第37話 王国軍の危機の知らせ
「レンジ殿、明日の作戦について少しお話をさせていただいてもよろしいですか?」
そういってヘリオスは広間の大きなテーブルの上に大きな地図が広げた。
どうやらこの世界のここいら一帯の地図であるらしい。蓮司の知っている世界地図とはとても同じには見えない。自分が改めて異世界に来ていることが実感される。
「おかけください」
ヘリオスに促されるようにして席に着いた。
「王国の援軍が明日の朝、到着することになっています。そこから、その軍と合流し、領内を南下――」
「ヘ、ヘリオス様!!」
彼が説明を始めた矢先に、部屋に一人の兵が慌てた様子で飛び込んできた。
「たったいま王国軍の伝令を名乗る負傷兵が屋敷に到着! 行軍中にオニの群れに襲われたとのこと! 至急、応援を要請したいとのことです!」
ヘリオスは聞くや否や席を立つと声を荒げた。
「すぐにそのものの元へ案内しろ! 状況が分かり次第、動けるものを集めてすぐに出立する」
広間に残っていた傭兵たちも、当然だとばかりに立ち上がった。
プロミネンス家の邸内が慌ただしく動き始める。
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