第36話 蓮司、喧嘩を売られる
「ずいぶんと俺様もなめられたもんだぜ、こんなガキに仕切られるなんてな」
討伐隊に集まった男の一人だろう。
「こんな女子供の寄せ集めのパーティでオニの討伐なんて笑わせるな。どうせ、そこのお嬢様をたぶらかしてプロミネンス家に取り入ろうなんてつもりだろうが、そうはいかねえぜ」
「寄せ集めのパーティだって? こいつらは俺の大切な『仲間』だよ。それを馬鹿にされて黙ってられる程、俺だってお人よしじゃねえぜ」
啖呵を切りつつも内心は、これでこのザコをぶっ倒せば、後ろの子たちの俺の好感度も爆上がりに違いない、などと考えていた。
蓮司は挑発的にその大剣の切っ先を、大男の鼻先へと向けた。
ところが、その一触即発の雰囲気も、ある一声によって平静へと舞い戻った。
「屋敷内で物騒なことはご遠慮願えますかね」
その間に割って入ったのは、ヘリオス・プロミネンス、討伐隊の隊長である。
男は、分が悪いと思ったのか舌打ちを残してそっぽを向いた。
蓮司は表面的には取り繕いつつも、せっかくの見せ場に水をさされたことに不満を隠しきれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます