第25話
林檎の里グループの事務所は、林檎の里第一号店の中にあった。
そこは郊外の森の中で、ヨーロッパの城の門のようなゲートをくぐると、ありとあらゆる花が咲き乱れているおとぎ話の世界のようだった。
ゲートのすぐ先には花屋兼雑貨屋があって、雑貨もヨーロッパ風の物が多く、女性に好まれそうな感じだ。
その向かいには、イートインできるベーカリーがあり、その隣はワイナリー。
その先にはレストランやチャペル、宿泊できる施設などもある。
その奥のぶどうの木のトンネルをくぐると結婚式の披露宴などに使う大きなホールで、前はプールもある芝生の広場になっている。
これは女心をくすぐるよな~、と思いながら横の小道を歩いていくと、一番奥に事務所があった。
実はこの会社には、大学の先輩が働いていたので、その先輩を通してアポをとったのであった。
その先輩は田代先輩という。
先輩は小学校から大学までラグビー一筋の、逞しくて、ザ・男 という感じの人だった。
本当は僕の友達の先輩だったのだが、何回か一緒に顔を合わすようになって、妙に気があって可愛がってもらっていた。
いわば僕のメンターとも言える存在で憧れの人だ。
「久しぶり!内田、元気にしてたか?」
ドアが開いて、田代先輩が笑顔で入ってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます