第74話 可奈子ちゃんの家の一大事(可奈子の守護霊 視点)
私の仕事、守護霊の仕事は、守護対象を守ることデチ。
私達は守護対象を数人抱えいるデチ。
その方の死期が近くなると、死神様と連携して守護対象が死ぬ寸前まで健やかに過ごせる様に見守るのも仕事の一つデチ。
守護対象が数人いる、という事は、その方の側にずっと入れる訳ではないデチ。
だから私の守護対象の周りの、他の方が守護対象である守護霊達と連携する必要があり、守護対象、一人一人に強い思い入れを持つ事もタブーとされているデチ。
守護対象はランダムに決められる事が多いんデチ。
何故なら、違う星で過ごしていた方も稀にいるデチが、殆どが地球で命を全うし、コチラの世界に魂レベルの姿、本体の姿になり、それぞれ職業が与えられるんデチ。
そういう仕事に就くには、あちらでの行い、コチラの世界に来る前の行いが関係するんデチ。
そうデチ。
良い行いをしていなければ、コチラの世界に来てからも良い職業に就けないのデチ。
この喋り方、気になるデチか?
気にする必要ないデチよ。
まあそういう訳で、ランダムにする理由はデチね。
死んで、コチラの世界に来てからでも、向こうの世界の思いを引きずらない為なのデチ。
そうする事で、一人一人に思い入れを強くする事を防いでいるんデチ。
だけど、案外、自分がその立場なってみたら、やっぱり、向こうの世界にいた時の家族が気になるものデチ。
どうにかして、自分の守りたい相手を守護対象にしたくなるものなんデチ。
そう、私もその一人なんデチ。
内緒デチよ?
私の守護対象である可奈子ちゃん。
私と可奈子ちゃんは双子だったんデチ。
だけど、私が三歳の時、私だけ、死んでしまったんデチ。
私が死んだ事で、一時期、家は荒れたデチ。
だけど、未練があれば、コチラの世界でちゃんと働けないデチ。
むしろ、皆に迷惑をかけてしまう、悪霊やずっと何処に行ったら良いかも分からない、浮遊霊になってしまう可能性もあったんデチ。
だから、私は、もちろん、三歳という若さで命を落として、未練が無いと言えば、嘘になるデチ。
未練ありありデチた。
可奈子ちゃんの事が心配でたまらなかったんデチ。
私が死んだ時、私の身体から魂が抜けた時、私に声をかけてくれた守護霊様がいたんデチ。
私の師匠デチ。
その方も、今も一緒に働いているんデチ。
それは私にとって、すごく心強い事だったんデチ。
お師匠様も、私と同じく、自分の守護対象に思い入れがあったんデチ。
内緒デチよ?
この事は家の他の守護霊様や妖精さんにも内緒なんデチ。
師匠の守護対象者は茶子婆ちゃんデチ。
師匠は実は茶子婆ちゃんの若くして亡くなったご主人さんなんデチ。
ラブラブなんデチよ。
話は変わってデチね、最近、私の守護対象者、可奈子ちゃんの家に新入りの妖精さんが入ったんデチ。
とっても可愛らしい妖精見習いのレルちゃんデチ。
レルちゃんは能力を高める為に、可奈子ちゃんの家の気の濁り、黒くなったモノを排除する事を頼まれていたんデチ。
それが、きっかけだったかもしれないんデチが、最近、可奈子ちゃんの家の空気があまり良くなかったんデチ。
師匠様と私以外の守護霊様や妖精さんが、お仕事をさぼり出したんデチ。
他にも私達は守る方、守護対象者が数人いるデチ
働きずめでしんどいのも分かっているつもりデチ。
私は立場が他の守護霊様達より弱いので口は出せなかったデチ。
可奈子ちゃんを見守るついでに、レルちゃんが一生懸命に黒いモノを排除する為にゴシゴシと掃除したり、可奈子ちゃんの飼い猫であるブチと楽しそうにお喋りしている様子を私は、ほのぼのしながら見てたんデチ。
何か、他の守護霊様達に言われても嫌なので、コソっとその様子をみては勝手に和んでいたんデチ。
和んでいたんデチが、実際はそれどころではなかったんデチ。
そんな風にして、守護霊様、妖精さん達がさぼりだして、可奈子ちゃんの家には隙ができてしまったんデチ。
黒いモノは心が安定していれば簡単に消す事ができるんデチ。
そして心が弱って来ている守護対象者は悪いモノを引き寄せてしまうんデチ。
守護霊様達がちゃんと仕事していれば、妖精さんも適切にサポートしていればこんな事にはならなかったと思うんデチ。
私は、可奈子ちゃんに着いて学校に行っていたデチ。
そのちょっとの間に、こんな大事になるとは思ってなかったんデチ。
私の専属の妖精さんが教えてくれたんデチ。
可奈子ちゃんの家が大事になっていて、茶子婆ちゃんの娘さんの秀子さんに悪霊さんが取り憑いてしまっているらしいなんて、言うんデチよ?
それでデチね、その悪霊さんが強くて、お師匠様は、茶子婆ちゃんをなんとか外に逃したらしいんデチけど、他の守護霊様達が家の中に近寄れなくなってしまっているらしいんデチ。
お師匠様は今、一体でその悪霊さんと戦っているらしいんデチ。
レルちゃんとブチがお師匠様から頼まれて、外に逃した茶子婆ちゃんを探しに行ったらしいんデチが、まだ見つかってないらしいんデチ。
茶子婆ちゃん。
そんなにチャキチャキ歩けないデチよ?
車にひかれるかもしれないデチ。
何しろ、いつも側にいるお師匠様がいないんデチ。
私は、可奈子ちゃんを胸に抱えて、飛んでいたデチ。
死神様のムクさんと言う方を先頭に可奈子さんが、好いていらっしゃるお嬢さんと、その隣の少年は、いつから居たデチか?
可奈子ちゃんが好いているお嬢さんと、顔がそっくりデチ。
まあ、誰でも良いデチ。
とにかく、一大事なんデチ。
急ぐデチよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます