第59話 男3人の宴
■スタートス聖教会 宿舎食堂 ~第5次派遣2日目~
「では、無事にボルケーノ鉱石の採掘が完了したことを祝して、乾杯!」
「カンパーイ!」
男3人の宴が始まった。
今日もムーアの教会から送ってきた、加工肉がタップリと並んでいる。
ミレーヌは、焼いて、煮て、贅沢に用意してくれた。
食卓には、ケチャップとソース以外の調味料はほとんどある。
ソーセージにはマスタードがやはり合う。
「タケルさん、それで次は何するんスか?」
「とりあえず、明日、明後日はそれぞれ訓練だね。俺はそろそろ弓をバージョンアップさせる」
「バージョンアップ?」
「うん、今は弓としてしか使ってないけど、そろそろ魔法を組み合わせてだね・・・」
「また、ムチャしないでくださいよ! ナカジーさんが怒りますからね」
「ダイスケ、今回はウルサイの居ないんだから、今のうちに色々やっとかないと」
(ナカジーが聞けば、更に激怒するだろう)
「でも、弓はそう言うイメージじゃないんだよね。破壊力というよりは距離と正確性でウィン様に力を貸してもらおうと思ってるから」
ダイスケは首をかしげているが、タケルの中でははっきりしたイメージがある。
矢が風に乗って、どこまでも飛んでいく・・・
「ダイスケは、風の魔法剣頑張っといてよ。夜は試験勉強もね」
「もちろん、そのつもりです。ですけど、マリア達の様子だけ明日確認しときますね」
「オッ 良い感じに責任感出てきたね。さすが、お風呂大臣!」
「責任感って言うか、やっぱりせっかく作るなら楽しくやりたいし」
「最高! 楽しいが一番だよ。 ねッ アキラさんもそう思うでしょ」
「うん、楽しいのが一番」
酒のおかげかナカジー不在のおかげか、アキラさんの返事もいい感じだ。
「じゃあ、ダイスケ。あの3人とスティンを明日の夜は誘っといてよ。肉は売るほどあるし」
「わかりました。マリンダさんはタケルさんが誘うんですか?」
(麗しのマリンダ・・・)
「ウン、多分」
「駄目ですよ、ちゃんとタケルさんが誘わないと」
「オッ、ダイスケ。マリンダは俺のものにしても良いの?」
「タケルさんのものって言うか、その方がマリンダさんも喜ぶでしょ。」
(ダイスケも俺とマリンダの空気を感じ取っておったか)
「OK、俺が誘ってみる。それと、次回の遠征ではマリンダと2人で皇都に行くから、3人はお留守番ね。」
「何スか? それ? マジっすか?」
「皇都の大教会に行くつもりで、向こうの司教に会いに行く。道中は修行にならないから、道案内をマリンダにお願いしたってこと。みんなは向こうに着いてから迎えに来るから、その間はそれぞれ自主練でヨロシク!」
「司教には何のために会いにいくんスか?」
「それは、雷の魔法ですよ」
「雷の魔法?」
「うん、西條さんも見たことないらしいけど、光の魔法の一種であるらしい。と言うか、俺があると信じてるんだよ。だから、見せてもらいに行く」
「相変わらず、先へ行くんですねぇ」
「勿論、俺たちは魔竜を倒す勇者だからね。今のままでは倒せる気がしないから、全員がもっと強くならなきゃ」
そう、俺立ちはまだまだ全然足りない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます