第24回:舞台に関して

 異世界ものだと色々な意味でも現代とは違うので、特に設定は……というのはよく聞きます。現代物よりも異世界ものがやりやすいというのも事実で、現代物の作品は小説サイトでも目撃事例はありません。しかし、本当に現代物は書きづらいものなのか?



・今回のテーマ

 現代を舞台にしても、別の場所が舞台ならばわざわざ異世界ものでやる必要性がないのでは……というお話です。実際に『ソードアート・オンライン』は言わずもがなですよね。架空の日本という舞台は現代物ではよく使われる手段ですし、過去の日本へワープするようなケースだってあります。これからわかるのは、異世界ものが多い理由に日本というワードを意図的に使いたくないような……と思われます。異世界転生物の場合、最初から日本から異世界へ転生するという場面だけで日本は出てきますが、それ以外では出てこない場合が多いです。ぶっちゃけると、異世界転生する主人公への感情移入をしてもらうために日本から異世界へ……というような手法を使うケースだってあるのです。



 主人公がどうして転生したのかという事を時系列の順番で説明せず、唐突に転生していた場合、途中で異世界へやってきた経緯を説明することもあるでしょう。主人公の設定を深堀するのに前世の生活に触れることだってあります。それなのに、異世界に行ったらそれっきり日本に言及なし……それだと現地の人間で話を進めても問題ないような展開ですよね。ピクシブにおける二次創作でオリジナル主人公を出して無双させるようなケースも、これと同じようには見えませんか?



 異世界転移にしても異世界転生にしても、2つの世界を出す以上はそれぞれの世界を描写するのは当然のことなのでは……と思うのです。自分もこの辺りの表現がうまくいかないので、ブーメランしている可能性は否定しません。しかし、1つの世界だけを描写すれば十分な作品で、2つの世界を出す以上はそれなりの理由付けをしてください。

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