第9話 ファイナルバトル
わたしは応用サイエンス部のパソコンから、神保町のレンタルビデオ屋の住所から資金の流れをハッキングしていた。区役所のネットに繋がったパソコンを乗っ取り。更に、そこからすべてのパソコンにネットワークを繋げる。簡単に言えば、区役所全体のパソコンにハッキングをかけるのだ。
神保町のレンタルビデオ屋は、やはり、西新宿のとある、ビルの25階にあるオフィスから資金が出ていた。時間は昼前……わたし達はかぐらの作ったお弁当を食べてから西新宿に向かう事にした。
わたしは念の為、資金元のオフィスにハッキングをかけておく。
それから、とあるビルに着くと愕然とする。エレベーターが30階まで止まらないのだ。
「これは来客用のエレベーターだ、パスが無ければエレベーターは使えない」
流石、橋場である。色々、知っている。仕方がない、わたし達は奥にある階段で登る事にした。汗だくになって25階に着くと一角に入口がある。普通に応接室に通されてしばし時間を潰す。
すると、藍原が現れる。
「飽き飽きした、この世界で今日が一番の興奮を覚えるよ。親友を求めて、ここまでやってきた。この感動を永遠にする為に君たちはここで死んでもらうよ」
殺す動機が凄いな『感動を永遠にか……』
わたしは携帯を取り出すと『GO』と叫ぶ。
しかし、何も起きない。
「バカな……このオフィスにハッキングを仕掛けておいたのに……」
わたしの焦りに藍原が拍手をする。
「このオフィスには最新AIが搭載されている。簡単には落城しないよ」
藍原の呟きに絶望感が増していると……。
「クマたん、わたしがここのAIと相殺します」
かぐらはわたしの携帯に触れると火花が散り、オフィスの電源が落ちる。わたしは応接室から出ると朝霧が日本刀を構えていた。
「物理戦ならわたしだ!」
橋場が簡単に朝霧の刀を退ける。わたしは素早く朝霧の携帯を壊して様子をみる。
「わたしは……」
朝霧が元に戻ったようである。
「やはり、素晴らしい」
藍原が興奮した様子で非常ベルの様なボタンを押す。すると、ビルの窓ガラスが粉々になり空中へと藍原が吸い込まれていく。わたしは助けようとしたが藍原は地上に落ちて行く。
「これで良いのよ……」
橋場が呟く。
それよりかぐらだ。ここのAIと相殺とか言っていたな。わたしは応接室に戻りかぐらの様子をみると……。
「クマたん、ここのAIとの戦闘でオプションが増えました」
は?
「ナース、バニーガール、和服、チャイナドレス……なんにでもコスプレが可能です」
わたしは頬をかきながら対応を考える。ま、問題ないな。
さて、応用サイエンス部に帰ろう。
わたし達は地元に戻る事にした。
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