第118話 サヤと神父3
「あなたの妄言に、村の貴い信徒たちが惑わされるのを看過することはできませんね」
――来るか。
サヤは身構えた。
この神父が、『劔』の所持者であればここで何らかの力を行使して止めに来るはず。まず何よりも『劔』の所在を突き止めることが最も優先すべきことである。
だが、サヤの予想に反してそのような力がサヤに向けられることはなかった。
こいつは、違うのか?
サヤの疑問の虚を突くように、周囲の
「こいつら!」
神父の口元がゆっくりと笑みを浮かべた。
「『蟲』にも習性があるようでしてね。色々と実験をしてみてわかりましたよ。あのハーフは実に有用な研究を私に残してくれましてね。『蟲』を意のままに扱うことができるなんてすばらしいでしょう?」
「村の人間たちだろ、こいつらは!」
「ええ、ですが。聖霊様の教えに懐疑的でしたので罰を与えました。聖霊様の教えを正しく広めるためには仕方のないことですよ」
平然と言ってのけると、そのまま後に下がるようにして元来た道へと引き換えしていった。周囲の明かりが消える。それを合図としたかのように、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます