第1話 「根源」
戦争の発端は200年ほど前。1840年代か。
当時は軍事機器の成長が著しい時期でもあった。
勿論、国として生き残るには世界の流行りに乗っからなければならない。
戦火の種を巻いたのは西に位置するファーガスと呼ばれる国。
資源、そして経済不況を脱出する為、隣国ミクロシアに宣戦布告。
ミクロシアと友好関係を築き上げていた西南の国レリクスはミクロシアと共にファーガスを迎え撃つ。
これが戦争の発端となった。
その流れに乗った各国が集結し、結果として8の国を巻き込む大戦争になった。
状況はファーガス側の優勢で始まっていた...。
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ミクロシア
「くっそ...なんでだ...?資源が欲しいってのは分かるが...何も攻め込むことねぇだろ...」
「おい、サルト」
「なんだよ...アルス...」
「お前の愛しの故郷が攻め込まれたくないってんならここを死守するしかねぇだろ。ここが最後の防衛線だからな...」
「分かってるんだよ...んなことぐらい...!!」
サルト・レグリル (26歳)
ミクロシアの兵士。志願ではなく徴兵により、兵士となった。
特に秀でた点はないが、愛国心を強く持つ男である。
アルス・ミスティル (25歳)
若いながらも志願して兵士となった。サルトとは兵士になってから知り合う。
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「ん...」
「奴さんが来たみたいだぞ・・・サルト。分かってるな」
「ああ...」
「しかし...もう戦地は陸じゃなくて空...」
声が掻き消された。
爆音だ。
爆撃・・・それはつまり戦争の開始を示唆していた。
「やったか!」
幸いにもそれは味方の戦闘機の攻撃だったみたいだ。
「!来るぞ!」
「ッ!?」
爆撃機に気を取られていた。
相手は既に進軍を開始している。
「おい...ここでずっと銃を構えるだけじゃ勝機なんか」
「黙ってやれ!」
「ーったよ...」
ファーガスは海沿いということもあり、海軍に関しては世界でもトップクラスの軍事力を誇っていた。しかし逆に陸・空に関しては世界に対し劣りもみせるほどであった。一概にも経済大国とはいえない国が今や経済不況とまで言われるようになったのだ。
「クソっ...経済的にも余裕がないのに世界の軍事力に無理矢理追いつこうとしたからだろ...!!」
銃声が絶え間なく聞こえる。
砦から撃ち続けるサルトとアルスの部隊は未だ比較的攻撃は受けていない。
それでも前線にはかなりの被害が出ているだろう...。
ファーガスの戦闘機の航続力は1000km...
空母から飛ばしてここに到着して戦ったとしても精々数十分ほどしか戦うことは出来ないだろう。
ましてや爆弾を積んでいるのだ。ここまで来れるわけがない。
つまりファーガス側は陸で戦うしか無いのだ。
「わざわざ不利な勝負を吹っ掛けてきやがって!撃ち返してや」
一瞬、ただ一瞬、爆音が聞こえた。
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