第2話
ゆーじと別れた後、家で人魚について調べてみることにした。
家には型落ちしたパソコンがある。使わなければ勿体ない。
適当にウイキペディアなんかを当たれば何かしら出るだとうと思っていたが……出た。
難しい科目や分類、その他、色々と。
人魚門外漢なぼくでもざっくりと分かりやすい部分を三つほど覚えておくことにした。
人魚は4年前くらいに月岡大統合院ってところが作ったキメラ生物らしいこと。(代用食の過程で作り出されたとかなんとか)
破棄され増えすぎた人魚が社会問題になり現在駆除が活発に起こっているらしい。(珍しく政府の動きが早かった案件だとか)
そして味は大体淡泊で美味しいらしい。
(新鮮なものであればあるほど旨い。刺身、天ぷら、などの料理にされた画像も見つかった。ことごとく美味しそうだった)
「分かってたけどやっぱり人間の仕業か」
人魚とか不自然の極みじゃんと思って調べてみたけれどやっぱりこういうことか。
人魚に関する問題は探せば探すほど出てくる。ずっと探せばどんな問題だって出てくるだろう。
「あーー……きもちわる……」
人間~~と呻いてみる。こういう問題を見つけるたびに人間であることが嫌になってくる。
そもそも人と似たようなもの食う神経からして嫌に思う。ゆーじの気が知れない。最初に人魚を作ろうって言ったヤツの気も。
「明日、罠を見に行かないといけないんだよなあ……」
気が進まない。無視して行かないでおこうかとも考えるが後が怖い。
さらに人魚、不老不死で検索したら不老不死除去専門の人も出ていた。
不用意に逃げた人魚を食べないでくださいって注意喚起してほしいものだ。
まあ、注意喚起されていたところでやるやつはやるんだろうけども。
行く気が益々、失せていく。
「なんでぼくはアイツと友人なんだっけ……」
小学生時代、脅されるようにしてなった記憶が出てきて愕然とする。これを機に絶交するのも有りかもしれない。
このまま行かないという選択肢が頭の中を埋めていく。けれどあと一歩のところで恐怖が襲って、消えた。
行かなければぼくは酷い目に遭う。
行っても酷い目に遭うかもしれないけれど、叩いたり殴られたりはしないだろう。
後々のことを考え、ぼくは行くことに決めた。
いわゆる保身のために。
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