あな嫁~あなたの目の前に野生のお嫁さん候補(お嬢様)が現れた!!入力コマンドは!?……だがしかし、コントローラーにシカトされてしまったようだ。~
第9話 異世界ファンタジー風『RPGの世界』へようこそ!
第2章本編 ここからが本当の始まり
第9話 異世界ファンタジー風『RPGの世界』へようこそ!
前回までのあらすじ!!
朝学校に登校し正門を潜ると……そこにはRPGに出てきそうな洋風のお城が建っていた。「アイツらの仕業か?」と思ったのだが……。そしてお城を守る門番のおっさん2人に「オレが勇者だ!」と大見得を切ったら、槍を2本もお腹にプレゼントされてしまった。そして瀕死のオレの目の前に『勇者様ご一行』とやらが現われ、僧侶と呼ばれる全身黒服の黒髪ロングの女にモーニングスターを頭に叩きつけられてトドメを刺されたオレは死んでしまったのだった……。
『そうですか。残念ながら死んでしまったのですね。貴方は
「…………」
『そうですか。それはよかった。ならばワタシの最後の力を使い時間を
「…………」
『さぁ……ゆっくりとその目を開け、一刻も早く
「…………」
『…………』
「…………」
『……ってかもう復活してんだから、さっさと早く起きんかい、ワレっ! オマエもう1回沈めんぞクソガキがっ!!』
ブンッ!!
「うわぁぁぁあっ!?!?」
オレはいきなり飛び起き、そして状況を確認するために周りを見渡すと、
「こ、ここは……オレの部屋……だよな? なんだ? 何か大変なことがあったような気が……。あとあと誰かにすっげぇ怒られた気も……」
「あれは全部
オレは無意識にお腹を手をやり擦ってしまう。何だろうお腹に違和感があるような……ないような……。ペタペタと体中を触って確かめるが、特に体に異常はなかった。異常はなかったのだが、どこか拭いきれない違和感がありその途端、気分が悪くなってしまう。
そして不安に駆られ、簡単に身支度をして朝食も食べず家を出て走り、急ぎ学園へと向かった。
「あれは夢だったんだよな? ……そうだよ。きっとそうに違いないんだ!」
そう思ったのだが、学園に近づくにつれてそう思える自信がなくなってきた。
「はぁはぁ……はぁはぁ……」
気づけば学園まで全速力で走り、ようやく学園の門が見える所まで来た。
「はぁ~よかったぁ~、やっぱり……あれは
オレは学園の
「ったくよぉ~、朝っぱらからあんな夢見るかよ普通さ(笑) まったく夢のヤツめ! 今度会ったらタダじゃおかないからな!! 明日にでも『嘘・大げさ・紛らわしい』で有名な所にクレーム入れてやるからな!! せいぜい今から覚悟しとけってんだ!」
朝の気持ち悪さがまるで嘘のように。そして安堵したせいか、オレは不思議と笑みが零れていた。
「あんな安っぽい、どこぞのアニメやゲームの主人公みたいな展開があってたまるかってぇ~の!(笑) はぁ~……なんだか安心したら腹すいてきたなぁ~」
ぐぅ~。タイミングよく、またそれに呼応するようにお腹の虫が鳴いた。思えば昨日は家に帰るや否や眠ってしまい、今日も急いで学校に来たせいで、昨日の昼から何も食べてないということに今頃気が付いてしまう。一旦そう思ってしまうと余計にお腹がすいてしまうものである。
「異世界? ファンタジー? RPGの世界? 勇者様に僧侶? ……っんなもんあるわけねぇし、いるわきゃねぇよ(笑)」
オレはまるで子供染みた夢を吐き捨てるかのように、そう愚痴ってしまう。
ぐぅ~、ぎゅるるるぅ~♪ 「メシをくれ! さっさとくれ! 今すぐくれ! じゃないと胃液で穴開けてやんよ!」などと再び矢のような催促でお腹の虫が盛大に音を奏でていた。ある意味で一人音楽祭開催中のようである。
「ふわあぁ~っ。こんなことならコンビニに寄って、パンでも買ってくりゃ良かったよ。ふぁ~あ~っ。っと! とりあえず学園の購買部でパンでも買って……いや、でもちと早すぎるかな?」
そんなことを思いながら欠伸を噛み殺し、眠く半分閉じた目を覚ますかのように強く擦りながら、オレは学園の門へと一歩踏み出し、その門を潜ったのだ。
「ほんっと、あんだけ寝たのに眠いったらありゃ……んっ! んんっ!?!?」
お目目パチパチ。オレはメバチマグロばりに、アニメならもう太鼓で
「なんかさ、なんか……あ、ありえないモノがオレの視界を占領してんだけど。き、き、き、きっと欠伸しながら片目で見てるせいだよね? そうだよ……そうに決まってるよな!?」
オレは両目を痛いくらいゴシゴシっと擦ると再び
「あー……ありゃいわゆる『お城』だよねぇ~。うん……悲しいことに、さ」
オレの目の前には、さっきまで『普通の校舎だった建物』が、いきなりRPGに出てきてもおかしくないくらいの『洋風のお城』へと早変わりしていたのだ。
「なんだろうね。最近の学校はゼロマジシャンのマジック・イリュージョンでも新たに始めちゃったの?」
オレはちょい混乱し、何か他にはないかと周りを見渡してみた。
「あー……これもどこか『あの夢』で見たことあるような……あるような」
そうオレはこれと同じ光景を見たことがあったのだ。
今オレが立っていた所は『夢』とまったく同じく、木で作られた立派な洋風のつり橋の真ん中に立っていた。下には川もちゃんと流れていて、目の前にはお城が
「(ももも、もしかして読者のみんなはこの景色を見たことあるかい? お、お、オレは初めてかなぁ~、あははははっ……)」
オレは混乱し、笑って誤魔化すことで現実逃避を始めたのだが……、
「うん? おい、そこのオマエ! 何故この『エルドナルド城』を見て笑っているのだ?」
『だが、門番のおっさんに
「(あわわわわ、こ、この展開はもしかして……。いや、もしかしなくても……)」
「(……おいコイツなんか怪しくないか?)」
「(確かに、な……)」
おっさん2人はオレに聞こえないようにヒソヒソと話をしている。
「(おい。今のうちに西門と東門から応援を呼んだ方がいいんじゃないか?)
「(そ、そうだな何かあってからでは遅いしな……)」
『門番のおっさん二人は
「ち、ちょ~~~っと待ったぁぁっっ!!」
オレは間いれず、門番のおっさん二人に対し待った宣言をした!
「(……とりあえず少し様子をみたほうがいいんじゃないか?)」
「(ああ、そうだな。それからでも遅くはないだろう……)」
オレはとりあえず仲間を呼ぶことを辛うじて止めることに成功した。……いたのだったが、
「…………」
止めた。止めたは良いが……オレは何を言えばいいのかわからなかったのだ。
「んっ? 何だ何なのだ? オマエが『ちょっと待った!』と言ったのだろう?」
「そうだ何か喋ったらどうなのだ?」
「…………」
門番のおっさんらに続きを急かされるが……オレは考えつかず言葉を発せなかった。
「(やはり……)」
「(ああ、そうだな……)」
『門番のおっさん二人は再び仲間を呼ぼうとした!』
『ここでアナタの窮地を救うべくワタクシ選択肢さんが助太刀いたします! 以下より選択コマンドを選んでね♪』
『たたかう』こっち丸腰、あっち槍持ちでしかも鎧とか兜とかのフル装備……勝ち目まるでなし!
『にげる』今ならもれなく初回特別サービスとして普段なら槍1本のところをな、なんと槍合計2本お付けして「てめぇ今逃げたら背中に槍2本刺しちゃうぞ♪」的プレゼント祭り開催中でございます♪ 是非この機会にご利用くださいね♪
『説得する』な~んか無難で面白くない。はん、つまんない男。ぺっ
ええいっ! だまらっしゃい! こちとらまさに自分の『命』かかってるんだからな! ここはやはり無難に門番のおっさんを『説得する』しか……。
「あ、あのですね。ちょっとお聞きしたいんですがここは一体どこ何でしょうか?」
オレはとりあえず軽い|世間話(ジャブ)から説得しようと試みる。
「どこってオマエ……ここは『エルドナルド城』だが……」
「オマエ、そんなことも知らないのか?」
おっさんらは「コイツ頭大丈夫か?」と
「……で、ですよね~。あはははっ……はっ」
オレは顔を引き攣らせ乾いた笑みを浮かべながら誤魔化そうとした。だがしかしヒソヒソ、ヒソヒソ……っと、おっさんら2人は秘かに愛し合って……じゃない、じゃない! オレのことをすっごく怪しんでいた。ってかおっさん2人が愛し合っても、そんなのは
『ブー。ここで時間切れです。アナタは彼らの『説得』に失敗しました。またのご利用をなんとなくお待ちしております(ぺこりっ)。なお7階の物産展では……』
「怪しいヤツめ!! おい西門と東門に行き、早く仲間を呼ぶんだ!」
「ああ! わかった!!」
「やっぱりそんな展開か~いっ!?!?」
門番のおっさん2人は仲間を呼ぼうとしている。オレはあの夢と同じ展開になりつつあることに混乱していた。そしてこの後……あの夢の中ではオレは槍を2本刺されてしまい、そして殺されてしまう。そんな考えが一瞬脳裏を過ぎり恐怖してしまう。
「(おいおい! オレはまた殺されちまうのか!?)」
オレはそんな絶望に打ちひしがれながら、まるで諦めるように両目を強く瞑った。
「そこの門番2人!
っとそこへ、謎の女の人の声が門番のおっさん達を止めてくれたのだ。
「あ、あなた様は……
「た、確か……。僧侶様も王様へ謁見していたはずでは……なかったですか?」
門番二人は僧侶と呼ばれる女が目の前に現われると、不審者であるオレのことなんぞ始めからいなかったように振る舞い、敬礼をしていた。
「なにやら外が騒がしいので、『もしや何かあったのでは?』と様子を見に来たところです。ですが……正解でしたね」
門番のおっさん2人に『僧侶様』と呼ばれる女は、艶やかな長い黒髪に全身を黒服に包み、右手には鎖付きの鉄球『モーニングスター』の武器を持っていたのだ。
『そうそれは……オレがよく知るあの
「し、
オレはこの世界にはいるはずのないあのクソメイドが現われたことで、嬉しいやら恐怖やらで余計に大混乱してしまい、何故か物産展の催しが気になってしたのだ。
「そ、そんないっぺんに質問しないで下さいませ。……ちなみにですが、例の如く今回も『北海道』のようですよ」
静音さんは興奮気味のオレに対し、少し落ち着くようにと促してくれる。……ってかやっぱり定番の北海道なのね(笑) たまには中部地方にも目を向けてもらいたいものだ。
「あの……僧侶様。こんなことを聞くのは恐縮なのですが、コイツとはお知り合いなのですか? 何やら親しそうに話ていらっしゃいますが……」
門番のおっさんは声を震わせながら、遠慮がちにしながらも静音さんにオレとの関係を質問していた。
「えぇ……そうです。彼は私たちの
『仲間』というのをやや強調し、静音さんは門番に応援を呼ぶことを止めるようにと再度命令をしてくれた。
「はっ! 僧侶様がそう仰るのなら……な!」
「はい! 私たちは僧侶様のご命令に奴隷の如く、ただただ従うのみなのです!」
門番のおっさん二人(たぶんパッと見で30歳すぎ)が、メイド服を着た女(高1)に命令されて逆らえない構図。この絵図ら、すっげぇ違和感しかないぞ!
「(……ってかよく見るとこの門番のおっさんら、そもそも日本人じゃないしな!)」
二人ともまさに洋モノって感じの容姿であり、金パツ頭に渋いヒゲ顔をしていた。体もガッチリとしており、まさに『兵士』と言った感じである。
「ありがとうございます。……ところであなた達のお名前は?」
静音さんはおっさんらにお礼を言うと、彼らの名前を聞いていた。きっとこの騒ぎに際し、何かあった時の保険のため名前を聞いたのだと予想できる。
「はっ! 私の名は『メンデス・メンドーサ』であります!」
静音さんに対し『気をつけ!』と敬礼をし、スポーツ刈りにちょび髭の
「(あっ……よく見たらこの人、オレに1番初めに槍を刺した人だわ!)」
忘れるはずがない。何せオレは
「わ、私の名は『山田・カプート』と申します!」
こちらも『気をつけ!』と敬礼をし……、
「……って! おいおいおい! 何だよその名前は!? 山田って、アンタ日本人なのかよ!?
いかにも西洋風の顔立ちなのに『山田』と名乗られてしまい、悲しいかなツッコミ担当を任命されてしまっているオレはそれに突っ込まずにはいられなかったのだ。
「失礼なヤツだな! この……怪しいヤツめ!!」
今話題沸騰中の山田さんはオレに槍を構えながら「今にも刺すぞコノヤロー!と、首をくいくいと傾げながら少しずつにじり寄って来ていた。
「それはもうええっちゅうに! あとその首をくいくい傾げながら、歩み寄ってくんの半端なく怖すぎんだろ!!」
もはやそれはホラー一色の光景だったのだ。
「失礼ですよ、アナタ様! アナタ様は作者の方から名前すら戴けない分際の癖によくもまぁ人様の名前の事を言えますね! 早くこのピザ野郎に謝りなさいな! さあさあ!!」
「そうだー! そうだー!」
おっさんら2二人も静音さんの後ろに隠れながら一緒に煽りまくっていた。
「(え゛っ゛? オ、オレが悪いのかよ!? だって山田だよ。しかもそれが苗字じゃなくて、名前になんだよ。これは誰だってツッコミたくなるだろうが……。あ、あまりにも理不尽すぎるんじゃないかよ!?)」
……っとは思ったが、おっさんら2人は槍を、そして静音さんは鎖付きの鉄球『モーニングスター』を目の前で構えられてしまっては、謝る以外の選択肢はオレには残されてなかった。
「ご、ごめんなさい。すみませんでした!」
今のオレは文字通り命がかかっているので、全力で謝ることにした。
「はぁーっ。まったくもう、アナタ様ときたら……」
静音さんは溜め息混じりにやや呆れ、兵士二人に向きなおして口を開いた。
「では気を取り直して……。これからお二人は『エロヒゲさん』と『アキカンさん』と呼んでいいのですね? ってか呼ぶからね! ぶっふっ……くっくっくっ」
静音さんは肩を震わせ笑いを堪えながら、二人にあだ名を付けている。
「はっ! ありがとうございます!」
「僧侶様に
「(そもそも名前で呼ばんのかーい! ええいっもう、オレはもう突っ込まんからなっ! 例えおっさんらのあだ名が、どこぞの刑務所ドラマの刑務官のあだ名だったとしてもな! ……でも、ちと容姿が似てるな(笑))」
まさに生き写しとも思えるような容姿だったが、生憎と文字描写のみでギリセーフな状態である。などと思ってると、静音さんがオレのわき腹を小突いてきた。
「(あ、オレにも名乗れと?)」
この物語の主人公なのに今まであだ名すらなく散々『名無し』で通してきて、やっとこさこの第9話目にして自分の名前が言える! …………そんな主人公前代未聞だわ! (セルフツッコミ)
……というような作者と読者に対する愚痴もここまでにして、オレは『こほん』っと息を整え自己紹介することにした。
「お、オレは勇者だ!」
うんうん。まさに決まったよな♪ ふふふっ。読者もここでオレが自分の名前を名乗るとか思ったんだろう? だがな、そうは問屋がなんとやらってやつだぜ! もうこの作品中じゃ名前なんか名乗ってやらねぇからな!
「(カチャ)」
「(カチャ)」
「(ダダンッ!)」
オレがドヤ顔でそんな自己紹介をすると門番2人は槍を構え、静音さんはその重量感満載の鎖付きの鉄球『モーニングスター』を地面に叩きつけていた。
「あ、あれー? 3人ともお怒りのご様子ですが……どうした???」
ど、どうゆうことだ? 何かどこかで選択肢を間違ったのかオレは? だってよオレは
だが、どうもオレの認識と彼女達の様子から察するに違うらしく、オレは馬鹿正直に聞いてみることにした。
「あ、あの~~静音さん……」
「ちっ。アナタ様……おふざけもいい加減にしないとワタシだってもう怒っちゃうんですからね♪」
ブンブン♪ 静音さんはその笑顔だけで人を殺せるほどの可愛らしい笑顔でモーニングスターを『もうブンブン状態♪』で空気を切るようにぶん回していたのだ。もはや後は
「(えーっ!? 何それ何それ? も、もしかしてオレの役割は『勇者』じゃないのかよ!? オレがこの物語の主人公だってのにそんなことってあるのかよ!?)」
オレは静音さんに近寄り門番のおっさんら2人に聞こえないよう、小声でこんな質問をしてみた。
「(し、静音さん! じゃあオレはなんて名乗ればいいの? 意地悪しないで教えてよ!)」
「(そうですねぇ~。…………『村人C』なんてのはどうでしょうかね? ぶふっ)」
思いっきり笑われてしまった。そりゃ~『村人A』でも『村人B』でもなく……『村人C』だもんなぁ~。
そもそも『C』なんてナンバリングはもうモブオブモブの『モブの王様』なのである。ちなみに『A』は第一村人で町などの名前を紹介する役割。そして『B』は「武器は装備しないと意味が無いぞ!」など、ある意味誰でも知っている事を改めて教えてくれる役割。しかもその命尽きるまで永遠にそんな『役割』『セリフのみ』しか喋れることができないのだ。それなのに『C』なんて言ったら……考えることすら憚られてしまう。
オレはその静音さんの名付けに対してかな~り思うところもあったのだが、静音さんと門番との関係を鑑みるにとりあえず門番二人に向き合い、静音さんのアドバイス通りに名乗ることにしてみた。
「お、オレは『村人C』だ!」
ええいっ門番のおっさんらめっ! もしこれで文句があるなら言ってみろってんだっ!! 文句を言ったらお前らが頭が上がらない名付け親が黙っていねぇからな!
オレは静音さんを傘にかけ、堂々と自らの役名を名乗り挙げた。
「「……よし! この門を通っていいぞ! 門を開城せよーーっ!」」
ガラガラガラ~ッ。門番のおっさんら2人は武器である槍を収め開城させる声かけをすると門を巻き上げる鎖の大きな音がし、オレに城の門を通るように促してくれた。
「(……し、釈然としねぇ!? コレは何か納得できねぇわ!?)」
オレはそのあまりにも呆気ない出来事に対し、ただ呆然として開けられた門を眺めてしまう。
「うん? どうした? せっかく開けてやったのに門を通らないのか?」
メンデスのおっさんは門が開いたのに、オレが進まないことに違和感を覚えているようだ。
オレは再度状況を確認する為、もう1度だけ名乗りをあげてみることにした。
「お、オレは
「「((カチャ))」」
ガチャン!! オレがその言葉を口にした瞬間、門番のおっさんら二人は槍2本を構え、そして城門も下ろされ閉ざされてしまった。
「……
「「((スチャ))」」
ガラガラガラ~ッ。再びその言葉を口にすると……槍を収められ、城門もまた開城されたのだ。
「
「「((カチャ))」」
ガチャン!!
「………………」
(何? 何なの? この旗の上げ下げゲームみたいな
「アナタ様! いつまで門番なんかと遊んでいるのですか!? 時間がないのですから、さっさと街の中に入りますよ! さぁ早くこっちへ来て下さいな! ってか早く来やがれよ!」
そう言われ、何故だか静音さんに怒られてしまったのだ。「別に遊んでいたわけではないのになぁ……」オレは首を傾げ渋々ながらも静音さんの後を追うことにした。そして俺達は再び開城された門を潜ると城の南門を通り、城下町とやらに入った。どうやらオレが城の壁だと思っていたモノは、城を取り囲む
本来なら門を通過するときには、通行書が欲しかったり、怪しいモノがないかなどの荷物検査などを受けるはずなのだが『勇者ご一行の僧侶様のそのお供(荷物持ち)』という事で、顔パスならぬ名前パス(村人C)で街の中に入れてもらえることになった。
「(あ~オレの名前が『村人C』なのかぁ~。そもそも『村人C』って名前じゃなくて、完全に『役柄』だよな? もしかして今後もそのまま物語として進むのかなぁ……)」
そんなことを思いつつ、お話は第10話へとつづく。
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