第2話

 どうやら、左から順に『02』、『03』、と繋がっている様だ。私は『02』の隣に座った。

 私の右隣には、先程見た時には無かった『00』と刺繍されたスーツを着た、頭がモニターで、体が人間の体の形をした白い機械になっているロボットがいた。


「おい、全員揃ったぞ。」

 と、『06』番の男が言った。すると『00』番が起動した。

「よく集まってくれた。……早速本題に入ろう。君達にはこれからこの建物内でゲームをしてもらう。」

 『00』番は合成の声で喋った。モニターには【Hello】と映っている。


「ゲームって……君が楽しいだけじゃ無い? そんなゲームなら、僕は参加したくないな。」


 チャラ男、もとい『03』番が言った。ゲームと言われると如何しても娯楽をイメージするが、今回は違うというのはこの場に居る全員が分かっていた。

「安心しろ。私も平等でないのは嫌いだ。今からルールを説明する。」


 それから『00』番は説明をし始めた。内容は至ってシンプル。それだけだ。そうすれば解放してくれるらしい。

「但し本心を見せた場合、其奴は退場。また、お互いを番号で呼び合うこと。それでは、お気を付けて。」


 『00』番からの通信はそれで切れた。


その瞬間、『06』番は叫んだ。

「何なんだ、彼奴は! 馬鹿にしやがって!」

 そして壁を殴り、蹴った。そんなことをしたって無駄なのに、と私は思った。

「まぁ、『06』番さん! 落ち着いて下さい! 一週間我慢すれば出られますよ!」

「そ、そうです! だから今は耐えましょう?」


 『02』番と『05』番が止めに入った。『06』番は舌打ちをすると、暴れるのをやめた。それを白眼で見ていた私に、『06』番が気が付いた。

「何だよ、何か文句があるならはっきり言えよ!!」

 ……なんて暴力的な人なのだろう。私は初めてこんな人を見た。自分勝手をそのまま人にしたような人だ。しかし、随分と鍛えているな。筋肉がしっかりしている。


 私が物珍しそうに見ていたのが余計に気に入らないらしく、『06』番は眉間に皺を寄せていた。

「文句は無い……が、無駄なことをしているなと思っただけだ。」

 私がそう言うと、『06』番は関わるのも面倒臭いと言うようにその場を去って行った。こんな調子で、一週間この人達と上手くやっていけるのだろうか。少し不安になってきた。


「ねぇ、自己紹介しない?」

 『04』番が言った。余りにも突然の提案に『04』番以外の人が困惑した。私もその一人だ。

 しかし、それと同時にその案に賛成とも思った。相手を知らずに一週間、一緒に過ごすのはかなりキツいからな。すると、『10』番が言った。


「今そんな場合か? 閉じ込められているんだぞ!?」

 それに対して『04』番は、こう答えた。

「じゃあ、何をするの? 分からないくせに文句を言わないで。今は相手がどんな人か知ることが優先でしょ?」


 『10』番は反論しなかった。もとい、反論出来なかった。


 私達は自己紹介をすることになった。

 


 

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