あな嫁~あなたの目の前に野生のお嫁さん候補(お嬢様)が現れた!!入力コマンドは!?……だがしかし、コントローラーにシカトされてしまったようだ。~
第18話 チュートリアル編:その2『はじめての戦闘4』
第18話 チュートリアル編:その2『はじめての戦闘4』
前回までのあらすじ!!
17話目にしてやっとのことで『仲間』を得られたオレは農夫のおっさんと戦うことになり、勇者天音から「武器をとれ!」っと命令されたのだがその肝心の『武器』がなかったところから今回のお話は始まるわけなのだが……
さすがにRPGの戦闘で
「(し、静音さん! ちょっと、ちょっとこっちに!! (ちらっちらっ))」
「はい??? なんですかアナタ様? (ちゃっかり)」
この物語の管理人である静音さんなら武器を出してくれるに違いない……っと思いひっそりっとしながら静音さんを呼んだ。その間天音や葵ちゃん、そして敵役のおっさんには悪いが少しだけ待ってもらうようにしてもらった。
何気に戦隊モノの悪役のように律儀に待ってくれる敵役のおっさんに感謝しつつ、声が聞こえないように後ろを振り向き、静音さんにヒソる。
「(し、静音さん、オレにも
もうこの際、例え『木の棒』が出てきてもオレは文句を言わんぞ!
「へっ? あ、あぁ武器ですか? もしかしてアナタ様も欲しかったんですか?」
「(いやいや静音さん! もしかしなくても欲しいに決まってるよ! RPGモノの戦闘で『武器なし』の素手はさすがにキツすぎるだろがっ!!)」
「まったくもう、自ら戦いを挑むなら自前の武器くらい事前に用意しなとダメですよ! まったくもう、何を考えていらっしゃるのやら……」
うん、めっちゃ怒られてる。オレがいつ『自ら』戦いを挑んだのだろうか。
「もうアナタ様は甘えん坊なんですから♪ では今回だけ特別ですよ、はいコレをどうぞ♪」
っと静音さんから武器とやらを渡された。渡されはしたのだが……
「な、何これ???」
静音さんから渡されたその『武器』とは…………
全体的の色としては真っ黒で、左にはいかにもな十字キーが、そして右側にはアルファベットが書かれた色付きのボタンが四方にあり、また真ん中には『Start』や『Select』などの配置。その左右にはジョイススティックが2つも付いていた。上側側面には『L』や『R』などのボタンが4つ付いていた。静音さんから渡された武器とは、いわゆる『ゲームコントローラー』そのものだったのだ!
「静音さんにさ、1つだけ聞きたいんだけど……果たしてコレは『武器』認識なの???」
「ええ、そうですよ。何かご不満でもあるのですか???」
うん、ご不満ダラケだわ! 何故にゲームのコントローラーが武器的ポジションを確立しているのか? また今時なのに
「………………」
オレは不満を
「うん??? ……ああ! そ、そうですよねっ!? 気が付かなくてすみませんでした。てへりっ」
可愛く誤魔化すように自分の頭を軽くコツン♪ と少し舌を出しながら叩くマネをし、ようやく静音さんがオレの言いたいことに気づいたようだ。
正直彼女がオレの言いたいことに「やっとの思いで気づいた!」と思ったのだが、何を思ったか|静音さんはスカートからハサミを取り出すと、
「チョキチョキっと、はい出来ましたよ♪ これなら立派に
何を思ったか、静音さんはコントローラーから伸びている有線ケーブルを根元から1cmほど残してハサミで切ってしまったのだ。
「いやいや、これのどこが今風の
オレは勢いに任せ、思わず5段活用法的ツッコミをしてしまう。何気に根元から1cmだけ残り中の配線が剥き出しになってるコントローラーを見ると、得も言えぬ
「…………そ・ん・な、ことよりもです! アナタ様コントローラーの『Startボタン』を押してメニューを開き、コマンドの『相手の情報を見る』を選択して下さいませ! とりあえず『戦闘のチュートリアル』を急いで終わらせないと世界が大変なことになりますよ!!」
早く早く! っとまるでそれを誤魔化すかのように、静音さんはオレを捲くし立ててくる。
「(ええいっ! そんなことを言えば、このオレが素直に何でも言うことを聞くと思うなよっ!!)」
などとは思っても不満を口には出さずに心の中で叫びつつも、静音さんの言われるがままにコントローラーの操作することにした。
『Startボタン』を押すと何故か戦闘中にも関らず、オレの目の前の空中にいくつものメニュー画面文字が浮かんできた。
「お~っ!? す、すっげぇ~文字が
ローテクなRPGのクセにさながら最新のハイテクRPGのようで、ちょっとだけ心が躍る。メニューには『
「…………なくね?」
だが、静音さんが指示してくれた『相手の情報を見る』というコマンドだけはどこにも見当たらなかった。
「(……ってかさ『ゲームを終了する』のコマンドが見えるんですけど!? これ押せば魔王倒さなくても元の世界に戻れるんじゃねぇのか???)」
「あっ! 間違えました。え~っとその右にある『Yボタン』です、ね。あっ、その黄色いのボタンです…ね? ……たぶん! ドヤ」
ボタン配置がうろ覚えなのか、オレが持っているコントローラーを覗き見ながら、静音さんは自信なさ気にそう指示をした。あとそれは『たぶん』ではなく、『駄文』だぞ。何気に自信ないのに、ドヤ顔決めんなや!
「え~~っと、要は黄色のボタンで言いんだよね?」
オレはとりあえず指示された『Y』とアルファベットで書かれた黄色いボタンを押すことにした。
するといきなり世界が灰色一色の世界になり、天音や葵ちゃん・敵役のおっさんだけでなく、空や雲もそして空を飛んでる鳥などすべてのモノが止まったかのようになってしまったのだ。
「……あ、あれ?」
「あ、あ、あ、あ、アナタ様っ! それは違います!? 違いますよ!! それでは『適用』となり決定と同じになってしまうのです! まず最初に『緑色のAボタン』を押して、一旦裏メニューを『
今世紀最大クラスにすっごく慌てながら、静音さんがオレの間違いを訂正する。
「あ、アンタが押せって言ったんじゃんか! オレそのとおりにしただけだよ!?」
「わ、わ、わ、ワタシはそんなことを言ってません! 言ってませんとも! ええっ!! ちゃんと『緑色のAボタンで
オレが間違って押したとはいえ、本来なら見てはいけないモノを見てしまい、静音さんは慌ててしまっている。そもそも見られたくないんだったらさ、こんなチート設定なんか付けるなよな作者のヤツめ!
裏メニューを表示させ世界が停止したまま、第19話へとつづくのだった。
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