第11話 火渡蓮司とツンデレ従者と助けた犬耳少女
それは傍らにいるもうひとりの美少女の存在が原因だ。
「お嬢様に気安く触れるな、殺すぞ」って言いたそう、というかほぼ言ってる。
ツン成分多めのツンデレ従者、ソラリスの視線が痛い。
「あの、ソラリスさん。忠誠心全開のところ申し訳ないんだけど――、あの子自由にしてあげられないかな。俺のこいつだ、と加減間違うとあの子が大やけどじゃ済まないからさ」
自らの大剣を示すように軽く上げた。
「粗悪品の術式ね、他愛ないことよ」
ソラリスは、犬耳の少女の足に巻き付いた足枷に軽く触れると、脆いガラスが壊れるようにその枷ははじけ飛んだ。
「あ、ありがとう――ございます」
「よかったな。君、名前は?」
「ポ、ポメルです」
「俺は、火渡蓮司。よろしくな」
怯えた彼女を落ち着かせようと頭に手を伸ばしたが、彼女がびくりと身を引いたため、俺をその手を止めた。
なんだ?
ああ、そうか、わかった。
幼い時に悪い貴族に奴隷として買われてひどいことをたくさんされたに違いない。よくあるやつだ。くりくりとした目が潤みがちに俺を見つめている。これは、助けを乞う目に違いない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます