第6話 水飲み棒は何かのスイッチ?
彼は意を決して「水飲み棒」の<黒>印の蛇口を手前に捻った。すると、ぽんっと微かに音はするものの、その変化が分からない。
「あれ?音は確かに小さいけれど、するね」
「でしょ?でも何が起こってるか全然わかんない」
「でも、絶対何かしらが起こってる筈だよ。周りをよく見てて」
彼は少し口調を強めに彼女に伝えた。
「いくよ」
一度蛇口を閉めて改めて手前に捻った。 数秒後、また「ぽん」と音がした。
「あ~!わかったわ!」
彼女が声を上げた。
「ねぇ、あれ見て!」
彼女が指差す先に小さな花火が消えかかっているのが見えた。
「なるほどね!夜に<黒>印の蛇口を捻ると花火が打ち上がるんだ!すげぇ!」
「すごいわね!この水飲み台にこんな仕掛けがあったなんてね!」
「そうだね。杉山のやつは勿論この事を知らないだろうな。だから、早く解答してもだめだと思うよ」
「答えは2箇所あるってことね!」
「そういうこと」
「きゃはは」
彼と彼女は手をつなぎながらスキップで公園を後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます