第40話 サヤ、オニとの交戦
「ポメ子、おまえ戦えんのか?」
「な、なに言ってるんですか。わたしだって新米とはいえ『鎺』です。さ、『錆』なんかに、負けません!」
戦闘態勢を取るように拳を構えるが、その手は震えている。サヤはふんと鼻を鳴らした。
ポメルを脇に抱えると蓮司のほうへと放り投げた。
「何するんですかーーーーっ!!」
綺麗な放物線を描きながら悲鳴が遠ざかっていく。
「そいつの傍にいろ。少なくとも、今はまだ安全だ」
そう言い添えて、馬から飛び降りると燃え盛る中へと飛び込んだ。
サヤは高く飛び上がり、自らを優に超える体躯をしたオニの肩へと白鞘を叩き込む。その神速の斬撃は刃を持たずとも、その体躯からどす黒い血しぶきを上げさせる。
だが、オニはその攻撃をもろともせず、腕を薙ぎ払うようにしてサヤを弾き飛ばした。かろうじて鞘で受け流すもその衝撃に耐えきれず、地に転がるようにして後ずさる。
オニはその体に似つかわしくない速さでサヤを追撃せんと迫った。
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