの。


「いつも必死に頑張ってて、アタシにもライバルって言って、皆をまとめてくれてるいいんちょが大好きだからかなぁ❤」

「なっ、な、ななななななっ……/////」


 きゃは❤ めっちゃ照れてる❤ 顔を真っ赤にしておどおどしちゃって、マジ可愛い❤


「もっと可愛い格好したりメイクすればいいのに……こんな可愛い女の子なのに……」

「……じゃ、じゃあ、夢川さん」

「ららみ、って呼んでよ。呼び捨てで。アタシも茜って呼ぶから」

「ら、ららみ……わ、私に、おしゃれを、お。教えて、く、くれる……?」


 ちょっと首を傾げながらそう言ったいいんちょ。ああ……アタシやっぱり、そうなんだ。


「もちっ♪ その内おしゃれも教えてあげる❤️」

「へっ?」

「あ、ううん、じゃさじゃさ茜。今オススメのコスメがあってね……」


 いいんちょ、ううん。茜に抱いたこの思いは間違いなく恋かも。真面目だけど照れ屋さん。それでいてめちゃ可愛い茜。いつかこの思い、絶対に打ち明けるっ!

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