ゲームスタート

第4話

 一日目。皆、互いに警戒し合った。初日から仕掛ける奴もちらほら居たが、それほど酷くは無くサッと一日目は過ぎていった。


 二日目。今日は、誰も何も仕掛けることは無く日が暮れていった。何だか不気味だと私が思っていると、『02』番が

「案外簡単かもしれませんね!」


 と、意気揚々に言った。内心私は、「そんな簡単にいく訳無い」と思ったが、気付けば皆んなと一緒に

「そうだな。」

 と、笑っていた。


 そして、三日目。……事件が起きた。『02』番が居ないのだ。全員で建物内を手分けして探してみたが、何処にも居ない。建物内をぐるぐる廻っていたら、もうすっかりヘトヘトになってしまい、皆んな自分の席に座り込んでしまった。


 私達が落ち着きを取り戻そうとしていると『00』番が起動した。


「さて、三日目。調子はどうだ? ざっと見て見るとヘトヘト、って感じだが何かあったのか?」

「……貴様『02』番を何処にやった?」

 私が訊くと『00』番が言った。

「『02』番? あぁ、彼女のことか。彼女なら」


 そして、『00』番は合成された低い声で言い放つ。

「退場させた。」

 その言葉に全員が驚いた。『00』番はその様子に驚いたようで、

「何を驚いているんだ? 最初に話したはずだ。と。しかし彼女はあっさりと見せたのだ。退場は当たり前だろう?」


「……『02』番さんが何をしたって言うんですか? 彼女は何もしてないはずですよ!」

 『05』番が立ち上がり、叫ぶ。彼女は普段オドオドしているので、こう言うのは珍しい。まぁ、まだ四日しか一緒に過ごしていないが。


「一から説明しなきゃ駄目か……? 仕方が無い。」

 溜め息を吐いて、『00』番が話す。

「今さっきも言ったが彼女は本心を見せたのだ。本心を隠すのが今回のゲームのルール。本心を隠すとは即ち、嘘を吐き続けると言うこと。もう分かっただろう?」


「あ……」

 それで『05』番は思い出したようだ。二日目のあの時、『02』番が言ったことを。再び『00』番が話し始める。

「君達の誰が生き残るのか……楽しみにしているよ。」


 そう言った直後、『00』番からの通信は切れた。


「あ……ぁ、あ。」

 『05』番は折角仲良くなった『02』番が退場になったショックで、譫言を言いながらその場にへたり込んでしまった。ついでに、涙まで流している。『04』番が側について背中を摩り始めた。


 まだ四日しか一緒に過ごしていない。なのにそこまで他人と仲良くなれるのが不思議だ。しかし私は一つ、『02』番から学んだ。


 このゲームでは、仲間を作ってはいけないということだ。






 

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