第10話 火渡蓮司と王道ヒロイン
ああ、これは完全にフラグが立ったってやつだな。
青年――火渡 蓮司(ひわたりれんじ)は、ひとりうんうんと頷いていた。
さすがは、異世界召喚!
こんなかわいい子たちにわんさか出会うなんて、まいったな。
くく、と笑みが漏れる。
英雄としての俺の歩みを彩るのはこういう子たちでなければならない。
「急に走り出すから驚きましたわ」
後から聞こえるその可憐な声は間違いない。
「フレア」
普段はとびきりにかわいいその顔がいまは少し不安にくぐもっている。
「ああ、ちょいと人助けを、な」
蓮司は、目配せするようにポメルへと目を向けた。
「もう、蓮司はどうしてそんな人のことばっかり」
「俺は、なんてったって英雄になる男だからな」
心配そうにこちらを見つめるその華奢な体を、安心させるように抱きしめる――わけにはいかなかった。
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