第7話 懸賞に参加する
次の日の早朝、彼は<三角公園>について地方版SNSの掲示板で「騒々市」の懸賞サイトを検索してみた。杉山の言う通り
「騒々市 嵌張町の(かんちゃんちょう)三角公園について」というリンクから 「三角公園の秘密を見つけろ!」というお題のページに辿り着いた。
「ほうほう、ここがそのページかぁ。なになに?」
と詳細に読んでいくと、内容は杉山の言うとおりであった。が、解答方法が
「口頭による」とあり、市長に直接昼と夜の違いについて報告し、市長が正誤を判定する、とあった。
「え~!市長に直接言うのかぁ」
彼はてっきりメール等のデジタル媒体での報告と高をくくっていた。しかも 「他言無用」とあった。
その辺は大丈夫だ。答えは彼と彼女しか知らないはずである。
「だけど、彼女と二人で見つけたからなぁ。報告は彼女を連れて行っていいものなのかなぁ」
「報告人数」については記載がない。なので、二人で報告することにした。彼は早速彼女に電話をした。
「あのさぁ、三角公園の秘密の件なんだけど、市長に口頭で答えを言うんだってさ」
「ふーん、そうなんだ。でも、答えが合ってれば関係ないんじゃない?」
「そりゃそうだけど、緊張するじゃん?」
「大丈夫よ」
「そんで、報告人数が応募の条件に書いてないんだけど、二人で見つけたんだから一緒に市長に報告しない?」
「えー!あなた一人じゃ駄目なの?」
「まぁそれでもいいんだけどさぁ、少し心細いしね」
「しょうがないなー。じゃぁ一緒に報告しに行くわ」
「お願いね」
彼女は少々渋ったが、快諾してくれた。
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