第4話 三角公園のヒミツがわかったかも?
夜になった。二人は予定より少し早めに<三角公園>傍のコンビニに着いて、他の人の様子を伺っている。相変わらずバシャバシャ写真を撮っている人が多い。
「おう、お二人さん」
徐に杉山が近づいて来た。
「お、おう。どうだ、杉山。違いはわかったのか?」
彼は少し動揺しながら挨拶をする。
「うーん、さっぱり分からん。ヒントも無いしな」
「まぁそうだろうなぁ。懸賞が付くくらいだからな」
彼は内心にやにやしている。
「ひょとして外見じゃない気がしてきた」
彼はドキッとした。
「ど、どういう事だ?」
「いやぁ、写真を見比べても変化が無いんだ。という事はだ。違う何かっていう気がしてな」
「な、なるほど。そうかもな」
彼女は杉山の言葉で下を向いた。
<あのコトがバレるかも>
「良く調べる事だな。まぁ、がんばんな」
「おう」
そう言うと、杉山は公園に足を向けて走って行った。
二人が公園の様子を伺ってから結構な時間が経過し、公園にいる人間も少なくなっていた。二人は<青>印の蛇口と「水飲み棒」の昼と夜との違いを確認したいだけだったが、ギャラリーが多いため、思いのほか時間を無駄にしている。
杉山は相変わらず何も分かっていない様子だった。しかし、外見ではないと判断したからか公園の敷地内をうろつき始めた。
「ねぇ、分かっちゃうんじゃないの?杉山さんに」
「仮に彼が今気づいても、昼間との違いは分かってないんだから心配ないよ」
「そうね」
彼女は少し安堵した。のも束の間、言う側から杉山が何かに感づいた様子。何やら水飲み台の辺りをうろついている。
「杉山さん、気づいたのかな」
「そりゃ無いだろ」
「だって、水飲み台の辺りをうろうろしているわよ」
「大丈夫だって。心配ないよ」
といった側から、深夜の街中に杉山の声が響き渡る。
「うわぁ、なんだこれ!ピンクの水が出てきた!!」
どうやら「赤」印の蛇口を捻ったようだ。
「やばいな、分かっちゃったか」
彼はそう言うと、杉山の元へ駆け寄った。
「おい、どうした?」
白々しいが、そう聞くしか無い。
「この蛇口捻ったら、ぴ、ピンクの水が出てきた」
杉山はかなり驚いている様子だ。それはそうだ。水だと思って蛇口を捻ったら、こんなのがいきなり出てくれば大抵驚くだろう。ピンクの液体は蛇口から流れっぱなしになっているので、彼が慌てて蛇口を捻って水流を止めた。
「おい、こんな事有り得ないよな?」
「ま、まぁそうだな」
「びっくりしたぜ。でも、これが昼と夜の違いだな」
《杉山に知られてしまったな》
二人は動揺した。
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