第3話 翌朝の三角公園

翌朝、二人は「三角公園」に行く事にした。朝7時前なので辺りに他の人は見当たらない。二人はその公園に再度足を踏み入れた。

「昨日の夜の確認をしよう」

彼は彼女の手を握りながら言った。

「明るいから水飲み台をよく確認するか」

彼女はこくりと頷く。

昨日の夜は「赤」印の蛇口から「いちごミルク」が流れて来た。しかしこの昼間に「青」印の蛇口、そして立ち飲み用の水飲み棒から何が出て来るのかを確認していない。

「先ずは「赤」印の蛇口から何が出て来るか確認しよう」

「そうね」

意を決して彼は「赤」印のコックを右に廻す。

「あっ」

二人の感嘆はシンクロした。普通に透明な液体が出て来た。触ってみると結構冷たい。

「普通の冷たい水だな。という事は」

「「赤」印の蛇口からは昼間は冷たい「水」が出て、夜は冷たい「いちごミルク」が出るのか」

と言う事になる。

「これが昼と夜の違い?」

「そうなるわよね」

「じゃぁ、後の2つ、立ち飲み用と「青」の蛇口も確認してみよう」

彼がそう言うと、早速「青」印のコックを捻ってみた。普通に水が出た。しかし、出て来た水は「赤」印の水より若干温かい。

「ふーん、「青」印の蛇口からは普通の「水」かぁ。まぁそうなるよな」

「そうね」

二人は少し興ざめした。残るは水飲み棒だ。

「あれ、こいつのコックの印は「黒」だぞ」

「え、印が黒いの?そんなのあるのね。不思議だわ」

「俺も初めて見るよ。何が出て来るのかなぁ」

と言って、彼は水飲み棒の「黒」印のコックを捻った。

「あれ?何にも出て来ないや」

彼は少しあっけに取られた。

「なーんだ、ダミーか」

「黒」印のコックを締めながらそう呟いた。

「「赤」印の蛇口の違いはわかった。残る二つはまた夜に来て違いを確認しないといけないね」

「そうね。じゃぁ、他の人に分からない様に遅めの夜にここに来ない?」

「そうだね。そうしよう」

時間が経ち、通行量も増えて来た。二人はスキップしながら公園を後にした。

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