第2話 被害者編1

登場人物

祐川勇司すけがわゆうじ(職業は割愛します)33歳

尼野あまの部長


本編


尼野「祐川すけがわ君。この書類を二十四日の会議迄にまとめておいてくれ」


祐川「分かりました。尼野あまの部長」


この祐川という男は伏見工業に勤める、至って普通の中肉中背のサラリーマン。

彼は決して仕事がとりわけできる訳ではないが、上司の尼野部長から気に入られていた。


祐川「出来ました! 尼野部長」


尼野「でかしたぞ! じゃあ、この書類を持ってお得意先の矢沢工業まで届けておくれ」


祐川「分かりました」


地理にうと佑川すけがわは、小一時間ほど矢沢工業のある久屋大通ひさやおおどおり駅周辺を迷っていた。


「遅れます、必ず書類はお届けしますので」


とりあえず電話を入れた佑川は、タバコをぷかぷか、とふかしていた。


祐川「ああー、仕事嫌だわ! 迷うしよー、転職したのが間違いだったかもな! あーあ! 前の仕事のがまだよかったよ」


佑川は、ちぇっ、と言葉を吐き捨てると、タバコの吸い殻を地面に落として、足でタバコを踏みつけたのであった。

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