第6話 水飲み棒は何かのスイッチ?

彼は意を決して「水飲み棒」の<黒>印の蛇口を手前に捻った。すると、ぽんっと微かに音はするものの、その変化が分からない。

「あれ?音は確かに小さいけれど、するね」

「でしょ?でも何が起こってるか全然わかんない」

「でも、絶対何かしらが起こってる筈だよ。周りをよく見てて」

彼は少し口調を強めに彼女に伝えた。

「いくよ」

一度蛇口を閉めて改めて手前に捻った。 数秒後、また「ぽん」と音がした。

「あ~!わかったわ!」

彼女が声を上げた。

「ねぇ、あれ見て!」

彼女が指差す先に小さな花火が消えかかっているのが見えた。

「なるほどね!夜に<黒>印の蛇口を捻ると花火が打ち上がるんだ!すげぇ!」

「すごいわね!この水飲み台にこんな仕掛けがあったなんてね!」

「そうだね。杉山のやつは勿論この事を知らないだろうな。だから、早く解答してもだめだと思うよ」

「答えは2箇所あるってことね!」

「そういうこと」

「きゃはは」

彼と彼女は手をつなぎながらスキップで公園を後にした。

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