2015年09月

(9月15日)

あるのかしら そんな世界が

この広い広い 私の周りに

見つけられること 祈ってる

桜の花びらの裏に隠れてるかも

あるのかしら そんな素敵な世界が

口癖みたい もう離れない

たどり着くには 夕暮れの猫に誘われるまま

まだ見ぬ未来が待ち焦がれてる

想像してうっとりでぐっすり

今夜もまた眠りの直前につぶやく

アーモンドチョコの一粒にとろける

あるに決まってる そんな世界が

なぜかしら信じれる 心から

言いきれる 自信をもって

重なる桃の花びらにも入口はあって

春も夏も秋も冬も 朝も昼も夕方も

来て過ぎてまた来る一日を愛したくなる

あるに決まってる そんな幸せいっぱいな世界が

この広い近い私のそばに 必然

もう気づいてる こんなすぐそばにあったこと

あなたと私見つめ合う ゆれていた花びら 時が止まる


(9月17日)

ふいに叫びだしたくなる直前

別に怒っても苦しんでもない 都会の真ん中

でも声を張り上げて 今ここで叫びたい

僕が生きてるってこと 叫んでるってこと

誰にでもなく伝えたい

その先に何が得られるわけでもないだろ

誰に届くわけでもないだろ

それでもなお だからこそいっそう

黄土色の土まきあがる町で

白く曇った雨降り続ける町で

誰にだってそう

いつもの朝に 日差しに手をかざすのは止めて

全身で立ち向かって 今こそ今から

さわやかな一日のスタートに

冷たいコーヒーが喉をうるおす

目が覚めたこと 始まりを感じれる

こんなありきたりな言葉が一番似合うほどに

今の僕は輝いてるのがわかる


(9月27日)

渋谷を出発したメトロ

鉄のぶつかる音をさせて前進

ドアのそば 隙間からの風

頬にあたってはお姉さんのスカートに潜り込む

疲れた雰囲気の夜の車内

こもった空気と涼しげな外気

吐き気もよおす

まざっては汚れていって徒労

今日の僕 きみ みんなのよう

死んだ目で ぼーっと見つめるのは

真っ暗なドアガラスのスクリーン

蛍光色のレッド グリーン イエロー ブルー

すごいスピードで流れては消える

こんな夢も希望もなくなった都会に

張り巡らされた網の目の地下に流れ星

数えきれない繰り返しに飽き飽き

こんなおかしな街のど真ん中で

願い事つぶやいて 眠る家路

本当に思ってるかどうかもわからない夢

祈ってかなった暁 明日の朝の暁

目もくらむ明るい未来を前にして

瞼を閉じて 手を翳して 嫌な嫌な表情をして

今が最後 光あるうちに光のなかを歩め


(9月30日)

生まれて初めて

ミュージカル映画で歌って

のびやかな美しい声

シアターを出てもリピート

東京の真ん中

誰かに聞いてほしくって

幕が下りたあとだって

心の舞台は終わらない

私の体 鼓動 ステップ ボックス 様になってゆく

キレイなお花買って帰ろうかしら

なんていい気分

駆け出したいの

こんなこと考えてる私

誰にも言わないけど

見る人が見たらわかるわね

このうずうず

ほほが笑ってる

新宿の摩天楼も笑ってる

生まれて初めて

夢と希望と期待

何度もあったこの経験がまた

味わうことができた私ラッキー

街中に叫びだしたいの

メトロの階段を降りるときだって

まるでジャックの豆の木

シンデレラ城へのステアーズ

上を向いて太陽に向かって

風を感じてのぼる

生まれて初めて

クルマの音も 雑踏も

美しい音色 楽器のよう 耳を澄ませて

街のサウンドのなかにも

海や山や森にだけあるわけじゃない

いま私のもとに降り注ぐ

生まれて初めて

そう思って空を見上げれば

朝から変わらずの晴れ

この街に この音に この私に

おんなじ空気 おんなじ温度 おんなじ密度

おんなじ時を 生まれて初めて

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