種族変化・進化 ゴブリン

昨日のはらっぱから少し離れた森へときていた。

ここには、『ゴブリン』が、生息しているのだ。

スライムをカンストしたなら、順序的に次はゴブリンだろう、と言うことでやってきた。


「グギギ。グガッ」


早速見つけたぜ。

緑色の少し光沢のある肌に、掲げている棍棒。

あれは絶対に初期のノーマルゴブリンだ。

あいつならやれる。と、言うことで、"超圧縮溶解液"。

ヒュッ。

うわっ。お腹がドロドロと溶け始めて、穴が空いた…

気持ちわるっ。

流石に10レベルともなると、一体倒したくらいじゃあレベルは上がらねぇか。


【スキル発動。ゴブリン への種族変化を行います。】


種族は何個も持てるのか。と、いう疑問があったのだが、人間とスライムを兼ねている時点で大丈夫だろう。


それではおやすみ…


ってあれ?眠くならないぞ?

どうしてだろうか。


【一つの個体を極め、レベルが10を超えましたので、種族変化に体が適応しています。】


なに!?よっしゃぁ。

なら、今のうちに倒しとけば、一気に強くなれるな。

ふふふ。

レッツゴーー



_____________________________________



24体のゴブリンを倒し、『ホブゴブリン』『ゴブリンサイエンサー』『ゴブリンナイト』への種族進化の予約がついた。

もう日も黄色くなってきていたので今日は寝ようと拠点にしている木の元へと歩き出した。

その刹那。紫色のヌメヌメとした肌をてからしたゴブリンよりも一回り大きい魔物が姿を現した。人間の5〜7歳くらいの大きさのゴブリン。だからこそ、まだ力もそれほど大きくはなく、今までの俺でも倒せていた。

しかし、眼下にいるその魔物は、色・大きさ・覇気。その全てをとっても、今までのゴブリンとは比べ物にならないことを俺は肌で感じ取っていた。


逃げるか?いや背を向けたら何をされるかわからない…

二つの選択肢が俺の中で競り合っていた。

背中につーっと一滴の冷たい汗が垂れるのを感じた。

仕方がない。殺るか。

間合いをとりながら、先程のゴブリンが持っていた棍棒のボコボコとした柄に手をかけた。

それと同時に訃音な雰囲気を感じ取ったのか、近くにいた鳥たちがいっせいに赤く染まった空へと羽ばたいた。


それが合図となったのか、紫色のゴブリンは、ゆったりと間合いを詰めてきた。

先程倒した、24体のゴブリンのおかげで、レベルは14へと上がっていた。

心を落ち着け、目の前のゴブリンへと殺気を向けた。


「ギイー!」


一気に走って棍棒を当てようと、間合いを詰めてくるゴブリンに対して、半歩後ろへ下がり、"超圧縮酸"を、放った。今までのゴブリンんとは違い、危険だと察したのだろう。ステップを踏み、その黄色い酸から逃れた。

この時点で知能までも高いことが伺えた。戦闘の勘が鋭いだけかもしれないが…

しかし、どちらにせよ今自分の置かれている状況が危ういことはわかった。

一筋縄ではいかないのだろう。

そんなこんな考えている間にも戦闘は続いている。

俺の防戦一方となっているが…

この状況を打開するいい考えはないのか。

思考を巡らすも、"スライム"には、攻撃スキルは一つしかない。

しかも、それさえ当たらない。このままでは負けてしまう。

そんな時、今まで通りの機会音だが、今の状況下では、天の一声である音が響いてきた。


【ゴブリンへと、種族変化が完了しました。スキル"腕力強化(小)を獲得しました】


と、それと同時に、腕の力が漲ってくるのを感じた。少しだが。

そう。まだ奴を倒すには力が足りないのだ。

その時、再び無機質な声が俺を助けてくれた。


【ホブゴブリン・ゴブリンサイエンサー・ゴブリンナイトへの種族変化・進化が、完了しました。スキル"腕力強化(中)" "研究" ''鑑定'' ''武器補正(小)'' 獲得しました】


【"研究"発動。相手の動きを予測しました】


おお!

スキルってすごいな。

相手がどう動くかが手にとるようにわかる!


【"鑑定"発動。

 ゴブリンキング 特殊状態・混乱

ここゴブリンの森の長。ピヨピヨキノコを食べてしまい、混乱に陥った。配下のゴブリンたちを消し飛ばしてやってきた。さらに、本来の力の10分の1ほどしか力を出せていない。】


…。

まず、ここはゴブリンの森だったんですね。

いやー。ゴブリンしか出てこないからちょっと不思議だったんだよね。

そして、10分の1の力…?ゴブリンキング強すぎじゃね?そして、配下つれてたらもっと…

最後に!なんでピヨピヨキノコを食ったの?やっぱりこいつ賢くなかったわ!


ゴブリンナイトと、ホブゴブリンからえたステータスのおかげで、勝ちを確信した俺は、棍棒を天へと掲げて、目の前のゴブリンへと振り下ろした。


Lv.up グレンのレベルが18になった。


【ゴブリンキングの討伐を確認。種族進化を開始します。ゴブリンキングは反動が大きいため、スリープモードへと移ります。】


あー。結局寝るのね?

俺寝すぎじゃね?

意識を暗闇へと放った。



目を覚ました俺は、無機質な声を待った。

あんなに強かった魔物からのスキルは見たいもんな早く。


【ゴブリンキングへの種族進化を完了しました。スキル"知性の脳" "腕力強化(大)" "ゴブリンの王" 獲得。称号"ゴブリンのカリスマ"獲得。】


いや、"知性の脳"って言うスキル持ってた!?

じゃあなんでピヨピヨキノコを食ったの?


「ステータス」


グレン・ウィービル Lv.18

種族・人間

  ・スライムロード

  ・ゴブリンキング

スキル・変わり者

   ・スライムの王

   ・ゴブリンの王

称号・スライム指揮者

  ・ゴブリンのカリスマ


になっていた。

ゴブリンキングとしてのスキルを見たかったため、ゴブリンの王を、詳しく開いた。

・腕力強化(大)(腕の力を大幅にあげる。)〈ゴブリンキング〉

・研究(相手の動きを研究し、対策を立てれる。)〈ゴブリンサイエンサー〉

・鑑定(相手の能力や個体名。特殊状態などがわかる。)〈ゴブリンサイエンサー〉

・回復魔法(初級)(多少の傷なら治せる回復の魔法を使えるようになる。)〈ゴブリンヒーラー〉

・知性の脳(複雑な動きの管理をできるようになり、一気にたくさんの事を処理できる。)〈ゴブリンキング〉

・武器補正(小)(少し武器の扱いをうまくする。)〈ゴブリンナイト〉


そこまで多くスキルはゲットできなかった。

期待して多分落胆は大きかったが、スキルを何個もゲットできるだけですごいのだ。

さらに言えば、腕力強化は、今後もかなり役に立つスキルだ。

明日はオークかなぁ。

まっ。今日は寝ようか。


_______________________________________


更新遅れてすみませんっ。

毎日更新としていましたが、2日に一回で…

二つほど小説を同誌連載してるのですが、エタりそうでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る