「あ~、えらい昔の絵ですわ。若い頃にあるコンクールに出品したんですけれど最終選考でやれ筆遣いが悪いのとボロクソに選考委員に言われて、それで絵描きを断念したんです」
「私が見る限り、技術的には今の絵より稚拙かもしれませんが、なんと申しましょうか情熱が感じられる絵だと思います」
『釣りバカ日誌(作 やまさき十三 画 北見けんいち 小学館、敬称略)』にそんな会話が出てくる。ちなみに絵を描いたのは大企業の会長を務める老人で、論評したのは取引先の(主人公も所属する)会社のエリートキャリア社員である。古い記憶なので細部はご容赦願いたい。
翻って、本作の主人公が夢を断念するのか継続するのか、しっかりと見守っていきたい。
詳細本作。