第3話

次の日、小鳥の鳴き声で目覚めた時、天井が白かった。自分の周りを見渡して、

自分が入院したことを改めて実感した。ふと隣を見ると、健が眠っていた。


「おはよう。」

私は眠い目をこすりながら健に言った。

起こしてしまうことの申し訳なさを含めて。


少しすると、看護師さんが朝食を持ってきてくれた。お世辞には美味しいとは言えなかったけど、健と話しながら食べるせいか美味しく感じた。ご飯の後、少しだけ健と話した。


また少しすると、検査だと言って看護師さんが来た。時計を見るともう8時だった。

健は学校があるのでここでいったんお別れだ。


「行ってらっしゃい。」

私は笑顔で健を見送った。


「また学校が終わったら来るから。」

健はそう言って、足早に病室を出た。

ただの友達なのにこんなにも仲良くしてくれるのが嬉しかった。


検査は思っていたよりあっという間に終わった。検査中ずっと学校に行きたいということばかり考えてしまった。すぐに良くなると言ってくれた健の言葉を信じようと心に誓った。


検査の結果はすぐに伝えられた。思ったより良くないらしい。

入院は長引きそうだと思った。


それから病室のベッドで一人ぼんやりとしていた。何もやることがないから暇だ。



「コンコン。誰ーれだ。」

急にドアがノックされた。一瞬誰かわからなかったけど、すぐに分かった。

友里姉だと思った瞬間笑みがあふれた。


「来てくれたの。ありがとう。」

とても嬉しかった。私は、友里姉が大好きだから。健はもちろん好き。

でも私は友里姉が大好きだ。誰よりも友里姉を愛してる自信はある。


「遅くなってごめん。姉だもん、来ないわけないでしょ。それより大丈夫なの?

さっき、お医者さんから話聞いたけど....。」

心配していることが顔からわかった。


「大丈夫よ。ほら、見ての通り元気でしょ。さっきまで健がいてくれたし。」


「健くん来てくれてたんだ。私よりも先に。」


「まあ、病院に連れてきてくれたの健だから。しかも泊ってくれたの。」


「あんたたち仲いいのね。そんな人がいて羨ましいわ。」

彼氏でもないのにと言いたそうにしていた。

その時、健が彼氏だったらどんなに幸せなんだろうと初めて思った。











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いつかの日まで 篠原優菜 @pinksakura2

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