2015年08月
(8月9日)
立山の緑 色濃く
青空とコントラスト くっきり
山並みを映す夏の色
標高三千メートルにも彩りを添える
真夏の残雪 ところどころ
冷え冷えとした雪渓の上
滑るように飛ぶ鳥の影
白と黒の向こう 灰色の剱岳
8月に踏む白い雪
降り注ぐ日差しに耐えて
爽快な音を奏でる
清冽な雪解け水 青い池に流れ入る
建屋から仰ぎ見る山の頂
(8月17日)
メトロのホーム おぼれそうな湿気
熱風に 抱いてた夢なんて溶けてなくなる
さっき別れたあいつ どんな顔だっけ
思い出せない なんか面白い顔してた
明日も同じ この駅を歩いて
ファッション雑誌をもってた手
重さでもうくたくた 痛んでしょうがないや
ポップのあの子のわざとらしいスマイル
ムカついても隠して みんなと褒めて
そんな一日がおわったあと
帰り道 いつのまにかひとりぼっち
さっきまでは この街にわたしたちしかいなかった
だけど今はもう 人の海のなか ひとしずく
この夏のはやりもの 透明感あふれるお洋服
そうだ 明日またここに買いにこよっと
(8月19日)
夜遅く眠れない夜は
ふいに届くメールなんてない
気ままなような寂しいような
誰ひとり気づかない孤独な夜
この世界にあたしひとりだけ
窓の外で誰かがつぶやいた
眠れない夜がますます混迷を深める
午前二時 遠くで何か聞こえる
摩訶不思議な歌のような世界
鳴り響いていっそう覚醒してしまうまなこ
このままずっと 孤独に静寂に
夜にとけていってしまいそう
一度諦めかけていた悪夢が
もう一度浮かび上がって
輪郭がはっきりするとともに
意識はぼんやり眠りへと墜ちてく
(8月22日)
潮騒に囲まれてサイダー
のどを通る爽快 太陽にも勝る
こないだからの悩み 海にもってきて
快晴のふるさとの海 きらきら輝いて
学生時代の恋を思い出させる同じ景色
テトラポットと潮の匂いによみがえる
放課後の夕焼け ふたり眺めた
昔のこと 今も昨日のように思い出す
今の自分 あの頃と違ったことを考えてる
きれいな思い出にとってかわって
今や現実を知った後の祭り 隣には誰も
自分だって 変えたいと思ってる いつだって
何をすればいい 何がしたい
よく耳を澄ませて 潮騒のなかに聞こえる
かすかに でもしっかり 海の声のよう
寄せては返す渚のみぎわ 白いシャワーの泡のなか
本当に大事なことが うたかた浮かんだ
おかげで今ならはっきりわかる
次にはもう体が動き出してる
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