第11話 番外編 ミランの悩み
時を少し遡る。
私は六人の悪魔〈六人の魔神〉の一人、ミラン=リュージェという者。
私には悩みがあった。
―魔王様が私にかまってくれない!
誰もいないこの空間は私の自室。膝を地について這いつくばった。
―わかります わかりますよ?あんの忌々しき勇者をぶち殺そうと頑張っておられる でも………
そう、忌々しき勇者も憎いのたがもう一つ問題があった。
―ベル=リュディヴィーヌという悪魔 魔王様に親しく接している…………ズルい!
そう、ただの嫉妬だ。悪魔同士仲間同士なのにみっともない。
しかし私の嫉妬心は限界だ。
「うううううぅぅぅ~」
頭を抱えて転がり回る。
回って回って回って回って回って………ゴンッ。
壁に頭を打ち付けてようやく止まる。
「はぁ、私もあんな風に……」
そんな時だった。
『いきなり申し訳ないミラン』
それは愛しき魔王様の声。
『ま、魔王様!?い、一体これは………』
戸惑う私。頭を打っておかしくなったのかと勘違いした。
『これは私のスキルであるテレパシーだ ミラン、早速本題に入るがまず私の所へ来てほしい』
―…………こ、これは!
『しょ、承知いたしました 只今向かいます』
嬉しさのあまり飛び起きる。と、同時に花瓶に手が当たり粉砕する。
ガシャンッと音を立てて割れた。この音が聞かれていない事を祈るばかりである。
嬉しさのあまりに割ってしまったなど死んでも言えない。
私は割れた花瓶を放置して飛んでいくように魔王様の所へ向かうのだった。
数分後………
「うううううぅぅぅ~」
帰ってきた私はまた先ほどのようにみっともなく喚いていた。
―今日はお呼ばれかと思えばあのザリガニが本命 私は早急に用済み
「あんまりですよぉ~………」
数分泣きじゃくった後、疲れて私は寝てしまっていた。
しかし嫉妬心は消えない。
―もう、全て勇者にぶつけてやる!!
私はどうにもできない嫉妬心を怒りに変え関係のない勇者へ八つ当たりする事を考えた。
そして、勇者ぶっ○計画はここから始まるのであった。
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