第二章
第67話 新たな世界での『劔』を探す
「まったくもう! あの人はまたですか。あれほど先に行かないで待っていてくださいね、って念を押したのに」
異世界に転移してくるや否や、ポメルはぷりぷりと怒っていた。
それもそのはずである。
彼女の仕事のパートナーであるサヤが、例のごとく勝手に先に異世界に入ってしまったのだ。
火渡蓮司の件より、サヤとポメルは正式にパートナーとして仕事をこなすようになり、それなりにうまくいくようにはなっていたが、いまだに彼女の酒癖の悪さだけには慣れずにいた。
だいたい、『鞘』が単独行動で異世界に入るなんてどんな神経をしているのか。そのあたりのきまりをきちんと守ってもらわないと、パートナーであるわたしまでそんな目で見られてしまうではないか。
いくら腕が立つといっても、それとこれとはわけが違う。
今日こそはつかまえてガツンといってやらねば――。
これは、『鎺』としてのわたしの重要な仕事の一つでもあるのだ。
うんうん、と誰にともなくうなずいて決意を新たにする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます