BLにも味がある

「お~い、嵐牙~」


え……? 嵐牙!! なんで、嵐牙が倒れてるんだ!?

まさか……!! やっぱり一人にするんじゃなかった!


「おい! なんで、嵐牙が倒れてんだ! 」


「す……す……む……」


「考えればわかる事だった、そう簡単に降参する訳がないもんな! 」


「えっ? なんの話? 」


「この後に及んでとぼける気か! 」


「待って! この人は! 」


「がぁぁぁぁ!! ちょっと困りますよお客様!

更衣室は着替える所です。自分の筋肉確認に使わないでください」


嵐牙の寝言ですべてを察した


「あっ……」


もしかして……


「わかった? 」


あぁー!! 恥ずかしい!! やべぇ! 死にてぇ!

もう一回跳ねられてぇ! 上から槍降ってきて欲しい!

穴があったらそこに引きこもりたい! おうち帰りたい!


「ねぇ? 謝罪は? 早とちりして、ごめんなさいは? 」


「この度は私の早とちりでご迷惑をおかけしてしまいました。

誠に申し訳ございませんでした。」


「ふ~ん? それだけ? 」


「アンナ止めなよ」


「そうね。で、どうなの? 交渉は」


「それは……」


「まさか……? 」


「ダメだったの? 」


「うっ……」


「そう……」


「オッケーでーす!! 」


『え……? 』


「商売して良いって、許可がおりました~」


「ほんとに? 」


「やるじゃない!! 」


「そうだろー、そうだろー! もっと褒めてくれてもいいんだぞ? 」


「それで、いつから出来るの? 」


「今度店の候補を見に行く」


「それまでうち達はどうするのよ」


「宿にでも泊まればいいだろ」


「うちらはお金無いわよ」


「一回元居た場所に戻れば? 」


「私達に居場所なんて無い……」


「なら、宿代くらいなら奢ってやる。感謝しろ」


「そー言うのは言わないのが良いのよ」


「俺はスカしてる奴が死ぬほど嫌いだ! だから、敢えて言う」


「へぇ~、それじゃ早く宿に向かいましょ」


「そうだな、おい嵐牙起きろ」


「待て、そいつは……! 」


「なに!? って、何がだよ」


「うぅ、エビピラフ派だ……」


「俺は、エビピラフよりパエリアの方が好きだな」


「ねぇ、行かないの? 」


「もう少し待て。起きろよ嵐牙」


こいつまじで起きないな。こうなったら必殺!

内股つねり!


「痛たたたたた!! 」


「おら! 早く起きろよ! デートに遅刻するぞ! 」


「俺に彼女なんて居ねーわ!! ボケ! 」


「起きたな、おはよう嵐牙」


「あぁ、おはよう進」


「なぁ? おれ見張っとけって、言ったよな? 」


「あぁ、そんな事言ってたな」


「何故見張っていない? 」


「眠くなってな」


「ほう、それで? 」


「我慢が出来ないから、見張っといてくれって、

ユリキュバスに言って寝た」


「なるほど。えっ? 」


「えっ? 」


「いやいやなんで、君は見張る対象に

見張りを代わって貰ってるの? 」


「眠かったから」


「うん、えっ? 」


「えっ? 」


「君は凄いな」


「それほどでも、あるな。」


「褒めてないけどな」


「ねぇ? レディを待たせるのって失礼だと思わない? 」


バラキュバスが、少し苛つきながら話しかける


「レディって、言うよりガールだけどな」


「ガールって、言うよりギャルだけどな」


「見事なコンボだったな嵐牙! 」


「我ながら恐ろし連携だったな! 」


「早く行こ? 」


「そうだな」


「なぁ、進」


「何だ? 」


「バラキュバスはBLって、好きなのか? 」


「それで苦手だったら、面白いけどな」


「聞いてみれば? 」


「お前が聞けよ」


「なんで、俺なんだよ。お前が気になってるんだろ」


「そうだけど、なんか聞きにくいだろ」


「なら、俺はユリキュバスに聞きたい事があるから、

それをお前にも報告する。お前は勇気を振り絞って、

バラキュバスに聞け」


「それ、俺に利益があることか? 」


「ユリキュバスって、GLって好きなのか? 」


「あぁ~確かに気になるな」


「どうだ? 」


「バラキュバスの質問をユリキュバスにしただけだが、

気になるしな~、良いだろう! その提案のった! 」


「良し! 行くぞ! 」


「ねぇ? 丸聞こえなんだけど? 」


『あっ』


「そんな事、聞かれたら普通に言うわよ」


「そうなのか? で、好きなのか? 」


「私にとってBLは食事なの。あなた達は食事に

好き嫌いがあるでしょ? 」


「俺は無い。食材に失礼だからな」


「俺は1つだけある。」


「へぇ~意外だな。で、何が嫌いなんだ? 」


「トマトだ」


「でた~嫌いの理由が出来なすぎる

野菜ランキング堂々の第一位トマト」


「いや、あれはまじで無理! なんで、あれが食べられんだよ! 」


「お前、ピザのトマトソース好きか? 」


「あぁ、最高に美味いあれだろ? 」


「トマトスープは? 」


「母がよく作ってくれた。絶品だった」


「カプレーゼは? 」


「近所の本場のイタリア人が作る

イタリアンレストランのカプレーゼが絶品だった」


「サラダのトマトは? 」


「無理だ、どんなドレッシングをかけても食べられない」


「なのに、カプレーゼは食べられるのは何故だ? 」


「美味いからだ」


「まじで、理解ができない」


「これは、トマト嫌いじゃないと理解ができないんだよ」


「終わった? 」


「あぁ、続けてくれ」


「私にも好きなシチュエーションや、

嫌いなシチュエーションがあるのよ」


「それって、何か変わるのか? 」


「えぇ、一応生命エネルギーにも味があるのよ」


「へぇ~、いちご味とかか? 」


「そんな感じじゃないわ、甘い、辛い、

苦い、酸っぱいくらいかしら? 」


「例えばどんなのが甘いんだ? 」


「逆に聞くはあんたはどんなのが甘いと思う? 」


「う~ん、ショタっ子同士のBLとかか? 」


「う~ん! 最高ね! それは、最高に甘いわ! 」


「まぁ、イメージ的に考えて甘いな」


「味は愛し方によって変わったりするのよ」


「愛し方? 」


「そう。例えば、お互いに好き同士でイチャイチャ

してたら甘くなるし、片方が一方的に愛しても

もう片方が冷めるいたら、苦いわ」


「魅了でも苦いは出るのか? 」


「魅了をすると苦いはでないわ」


「じゃあシンプルに同性で愛しあってる人が居れば

生命エネルギーを吸収できるのか? 」


「まぁ、吸収の範囲内なら」


「吸収の範囲って、どれくらいなんだ? 」


「多分、15mくらいじゃないかしら? 私の魅了にかかってる

人はどこに居ても吸収できるけどね」


「結構広いな」


「まぁね」


「なぁ進? 」


「なんだ? 」


「俺の疑問なんだが? 」


「あぁ、だから聞いたぞ? 」


「お前とあいつで話すなよ」


「なぜ? 」


「いや、聞き取り難いだろ」


「じゃあまた後で聞けよ」


「めんどくさいから、後でお前から聞く」


「話すかわからんぞ? 」


「話してもらう」


「まぁ良いけどな」


「で、これで良いの? 」


「後少しだけ聞いて良いか? 」


「答えられる範囲で良いわよ」


「中年小太りのおじさん同士のイチャイチャは

なに味がするんだ? 」


「ナイス質問進! 」


「だろ? もっと褒めてくれても構わないぞ? 」


「それは、即答できるわ」


「なに味なんだ? 」


「不味い甘味」


「不味い甘味? 」


「そうよ。人の生命エネルギーを吸収する訳だから

その人の体型、性格、年齢とかで生命エネルギーの味が変わるのよ。」


「じゃあ気持ちの悪い質問だが、仮に俺と嵐牙ならどうなんだ? 」


「本当に気持ちが悪いな」


「魔法を使って仮にかかったとしたなら多分甘いわ

だけど、あんた達が魔法無しで互いに愛し合うと多分辛いんじゃない? 」


「何でだ? 」


「そう、あんた達は仮に愛し合ったとしても、

互いに冗談を言い合うでしょ?」


「まぁ多分な」


「それが原因よ」


「冗談を言って少しでも相手を傷付けると、少し辛くなるのよ」


「成る程」


「じゃあ俺からも聞いて良いか? 」


「答えられる範囲で良いわよ」


「酸っぱいはどうやったらでるんだ? 」


「酸っぱいはお互い好きなのにが素直になれず」


「おいおいなんか始まったぞ」


「これ、あいつの好きなシュチュエーション発表じゃないよな? 」


「あと一歩の所で踏み切れない。そんな親友同士じゃないとでないわ! 」


「なるほどな。」


全くわからん!


「つまりはもどかしいって事だな? 」


「そうよ! そしてその生命エネルギーは甘酸っぱいのよ」


「あ~なるほど。完全に理解したわ」


「考えてたら、お腹が空いたわ」


「ブリトー余りがあるが食うか? 」


「言ったでしょ、生命エネルギーが私達の食事なのよ」


「じゃあ生命エネルギーを食べなきゃ腹は膨れないのか?」


「そんな訳じゃないわ。普通に食べ物でも食事は出来るわでも……」


「でもなんだ? 」


「私達は今まで生命エネルギー以外食べて来なかったのよ

と言うより、食べさせもらえなかった」


「深く聞かない方が良さそう? 」


「そうね。あまり聞かないでくれると助かるわ。でも、」


「なぁ、腹へったなら早く飯行かね? 」


「そうだな。なに食う? 金無いなら奢ってやるよ」嵐牙が


「へぇ~男気あるじゃない」


「だろ? 知ってる」


まぁ、奢るの俺じゃないし


「進よ先に言っておくが金は俺もほとんど無いぞ」


「なに!? 」


「残念だったなぁ~すすむく~ん」


こいつこんな時に限って! 絶対今度奢らせる!

今日の3倍奢らせる!


「まぁ、良いだろう! どうせ元々俺が出す予定だったし! 」


「キャーかっこいい! さすが進くん!! 」


「あの、そんな事やってないで行こ? 」


「おぉ、そうだな。なに食べたい? 」


「私、お前がくれたあれが食べたい」


「あれ? あー、ブリトーか」


「あんたこいつに食べ物貰ったの! 」


「うん、くれるって言うから」


「てか、お前その場に居たのに気づかなかったのか? 」


「何か口元に付いてるとは思ったけど、まさか人間の食べ物なんて」


「美味しいよアンナ」


「フィラーが人間の食べ物を食べるなんて……」


「不用心って言いたいのか? 」


「いいえ違うわ」


「じゃあなんだ? 」


「フィラーは私以上に人間が嫌いだった」


「ほぉ~それで? 」


「そのフィラーが人間のあんたからの貰った食べ物を食べた……」


「凄い事だな」


「凄いなんてレベルじゃないわよ」


フィラーはうち意外に心は開かなかった……

なのにこいつらには、さっきから笑顔を見せたりしてる……

何か特別な理由でもあるのかしら?


「よし! ブリトーを食べるなら屋台に行こう! 」


「ねぇ? ブリトーって美味しいの? 」


「アンナ心配しないで。凄く美味しいから」


てか、ユリキュバスの喋り方なんか違くね? 気のせいか?

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