第20話 拒む薬
「取引って言ってましたけど、具体的には何をやり取りするんです?」
波打つ木目が味のある立派な一枚板のカウンターを挟んだ向かい側。物で溢れかえった棚の中から秤とルーペを持ち出してきた彼女に、何が始まるのかと期待が膨らむ。
……きっと、面白いことだ。
女の子に手伝いを頼まれた手前、内容は一切聞かされていなかった自分は、任される仕事がどのような類のものなのか、ずっと気になって仕方がなかった。
しかし、残念ながら期待はずれ。自分の仕事は、荷物をここまで運んだ時点で終わっていたようだった。
「薬の材料だよ。この街は海の上だから、何を買うにも高くつくんだ。だから、白が陸で使えそうなものを見つけたら、こうしてお店まで持ってきてもらってるんだよ」
薬として使える材料は物によっては足が早く、数日以内に処理を済ませなければ薬効がなくなってしまう物もある。加工前の状態で放置などすれば、逆に体に害をもたらす物質が生成されることも少なくないのだと、医者の身である彼女は真剣な面持ちで答えた。
「今回は”当たり”があるといいなぁ〜」
目の前で鞄を開けた女の子は、詰め込んであった商品を楽しそうに一つずつ机へと並べていく。
太陽の光を浴びると色の変わる、手のひらサイズの透明な鉱石。
草食動物の骸から拝借してきた、左の肋骨に根を張る奇妙な生態を持つ赤色の花。
昆虫を強制的に変態させる、雨上がりの水溜りの中にだけ姿を現す珍妙な植物の天辺の葉。
花を散らした桜の中に紅一点。時の流れが鈍いのか、初夏だというのに未だに桃色を咲かせた一本の小枝。
どれもこれも不思議な物ではあるが、人間、もとい魔物の薬に使えるのかは判らない奇怪な品ばかりだ。それでも、並々ならぬ奇跡を秘めていることだけは素人目にもわかる。そんな珍しい物たちは、女の子と過ごす中で集めた宝物であり、思い出だった。
「どうかな?ミナトが欲しい物、この中にある?」
とはいえ、彼女が求めるのは薬効のある素材だ。単なる外見の美しさや、生態の奇怪さ、奇跡とも思える奇妙な性質が素材にあったとしても、それが薬として役に立つかはまた別の話だ。
つまりは、当てずっぽうだったのだ。数打ちゃ当たるの精神で、女の子と”それらしい”物を収集してきた。
しかし、いざ目の前で査定されるとなると、ハズレて欲しくないと思えてくるから不思議だ。
女の子と二人、祈る様に彼女の答えを待つ。
彼女は使っていたルーペを置いて、代わりに万年筆を手に取った。六角形のガラス瓶に入った六色の異なるインクの内、ラピスラズリの様な濃紺の天色の液面へと先端をつけた彼女は、メモ用紙にすらすらと数字を書き始める。
「全部でいくらになるかな?」
そわそわした様子の女の子が、彼女の沈黙に耐えきれなくなり声をかけてくる。
「そういうことは、思っていても口にはしないものですよ」
「……でも、なんだか落ち着かなくて。こういうの、少しドキドキする」
期待に胸が跳ねるのとは違う、不安から来る重たい足取りの鼓動。自身の価値観に他人が値段を付ける瞬間が、女の子も怖いに違いない。
「そうですねぇ……。売れなかったら持って帰って、部屋にでも飾りましょうか。あの石とか特に、綺麗でいいと思いません?」
それは、山中の河原で蹴つまずいた大きめの石を、むしゃくしゃして自分が蹴飛ばした時だった。割れた石の中から宝石が出てきたときは、声を上げて驚いたものだ。
そんな、偶然の出会いを果たした石だ。値もつかないような安物であったとしても、手放すのには少し惜しく思える。
それに、だ。この石は、売るために拾ってきたわけではない。
「なんだ、玲もわたしと
責めるように。呆れるように。そして、何より嬉しそうに女の子は言う。
「そこは、あれです。棚上げします」
「揺らしたら簡単に落ちてきたりして」
「欲しいなら、取ってあげますよ」
「ふふっ。そう?ありがとう」
そんな他愛ないやり取りをしつつも、自分の意識は彼女の手元へと向いていた。全く、これでは他人のことは言えないなと、少し自嘲気味に笑う。
カタン、と。万年筆が置かれる音が鳴り、女の子は緊張した面持ちで背筋を伸ばした。
「ざっくりしてるけど、一先ず見積もりだけ渡しておくね。売るか売らないかは、それを見ながら相談して決めるといいよ」
彼女は、束になったメモ用紙から一番上の一枚を破り取ると、達筆な数字が書かれた紙を女の子へと手渡す。数字の頭に書かれた文字はおそらく品の名前なのだろうが、横目で見ただけでは全く頭に入ってこなかった。
よく見える位置に移動しようと女の子に近寄ると、女の子が口を開けて固まっていることに気がついた。
「どうかしました?」
何をそんなに驚いているのかと、女の子が手にしている紙へと視線を落とす。
「……………………え?」
それは、どうと言うことはない。なんの変哲もない生成りの紙だった。
けれど、その内の一列。一喜一憂するような買取価格が列挙されている中、変色する石の欄にだけ、見間違いかと疑うほどに異質な金額が記されていた。
「ミミミミナト?け、桁、間違えてるよ?」
「えっとぉ?いち、じゅう、ひゃく、せん…………。い、一千万っ!?」
予想だにしていなかった額にたじろぐ自分たちを、彼女は面白い物でも見るかのように口を開けて笑う。
「二人とも、期待通りの反応ありがとう」
「な、なんだ……。ミナトったら、急に脅かさないでよ……」
したり顔でニヤけている彼女に、女の子はしてやられたと肩を落とす。彼女に現実感のない額を否定され、ほっとしたような、でも寂しいような。そんな何とも言えない表情で、ぎこちない笑みを彼女へと返した。
すると彼女は、何やら慌てた様子で口を開く。
「勘違いしないでね。その額に嘘はないんだよ」
「……はぇ?」
再び予期せぬ衝撃を受けて、女の子は気の抜けた声を漏らす。それは自分も例外ではなく、愕然として思考が全く回ってくれない。
「ぁ〜、え?……ん?………………ふぁ〜……」
「ちょ、大丈夫ですか!?」
現実を受け入れられずに放心してしまった女の子が、自分の方へと力なく倒れ込んでくる。咄嗟に両手で受け止めはしたものの、女の子の瞳は虚で、いつまで経っても目に光が戻ってくる気配がない。
「あ〜、プリンがお空を飛んでるよぉ〜」
「そんなもの飛んでませんから!!ほら、気をしっかりっ!!」
「わたしも一緒に飛ぶんだぁ〜!」
「あははっ」
「ミナトさんも見てないで助けてくださいよっ!」
「はいはい」
トコトコとカウンターを回ってきた彼女は、おもむろに自分の腕の中で放心している女の子へと手を伸ばす。
そして躊躇うこともなく、女の子の小さな鼻を親指と人差し指で軽く摘んで見せた。
「ふごっ!…………あ、あれ?わたしのプリンは……?」
呼吸を遮断されて苦しそうな音を出した女の子は、その拍子に意識を取り戻す。
「……いくらなんでも、強引過ぎでは?」
「白を起こす時には、これが一番手っ取り早いんだ」
「とは言っても……、ねぇ?」
そう言いながら女の子の方を向くと、女の子は首を傾げつつも無邪気な笑顔を返してくれる。そんな女の子の鼻の下に薄らと光る条を見つけていた自分は、一人苦笑いをする他なかった。女の子が恥をかく前に、さりげなくハンカチで拭っておく。
二人して見積もり額に怖気付きながらも、女の子と商品を売却するかをしばらくの間相談した。未練というほどではないが、少なからず思い出がある物たちだ。踏ん切りをつけるには、それなりの時間を要した。
それでも最終的には、困窮した生活の足しにするために、彼女に全て買い取ってもらおうと結論を出した。
とは言え、流石にボロ小屋に大金を持って帰るわけにはいかない。
「……本当にいいの?」
「ミナトにはお世話になってるから、お返ししないとって思ってたんだ」
「そう?なら、今回は甘えさせてもらおうかな」
そう言って彼女は、カウンターに設置されたレジからお金を取り出して、女の子へと手渡す。
金額に間違いがないかを尋ねてくる彼女に、しかし、女の子は確認するまでもないと拒んだ。
彼女からの困ったような視線を感じた自分は、仕方なく代わりに確認することにする。
片手で紙幣を軽く押さえつつ、もう片方の指を使って、ぱっぱと手早く枚数を確認する。いつの日かアルバイトで身につけたスキルではあるが、特別役に立つ場面が多いわけでもない。強いて言うのであれば、わずかばかり見栄えがいいことくらいだろうか。だから、敢えて途中指を止めたりしてぎこちない動きを演出し、二人に格好つけていると思われないように心がけた。
「…………はい。丁度”十万”、確かに受け取りました」
女の子から預かったお金を、卓上で整えてから綺麗な形で返す。
「ほら、確認しなくても平気だったでしょ?」
女の子は手にした十枚の紙幣を、くたくたになった財布へと丁寧にしまった。それを握る小さな手は、心なしか震えているように見えなくもない。
「残りはお店で預かっておくから、必要になったらいつでも言ってね。今すぐ全額っていうのは流石に無理だけど、私も儲かってないわけじゃないから」
今ここで大金を受け取ったところで管理する場所もなければ能力もない自分たちは、彼女の提案もあり、お金を一旦預けることにしていた。
初めの金額からすれば大した額ではないものの、今の生活を続けるにはあまりに過剰すぎる大金だ。家賃も光熱費もかかっていないボロ小屋に住むには、食費以外のお金の使い道はそう多くはない。
それに、念のためと余計に多く持っていたところで、その手のお金は身につかない類のものだ。自分で言うのもなんだが、あの石は偶然拾った悪銭のようなものである。大金に浮かれて無駄遣いをしてしまうのは、女の子も自分も可能な限り避けたかった。
「そんな心配、これっぽっちもしてないよ。ミナトはそういう事はしないって、ちゃんとわかってるから」
「その言葉は嬉しいけど、他のところではちゃんと気をつけなきゃダメだからね」
「は〜い」
本当にわかっているのか不安になる間延びした返事に、彼女がやれやれと頭を抱える。
それなのに、女の子は気にした様子もなく、ニコニコと笑顔を浮かべるばかりだ。報われないなと、彼女に少し同情してしまう。
「……そうだ、白。いつもの”あれ”は、必要かな?」
「あっ…………。うん。お願い……」
買い取ったものを棚にしまっていた彼女がおもむろに尋ねてくるのに、突然女の子は声を詰まらせたかと思うと、無邪気だった表情を途端に曇らせた。
唐突に重たくなった場の空気に、その訳に見当もつかなかった自分は、たとえ雰囲気を変えるためであっても、口を開くことは憚られた。
「……そう」
悲痛な面持ちの彼女を見るに、あまり喜ばしい話題ではないのだろうことだけはわかる。
彼女の言う”あれ”が何を指すのかは定かではない。けれど、場所が場所だ。おそらく、女の子は何かしらの病に侵されているのだろうと、そう想像した。
案の定、彼女は木製のトレーに数種類の薬を乗せてやってきた。小さなチョコやラムネだと言われた方が納得ができるほどに、妙にお菓子に似せて作られた薬たちは、きっと彼女が自ら調剤した物に違いない。わがままを言う子供でも抵抗なく、いや、むしろ自ら進んで服用してくれそうなくらいの完成度には、偉そうではあるが目を見張るものがあった。
トレーの上の薬の中には、妙なデザインの物もあった。その薬はとてもきついものなのか、もしくは、定期的に飲まなければ効き目をなさない類の薬なのだろう。クリスマスに見かけるカレンダーに扮したプレゼントボックスのような遊び心溢れる包装をされている”それ”は、患者が習慣的に服用したくなるような工夫が凝らされていた。
「毎日一錠、忘れずに”必ず”服用すること。これは絶対だよ。それと、副作用にも気をつけてね。副作用の症状が出たら、すぐに服用をやめること……とは、私には言えないけどね。本当の本当に、気をつけてね」
「うん。いつも通りに、だよね。わかってる……」
薬はね、毒なんだよ。そう彼女は念を押すように口にした。
「薬は、体を無理やり弄るんだ。それも、その多くは治すためじゃない。症状を軽くするためだけにだ。確かに、薬を飲めば結果的に病気は治るかもしれない。でも、信用はしちゃダメだ。頼っちゃダメだ。もしも、そんなものに全身が漬かろうものなら、それはもう、別人なんだよ」
彼女の叫ぶ悲痛な思いが正確に女の子に届くことは、きっとどこまで行ってもないのだろうと、そう思う。そう感じてしまうような女の子の瞳の奥の揺らめきに、彼女も甚く胸を痛めているようだった。
それでも、彼女から贈られるめいいっぱいの心配に、女の子は僅かの微笑みを浮かべられる程度には明るさを取り戻してくれる。
こんなに近くにも、いたんですね……。
病を治すために服用するはずの薬で、彼女は患者に殺してくれと懇願されたという。その時の無力感とはいかなるものかと想像しても見当もつかないけれど、救いたい患者自身から死を望まれた瞬間の寂しさは耐え難いものだったに違いない。
しかし、半端者たちにとって、処置にかかる治療費は途方もなく高額なものであろう。それこそ、先祖代々伝わる家宝を売ったり、他所様から金目のものを盗んでくるくらいの覚悟がなければ、社会から疎まれる者たちは薬の一つにさえ手が届かない。
そして、病から仮に脱したとしても、変わることのない差別や暴力が罷り通る世界。身近な死に強い魅力を感じるのは、最早道理と言っても過言ではないように思う。
だからこそ、彼女は訴えるのだ。共に綱渡りを続ける友人が、下を見てしまわないように。目の前の患者に、決して諦めるなと、そう懇願している。
「ミナトは心配し過ぎだよ」
女の子は、柔らかい笑顔を彼女へと向ける。
「ミナトはお医者さんだから、たくさん苦労してるんだなって、わかるよ。でもね、わたしは”病気”じゃない。だから、ミナトが言うような別人にはならないから、安心して?」
ミナトとはずっと友達でいたいから。そう女の子は願いを口にする。
「……病気じゃないのに薬を飲むんですか?」
ふと沸いた疑問が抑えられず、自分は二人のやりとりに水をさした。
体を蝕む類の病ではないのなら、彼女が持ってきた薬は何のためのものなのだろう。眠れない夜を越えるための睡眠薬だろうか。それとも、怪我をした時に使うために、鎮痛剤でも常備しているのだろうか。
そんな可能性の答えは、今までの生活でわかり切っている話だ。
だから、尋ねずにはいられなかった。
「あぁ、これ?」
自分が声をかけると、女の子はひどく慌てた様子で、薬をそそくさと鞄にしまって隠してしまう。
「なんでもないよ。大丈夫だから」
穿鑿をするつもりはなかった。けれど、女の子の反応に嫌な予感がして、もう一度重ねて質問する。
しかし、女の子はそっぽを向いて取り合ってくれない。
「玲には関係ないことだよ。だから、気にしないで」
そんな頑固な女の子には早々に見切りをつけ、向かいの彼女へと視線を送った。彼女なら答えをくれる。そんな期待が少なからずあったから。
でも、彼女も女の子と同じように、何も口にしてはくれなかった。どころか、人の飲む薬をじろじろと見るものではないと咎められる始末だ。
「……すいません。不謹慎でした」
自分は何も知らぬまま、薬か毒かもわからない重たい空気だけを有無を言わさず吸わされ続ける。そんな理不尽はとても息苦しくて、やるせない気持ちで胸がいっぱいになって嫌だった。
「代わりと言ってはなんだけど。隠しごとのお詫びというか、今回のお金の担保というか。このお店にある魔杖で気に入ったのがあったら、遠慮なく持っていって欲しい」
「……そうだよ。玲の拾った石が高く売れたんだから、お金は自由に使っていいんだよ?遠慮しないで、ね?」
二人してそう誤魔化してくるものだから、自分は二の句を継ぐこともできそうもない。
仕方なく、今は二人のご機嫌取りに回ることにした。
「……とは言っても、あんまり詳しくないんですよね。何かおすすめとかあります?」
魔杖など、本当は要らなかった。
魔杖を使うのには、特別技術が必要というわけではない。
しかし、唯一条件として、使用者が魔物である必要があるのだ。その縛りがある以上、どれだけ良い物を貰ったとしても、宝の持ち腐れ意外のなにものでもない。
とは言え、興味が全くないかといえば、それは嘘になる。
自分は未知のものに対する好奇心に抗うことができず、彼女に道具としても日常的に使える物という条件をつけて、店の中から良さげな魔杖を探してもらうことにする。
それに、ここで断ると空気を悪くしてしまいそうで、何か大切なものを壊してしまいそうで。単純にそれが怖くなってしまって、二人の望むままに自分は流されることを選んだ。
「それなら、おすすめってわけじゃないけど、面白いものがあるから。ちょっと待ってて」
散らかっている店内を器用に駆けていく彼女の姿を目の端で追いつつ、期待に胸を膨らませているのがバレてしまわないように、その場で大人しく待っていた。
すぐにお目当ての魔杖を見つけてきた彼女は、先ほどと同じ勢いで戻ってくる。辛うじて崩れずにいる高く積み上げられた商品たちに、自前の大きな尻尾や手にする長物の魔杖を引っ掛けそうで、今にも雪崩が起きてしまうのではと、心底冷や冷やさせられた。
なんとか無事に帰ってきた彼女の手には、身の丈ほどにも及ぶ一振りの太刀が抱えられていた。
「ジャパニーズワザモノナイフだよ!名前は確か……バクだったかな?」
日本刀を模したらしき長物の魔杖は、作られてから相当の年月が経っているのだろう。触れるのが躊躇われるほど柄巻はひどく黒ずんでいて、元は細工が凝らされていたのだろう緩い弓形の鞘も、所々朽ちてしまっている。これではいくら鞘に守られているとは言え、中身の刃の方も使い物にならないだろう。
「バクですか……?随分と名前が短いんですね」
「そうだねぇ。お肉プレートは覚え切れないくらい長いのに」
「……二人とも何が言いたいのかな?」
「「……なんでもないです」」
自分たちの言葉で機嫌を損ねてしまった彼女は、頬を膨らませてそっぽを向いてしまった。
そんな彼女に女の子は近づき、昨日のように抱きつきながらに素直に謝る。
すると、怒っていたはずの彼女の表情は見る見るうちに緩んでいき、あっという間に上機嫌へと変わっていった。
単純だと言ってしまうのは失礼かもしれないが、それ以外に言葉が見つからない。思いを包み隠さず率直に言ってしまえば、彼女はとてもちょろかった。
「…………」
不意に彼女が物欲し気な視線をこちらへと向けてくるのに、その意図を図りかねて自分は首を傾げる。
すると、彼女の胸の中に収まっていた女の子が突然振り向いたかと思うと、無言の彼女の思いを代弁するかのように非難の声を上げてきた。
「はやく、玲もっ!」
「……ぇ?いや、いやいやいや!流石にそれは無理ですってっ!」
「なんで?ミナト、柔らかいしあったかいよ?あと、ふさふさで気持ちいい!」
「その感想は流石にどうかと思いますよ…………」
謝ると言う口実をもって彼女へと抱きつく女の子と、その立場を利用して安心を得たい彼女。どっちも単体では面倒くさいが、幸い相性はいいようだ。
……それに付き合わされるのは勘弁だけど。
女子同士で仲良くするのは一向に構わないけれど、男の自分に同じことを要求されても対応に困ると言うものだ。それくらいは彼女とて理解はしているだろう。
けれど、それでも大人しくしながら、他人の温もりを期待している彼女だ。何もしてあげないのも違う気がして、それでもハグをする度胸はない自分には、そっと頭を撫でるくらいが限界だった。
「……ふふっ。謝ってくれたから、二人とも赦してあげる」
「よかったぁ〜。ありがとう、ミナト」
「どういたしまして、白」
「……これは何という惚気だ……?」
一頻り二人の茶番を見せられた後、話題はようやく魔杖へと戻る。
古びた魔杖、もとい刀は、患者から治療費代わりに渡された物なのだと彼女が簡単に説明してくれた。
そもそも彼女が作った物ではないのだから、魔杖の名前が異様に短いのも当然だった……などと。ここで余計なことを口にしたらまた面倒なことになるに違いない。ここは大人しく黙っておく場面だと、開きかけた口をきつく締め直す。
彼女は売り物である魔杖を解説するために、鞘から刀を抜いて見せてくれた。本来なら物で溢れかえった狭い店内で抜くべきではないし、太刀を最後まで引き抜けるほど彼女は体格も大きくない。
しかし、そんな心配は杞憂に終わった。
彼女が手にしている刀は、半ばからぽっきりと折れてしまっていた。
「刃が傷んじゃってて折れてはいるけど、それがむしろ使いやすい長さになってて、勝手がいいと思うよ」
この長さならナイフ代わりに使えるんじゃないかと、彼女は苦笑いをしながら刀を手渡してくる。彼女とて、こじつけだと言うことくらいは重々承知しているのだろう。
そもそも、人間目線で魔杖を選ぶのが間違っているのだ。責める権利は自分にはない。
しかし、逆に言えば”魔物”にとっては特別なものということに他ならない。見た目はボロボロの刀だとしても、中身は立派な魔法の道具なのだ。
「ミナト。それ、どうやって使うの?魔杖なんだよね?」
「百聞は一見にしかずって言うでしょ?見てて」
この場で実践して見せてくれる言う彼女に甘えて、ハサミを手渡す要領で刀を慎重に返す。
彼女は刀として構えることはなく、まるで包丁のような気軽さで片手で持った。
ふと、彼女はこちらに目配せをしてきた。表には流石に出ていないと思うが、期待感で心臓がどうにも高鳴ってしまって、一歩でも動いたらスキップして踊り始めてしまっていたかもしれない。
「いくよ」
次の瞬間、刀が淡く光り始めたかと思うと、先ほどまではガラクタ同然だった刀身が、まるで息を吹き返したかのように周囲の空気を冷やしていく。
折れた刀に威厳という言葉を使うのはどうかとは思う。けれど、自然と謙ってしまうような厳かさと目を奪われるような魅力が、それには確かにあったように思う。一度刀を振れば、心すら動かすことができる。そう感じたほどだ。
そんな心惹きつけられる刀だからだろうか。途端に刃の断端がひどく痛々しく見えてしまって、無性に可哀想に見えてきてしまう。物の中に心を見出してしまう感性は、古くから受け継がれる遺伝のようなものなのだろう。それ自体は決して悪いことではない。とは言え、ここまで見境なく発揮されてしまうと、自分の心が持たないとも思う。でも、捨てる気は毛頭なかった。
彼女は薬剤を調合するためのガラス容器を卓上に置くと、刀を握る片手をそっと持ち上げる。
女の子と二人、魔杖が使われる瞬間が来るのを固唾を飲んで見守っていると、彼女は逡巡する様子もなくあっさりと刀を振り下ろしてみせた。
りん、と。鈴の音が聞こえた気がしたのは、きっと気のせいだろう。
今はそれより、目の前で起きた現象に目を奪われていて、他のことに意識を割く余裕はなかった。
「なっ…………っ!」
「ね、ねぇ、玲?見てた?ガラスが簡単に切れちゃったよ!」
カウンター上に置かれていたガラス容器は、先の一刃で綺麗に真っ二つに割れていた。ガラスの破片一つ作ることなく切り分けられた断面など、元からそういう物だったと言われた方が納得できるほどの滑らかな切り口だ。
「驚いてもらえてよかったよ。魔杖の力は優秀な部類なんだよ?でも、ほら。絵面はすごく地味だから、白けたりしないかなって不安だったんだ」
「ミナトすごい!格好良かったよ!」
「……褒めてもダメだよ。白にこんなの持たせたら、お店ごと切りかねないからね」
「ぶぅ〜っ」
不貞腐れる女の子を置いて、彼女は改めて魔杖の説明を始めた。
「この魔杖はね”切れないモノを切れる”んだ。
「……と言うと?」
「ううん。その辺は後のお楽しみってことで」
そう言う彼女の視線が、一瞬自分の背後の一点に向けられた気がして、意味深な言葉も相まって不気味だった。
「……でも、切れないモノを切るですか……。使い道がありそうでなさそうですね」
「そこは本人次第ってことになるね。アキラは魔杖は初めて?」
「ぁー…………いえ。触ったことくらいはありますよ」
「そう。なら、細かい説明は省くよ」
人間であることがバレないように、もとい無知であることを知られたくないばかりに、自分は彼女にささやかな嘘をつく。誰にも悪影響がないのなら、嘘も方便というものだ。
それに、詳しく聞いたところで、理解できない部分が大半だろうことは想像に難くない。だとしたら、道具や機械が原理や言語が理解できなくとも触っていれば大抵はどうにかなるように、魔杖もいじくり回していれば案外使えるようになるかもしれない。希望的観測ではあるけれど、僅かでも能力を引き出せたら、それはそれで儲け物だ。それに、物をいじくり回すのは、わりかし楽しい。
「等級三と言うと、中の上くらいですか」
「そうなるね。でも、等級分けの基準自体曖昧なものだから、あくまでも参考程度に考えて」
魔杖の効力の強さや危険度で等級が振られているのは知っているが、その基準といった細かい部分までは把握していない。その辺りも興味がそそられなくはないが、ここで話題を深掘りしては、自ら墓穴を掘りかねない。それにそんなことを聞いたところで、だからなんだと言う話だ。
「刃物の取り扱いには十分注意をすること。周囲の安全を確認して、事故が起きないように気を付けてね」
子供扱いされているようでどうも納得いかないが、彼女の性格上言わずにはいられないのだろう。その真面目さに免じて、愚痴は漏らさず大人しく頷いておく。
そんな彼女の口から、前触れもなく妙な台詞が飛び出してきた。
「…………気を許し過ぎないで。下手したら喰われるよ」
意味不明でなんとも不穏な言葉に、もしや、この刀は曰く付きの一品なのではないかと、そう勘繰ってしまう。
けれど、その後のやり取りで、妙な雰囲気はどこへやらだ。
「あと、白には持たせないこと。これは約束だよ」
「ええ。わかりました」
「……二人ともそれはないよぉ……」
除け者にされていた女の子がポコポコと胸元を叩いてくるのに、彼女は他人事のように笑ってくる。それが少し癪に感じて、思いつきで余裕ぶっている彼女の元へと、胸元の猟犬、もとい猟猫を差し向けてみた。
すると、すごい勢いで女の子は駆けていき、今度は彼女のことを襲い始める。
「がおぉぉぉぉ〜!ミナトのこと、食べちゃうぞぉ〜!」
「こら、白っ!?やめ、やめてって!」
「わたし、ミナトが耳が弱いの知ってるんだよ」
「えっ?……や、やめてよ?お願いだから、ね?」
本当にやらないよね、と彼女が視線で問いかける。
しかし、女の子は自身で決める気はないようだった。
「……さて、お代官様。ミナトのこと、如何様にいたしましょうか?」
悪い笑みを浮かべる女の子は、心底状況を楽しんでいるように見える。
だから、もっと面白くなることを期待して、自分は迷わず油を注ぐ。
「うむ。よきにはからえ」
「ア、アキラっ!?冗談だよね?」
「……と、いうことだからぁ〜。ごめんっ、ってやつだよ!えいっ!わしゃわしゃわしゃ〜〜〜!!」
「く、擽ったいよっ!?あっ。ふわぁっ…………っ!!」
女の子の魔の手から逃れようと、彼女はなりふり構わないといった勢いで身を捩らせる。
けれど、肝心の弱点である大きな耳はほとんど同じ場所から動いておらず、逃れるは愚か、女の子の悪戯心に火をつけてしまう始末だ。
そんな風に、組んず解れつしながら戯れ合う姿を見ていると、やはり二人はお似合いだなと心から思う。呆れまじりにではあるが、無性に笑えてしまってお腹が痛い。
「ああぁぁぁもうっ!二人とも私で遊ばないでくれるっ!?」
その後は、人を呪わば穴二つと言うもので。呪詛返しのごとく、獣と化した女の子が戻ってくる。それをまた自分が送り返し、彼女の方も負けるものかと突き返す。
そんな他愛ないおふざけは、何か目的があってやっているわけではない。でも、不思議と永遠と続けていられる、そんな心地よさのようなものがあった。
彼女が擽ったさと恥ずかしさに耐えられず、ぷるぷると震えながら刀を抜き始めた時には驚きこそしたが、それも一つの思い出だと思えば、感慨もひとしおというものだ。
そんな彼女を宥めるのにはなかなかに苦労させられたが、最後には気持ちよく仲直りして(喧嘩をしていたわけではないが)、お遊びは一旦お終いになる。
彼女は乱れた呼吸を整えてから、自分に刀を手渡してきた。
「…………ともかく。この子は相当な曲者だけど、アキラは仲良くしてあげてね」
「えぇ、勿論。貰い物なんです。大切に使わせてもらいますね」
期待されているだろう魔杖としての活用は無理でも、腐っても人斬りの武器である。かく言う切れ味の方も不安ではあるが、適当に砥げば、元通りとはいかずとも魚を捌ける程度には復活はするだろう。今までは焼き魚がメインだったが、今後はお刺身に手を出してみてみてもいいかもしれない。
しかし、彼女の次の言葉で色々と台無しになる。
「何を言ってるの?ちゃんと、一括払いで買い取ってもらうよ」
「…………ミナトのケチ。自分で担保って言ったのに、忘れちゃったの?」
「あくど過ぎる……」
「ふふっ。褒め言葉と受け取っておくよ」
なんて、心にも思っていない台詞を言う彼女だったが、どうやら必要な手続きであるらしかった。
一部の特殊な魔杖の譲渡には、体裁だけだとしても、モノのやり取りが必要不可欠なのだと、彼女は勘違いしないでくれと、そう説明した。そうしないと色々と不都合が出るからと、彼女は申し訳なさそうにしながら、最も安価な硬貨一枚を対価として要求してきた。
財布を握っている女の子に支払いを頼もうかと思ったものの、女の子はすでに硬貨を準備していて、それを自ら支払うでもなく、わざわざ自分へと渡してくる。それもまた必要な手続きなのかもしれないと、無言で勝手に納得した。
「毎度ありがとうございます。白は今後ともご贔屓に。もちろん、アキラもね」
本来なら昨日済ませてしまう予定だった取引を日を跨いでようやく終えて、時は早くもお昼過ぎ。昼は私がと張り切った様子で、彼女は早速朝のメニューを真似て味噌汁を作ってくれた。味の方は……、まぁいいことにしよう。とにかく、自分たちは適当に腹ごしらえを済ませた。
「バク、汽車に持ち込むと目立つだろうから、簡単に布で包んでおいたよ」
「わざわざありがとうございます。あ、あとお昼、ご馳走様でした」
「はい、お粗末様でした。次来る時までには、きっと上手になってみせるから。期待してて」
自分への用事を終えた彼女は、今度は女の子へと声をかける。
「白、帽子のサイズは合いそう?」
「……うん、ぴったりだよっ!それに、とっても可愛いっ!もしかして、ミナトの手作り?」
「……うん、そうだよ。風で飛ばされないようにクリップがついてるから、忘れずにつけてね」
不慮の事故で”魔物らしさ”が周囲に暴露されないようにと工夫が凝らされている帽子は、しかし、女の子の言う通りとても可愛らしくて、耳を隠すために被っているとは誰も思わないことだろう。飾りに近いフードとは違い、厚手の素材が使われているのか、帽子は立体的な形状を保っていて耳が窮屈にならないように配慮されていた。
これを昨日の今日で作ったのだとしたら、それは天才の所業だ。あるいは、正気の沙汰ではないと言うべきだろうか。その狂気に等しい衝動に、しかし、自分は”共感”を覚えずにはいられない。
けれど、彼女の作品の完成度はあまりにも高い。だからだろうか、心が勝手に負けた気になってしまって、敵わないなと静かに肩を落とす。彼女のプレゼントに、女の子はとても喜んでいた。やはり、自分は余計なことはするべきではなかったのかもしれないと、ちょっぴり後悔してしまう。
ともかく、腹ごなしも早々に、自分たちは帰宅の準備を始める。汽車での移動時間を考えると、暗くなる前に帰宅するには、そろそろ店を出なければならない時間になっていた。
「切符は大丈夫そう?昼間は人も多いから、バレないように注意しないと。どこで誰が見てるかわからないからね」
「そこは平気だよ。玲が代わりに買ってきてくれるんだ」
そう言って女の子は、自分に視線を向けてくる。
「来る時と同じボックス席の指定でいいんですよね?」
「うん」
「でも、今の時間だと指定席は空いてないかも。お昼前後はそこそこ混むんだよ」
「まぁ、その時はその時です」
指定席の方が気楽で良いのは間違いないが、だからと言って自由席が嫌だと駄々を捏ねるつもりもない。幸いなことに、ギアフロータスは汽車の始発駅だ。早めに乗り込むことができれば、好きな席にも座れるだろう。
「白、忘れ物はない?」
「もう、ミナトは心配ばっかりだね。……あっ!ミナトの部屋に鞄置きっぱなしだったよ。すぐに取ってくるね!」
テコテコと荷物を取りに駆けていく背を眺めていると、不意に彼女から声をかけられた。
「アキラ、少しいい?白の代わりに書類にサインを貰いたいんだけど……」
「良いですよ。……いつも書いてくれないんですか?」
「あ、誤解しないで。今回は私が忘れてただけだから。……白のことを言えないね。出る時間ギリギリにごめんなさい」
「いえ。……さて、えーと……?あぁ、生年月日と名前だけならすぐですね」
彼女が申し訳なさそうに持ってきたのは、女の子と集めた物を売って得たお金に関するものと、その後買った薬や魔杖に関する二種類の書類だった。それと、至って普通なボールペン。お店で使っていた万年筆とインクというスタイルを、彼女は他人にまで強要する気はないのだろう。
書類はお店側の控えも兼ねているのか、それぞれ書類の間には薄っぺらいカーボン紙が挟まっていた。それがズレないように片手で固定してから、素早く空欄を埋めてやる。
「……今日って何日でしたっけ?」
「そこは私が書いておくから、気にしないでもいいよ?」
「そうですか。なら……はい。一応確認お願いします」
一通り抜けがないかを指差しで確信してから、書類を彼女へと返す。
さっと確認する彼女の視線が不意に止まったのが気になったが、特に不備があるというわけでもないのか、そのまま普通に受け取ってくれた。
「お待たせ!」
タイミング良く女の子が戻ってくる。改めて忘れ物がないかを確認してくる彼女に、二人して苦笑しながら自分たちはお店を出ることにした。
「また、来てね」
店先まで見送りに来てくれた彼女は、その手に抱えたバクを手渡してきては、そんな言葉を艶っぽく口にする。その声音は少し寂しそうで、彼女を置いて家に帰ることが悪いことのように思えてならない。
「もちろん!またね、ミナト!」
「うん。約束だよ」
彼女の不安を消し去るためか、はたまた自分の寂しさを誤魔化すためか。女の子が明るく元気よく返事をする。だから、あえて自分が返事をする必要もないかと、二人から少し離れた場所で、黙って待っていた。
「またね。バイバイ」
挨拶に加えて、昨日来たときのように彼女に戯れていた女の子は、満足したのか、はたまた未練を振り切るためか。別れの挨拶を口にする。それに倣って、自分も簡単に挨拶を済ませた。
彼女に背を向けて大通りを進む。突き当たりにあるのは、どうやら駅のようだ。来るときは随分と遠回りしたのだろう。到着まではいくらもかからないに違いない。
「もう少しゆっくりしてても良かったんですよ?」
「でも、乗り遅れたら困るでしょ?」
「まぁ、そうなんですが……」
海上を泳ぐ街まで来るためには、お金を払って汽車に乗らなければならない。友達に会うためと気軽に来れるような場所ではないのだから、可能な限り二人の時間を楽しんで欲しいと、そう思ったのだけれど。
「玲、覚えてる?勝負の続き、覚悟しててね!」
女の子は不思議と嬉しそうで、なんなら、先ほど別れた彼女の方が寂しそうにしていたようにさえ感じられる。
かくいう自分も、早く家に帰りたいと気が急いていた。
彼女には失礼だが、慣れない環境での初めて会う人とのお泊まり会は、思った以上に体力と精神力を消費していたようだ。住むのにはとても便利とは言えないボロ小屋が恋しくなる日が来ようとは、初めて小屋を見た自分に言ったら信じてもらえないに違いない。
自分にはもう、あそこが家なのだ。
もう家には帰れない。だから、女の子が望む限りは、女の子のいる場所が自分の帰るべき家だ。
「勝った方が負けた方の言うことをなんでも聞く、でしたよね。いいですよ。受けて立ちます」
勝負、もとい遊ぶのが楽しみで仕方がない様子の女の子は、小走りで駅の方へと向かっていく。そんな女の子に連れられて、自分も気付けば駆け足だ。
女の子と二人きりの穏やかな時間を求めて、静かな家へと帰るために。少しの時間も惜しく感じられて、のんびりしている女の子を引っ張るようにして、目的地までの直線を二人で楽しく駆け抜けた。
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