第78話 子供たちに連れられて

「こらこら、お客様にそんなことをしては行けませんよ」

 見かねて手を差し伸べたのはアイリスだった。

 慣れた様子で次々と子供たちをポメルから引きはがしていく。

「ほら、わんわんのお姉さんもびっくりしてるでしょ、みんな、ごめんなさいしなさい」

「「「ごめんなさい」」」

 子供たちは口々にそういうと行儀よく頭を下げた。

「あ、あはは――」

 そうなってはポメルも笑うしかない。

「はい。じゃあ、お祈りに行くんでしょ、みんな」

 アイリスの言葉に、そういえば、と思い出したように子供たちは慌て始めた。

「急がないとシスターに叱られちゃう!」

 中でも一番年上らしい女の子が声を上げた。

「わんわんのお姉ちゃんも行こ」

 うるうるとした瞳でせがむようにポメルの手を掴んだ。

 今度は先程とは違って、少し遠慮がちである。

 ポメルが一瞬困ったようにサヤの方へと視線を向ける。

 サヤは「かまわない」というように扉の方をあごで差し示した。

「よぉし、では行きましょう!」

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