第32回:あえて曖昧にする

・今回のテーマ

 あえて設定を作っていない作品もあります。主にエロゲーのようなものは設定を作りこまない作品が存在しますし、リズムゲームでは楽曲を演奏すること自体が目的なので、それ以外の設定はない場合が多いのです。



 今回は前振りなしで、早速のテーマからという展開に。設定を作りこみすぎて『設定語り』と言われないようにすることは何度も言及していますし、だからと言って設定が薄いと世界観が薄すぎて作品を楽しめないことだってあります。



 しかし、上述したエロゲーやリズムゲームのように必要最低限の設定だけで、成立するようなジャンルはあるのです。これは、あくまでキャラクターの設定は二の次という時代でできた事、今はリズムゲームでも『BanG_Dream!』や『D4DJ』みたいに作りこまれた作品はあるので、そういった事例は手抜きと思われ……と思った人は待ってください。



 短編の場合、作品の設定を説明するにしても文字数不足になるでしょう。設定を語るだけで規定文字数オーバーではコンテスト以前の問題です。あえて曖昧にしておくというのも実はテクニックの一つなのですよ。



 最近リリースされたソシャゲで『巨神と誓女』という作品があります。ゲームとしては巨神と呼ばれる敵を狩るという『モンスターハンター』などのような狩りゲーの要素を持ちます。しかし、登場する敵の巨神、その敵を狩る誓女も実は設定が微妙にぼかされており、設定よりもまずはゲーム本編を楽しんでほしいという形になっているのが特徴でしょう。設定はなくてもよいのでは……と思いがちですが、そうではありません。最低限の世界観はなくては、ゲームも成立はしません。せいぜい、テーブルゲーム系のジャンル、それこそ『麻雀』とか『ポーカー』などのトランプゲーム系以外は最低限の世界観は必須です。

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