第20話 これが噂に聞く、死亡フラグというヤツなのか……

 前回までのあらすじ!!

 この世界で初めて『ライブラ』という簡易魔法というか、裏メニュー的なモノを使いアルフレッドのおっさんの情報を見たのだが、ロクな情報がなかった。



「この情報を一体何に使えと!?」

「ナニって、そりゃ~アナタ様は本作ではツッコミ役なんですから、ギャルゲー的にナニを突っ込む役ある意味での攻略に決まってるでしょうが(笑)」


 オレは開始そうそう怒っていた。まぁこんなクソ情報しか得られないのだから誰しも怒ってしまうだろう。静音さんは笑いながらも、またあざとらしく可愛げに首を傾げて可愛さアピールをしていた。たぶんその『攻略』とやらは違った意味の攻略なのだろうが、オレはもうツッコまないからな! ……に、二重の意味で!!


「お、オラ……攻略されちまうだか? ぽっ(照)」


 な~んかすっげぇ照れ照れもじもじしながら、農夫のおっさんがこちらを見ているんですけど! 超こえぇぇぇっ!?


『アルフレッド・マークス3農夫のおっさんがあなたの仲間になりたそうに、あなたを見つめている! いますぐ仲間にしますか?』


『はい』新たな嫁が増えます♪

『いいえ』つまらないので、現在お選びいただけません

『一夜だけ仲間にする(ハート)』キマシタワー♪


『それではここは選択肢であるワタクシがお選びいたしますね! それでは3の一夜だけ仲間に……』


「『いいえ』一択に決まってんだろうがっっ!! 選択肢が勝手に決めるんじゃねぇよ!!」


 オレはツッコまないと決めたが、このままだと本当にアルフレッドのおっさんと懇ろにゃ~ん♪ な関係になってしまうので、全身全霊をもって国内総ツッコミGDTを着実に増やしつつあった。


「(ってか『選択肢さん』は家出したんじゃなかったのかよ!? 帰ってきて早々、飛ばしすぎなんだよ……)」


「キミは私と言う婚約者モノがありながら……実にけしからんぞ!!(照れ照れ)」


 と天音は「貸すのは今夜だけだからな!と頬を赤らめ、


「お兄さま! す、既にカメラの準備が出来ましてよ♪ はぁはぁ」


 葵ちゃんは葵ちゃんで何故だか興奮しているのかふがふがっと鼻血を出しながら、


「あ、アナタ様。こ、今夜はお楽しみですね♪ ぶふっ」


 最後にクソメイドは宿屋風に言いやがり笑っていた。いや肩震えてるからさ、まったく笑い堪えられてないよ!


(何コイツらは全員腐女子なのか???)

「こんなおっさんを攻略も仲間にも、ましてやになんて絶対しないからねっ!!」


 オレは全力で謹んで、ある意味ツンデレでお断りを入れる。もう自暴自棄に突入していたのだ。


『「「「えー」」」』


 ウチのヒロイン共だけでなく、さり気な~く選択肢さんまで『』で同じ反応をしていた。


「(ってか選択肢のクセに、勝手に腐女子人間達と同じ反応してんじゃねぇよ!)」


「オラ、もしかしてもてあそばれただか……」


 ものすごーく、アルフレッドのおっさんが落ち込んでいる。なんだかものすごく悪いことをしたみたいな雰囲気に居た堪れなくなり、


「おっさん……あ、あの元気を出して……」

「オラの純情を弄んだか! もう許さねぇべ!!」


『アルフレッド・マークス3世は顔を真っ赤にして、怒り狂っている!』


「ま、マズイ! アナタ様このままだと本当にまずいことになりますよ!」


 静音さんが焦って叫ぶが、


「(でもさ、オレが大変じゃなかった時なんか今までになかったぞ)」


 この状況でもあくまでオレは冷静そのものだった。もはや何が来ても怖くない無敵モードっぽい雰囲気を醸し出す。


「あれはバーサーカー狂戦士モードと言いまして、視界にあるすべての……」

「どうせ敵・味方の見境なく攻撃したりモノを壊したりするんでしょ」


 はいはいわかってるよ。どうせそれがRPGの定番なんだろ……っと、タカを括ってるオレに対して静音さんが言葉を続ける。


「いえ、視界に入るすべてのをウホウホ言いながら掘り襲ってくるのですよ! はい。それではアナタ様コレをどうぞ♪」

「マジかよ。何だよそれ……って、静音さ~ん。これはなぁ~~に?」


 オレは驚きながら静音さんが渡してくれたモノをまじまじと見て、一呼吸置いてからツッコミをする。

「…………ってコレ、ローション・・・・・かよ!?」


 それは『ポーション回復薬!』……ではなく『潤滑油ローション!』だったのだ(笑)

『ポーション』と『ローション』ってさ、なんか語呂ごろが似てるよね♪ by作者


「アナタ様はもちろん初めて・・・ですよね? この伝説のローション防具を使えば、少しはダメージを軽減できると思いますよ(笑笑笑)」


 ……メイド服を着た悪魔にさ、トリプル(笑)でめっちゃ笑われてるんですけど。


「何のダメージを軽減……ごめん、やっぱ聞きたくないわ」


(うん。だからさ、何でこんなに腐女子寄りな物語になってんの? もしかして作者が腐女子さんだったりするのかな?)


「うん? ローションとは何に使うのだ???」


 天音は意味が分からないのか、頭にはたくさんのハテナマークが浮かんでいた。どうやら意味がわからないようだ。

 だが、逆に葵ちゃんは顎に手を当て何かを真剣に考えている様子である。


「静音……そのローションは温感なの? それとも冷感?」

 ……どうやら葵ちゃんはそののことに大変詳しいようだ。


「そもそもローションに『温感』や『冷感』があったなんて知らなかったわ!!」

「あっ一応今回は『野外』ですので、『温感』ですよ葵お嬢様|(にっこり)」

「なら安心ね♪ やっぱり静音は頼りになるわね♪」

「(ごめん。二人のやり取りの野外だから『温感』の意味がわかんないんだけどさ。オレだけかい??? あと次回なんてのは永遠に存在しないからな!)」

「ふぅーっ! ふぅーっ!」


 アルフレッドのおっさんが興奮状態で息を荒げている。


「いやいや、マジでヤバイだろ。この状況は……」


 主にオレの後ろの貞操的な意味・・・・・・でな!


「アナタ様。こんなときに聞くのは野暮かもしれませんが、『死体したい』と『遺体いたい』の違いをご存知でしょうか?」

「えっ? それは今する質問なの!?」


 ももも、もしかして、これが噂に聞く『死亡フラグ』というヤツなのか!? 確か違いは……


「み、身元が判るかどうかで違うんだよね? たぶんだけどね……」


 オレは自信なさ気にそう答えてみた。


「ぶぶーっ。ハズレですね! まったくもうアナタ様ときたら(笑)」

「あっハズレなんだ……」


 確かそうだと思ったのだが、どうやら違うらしい。


「正解はでした♪」

「はぁ? 男と女……ねぇ~???」


 ちょっと静音さんが何言ってるのか、わかんないんですけど……。


「アナタ様はまだわかんないんですか? ですから『男は(ナニを)したい・・・』で『女は(ナニで)痛い・・・』が答えなんですよ♪」

「…………ただのド下ネタじゃねぇか!? こんな危機的状況でする話じゃねぇぞ!?」



 死体と遺体の意味の違いを理解しつつ、第21話へとつづくのだった。

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