第二の才能開花

「なぁ、進」


「なんだ嵐牙」


「居ないぞ」


「居ないな」


「分身にも探させてるがまったく見当たらないぞ」


「う~ん居ないな」


「サキュバスにGPSとか付いてないのか? 」


「付いてたら面白すぎだろ」


「暇ねぇ~」


「ねぇ、まだ歩くの? 」


『あっ……』


『えっ……? 』


『居たー!!! 』


「なっ、なんでうちらの魔法の中で動けるの!? 」


「お前らが、ユリキュバスとバラキュバスで間違えないな? 」


「ええ、そうよ? で、どうするの? 」


少しテンションの低い方が答える


「当たり前の事を聞くな。」


「お前らを倒して皆を正気に戻してもらう」


「へぇ~、君たち見たいな人がうちらを倒せるの? 」


サキュバスとは聞いていたが、まんまだな

これぞ! サキュバスって感じの服と角、尻尾だな

だが、こいつらには足りないものがあるな!

そう、胸だ! こいつらとてつもないくらい貧乳だ!


「まっ、魔法が聞かないなら」


「私達が直接魅了すれば良いだけだし」


そう言うとサキュバス二人からピンク色のもや見たいな物が出てきた


「これで1ころっしょ」


「これで、この町は征服できたね」


「でっ? なんだこの靄は? 」


「目眩ましか? 」


『えっ? 』


「まさかだと、思うけど? これで魅了してんのか? 」


「ふっ、まさかな! サキュバスに失礼だぞ」


「こいつら」


「絶対に殺す」


「おい、どっちがバラキュバスだ? 」


「うちだけど? 」


ギャル見たいなテンションの方が答えた


つまりもう片方がユリキュバスか


「お前だけは俺が絶対に倒す! 」


嵐牙の目が明らかに変わった。それもそうだろう

あんなに筋肉達のイチャイチャを見せられたんだ

そっちの趣味がない人ならあれで数10回は吐いている

嵐牙も少なくとも10数回は吐いている


「嵐牙気をつけろよ」


「もちろんだ」


「例の作戦通り、一対一に持ち込むぞ」


「おう」


「〈創造クリエイティブ〉石の槍」


「〈分身創造アバタークリエイト〉木羽嵐牙」


「へぇ~、珍しい能力だね」


「だけど、うちらの敵じゃないね」


「うちは、右の増えた方を相手する

あんたは、左のなんか出した方の相手して」


「わかった。」


「後で会おう! 」


「死ぬなよ! 」


「こっちだ! この貧乳野郎!! 」


「こっちこい! ギャル擬きの断崖絶壁! 」


「絶対に殺すわ」


「誰が断崖絶壁ですって!! 」


「はぁはぁ、ここまで来れば一対一になれるだろ」


本当に俺の能力で勝てるのか? 相手が普通に強かったら

終わりだよな……考えるよりやるしかない!!


「本当に私に勝てると思ってる? 」


「所詮はサキュバス、魅了するしか脳がないだろ? 」


「私達は今まで吸収してきた敵の力も持ってるの」


「へぇ~、変わり者も居たもんだな。お前らに魅了されるなんて」


「あんたもすぐそうなるのよ。」


さっきより明らかに濃いピンク色の靄が見える


「だから、効かねぇよ!! 」


「ちっ! 」


相手の武器も槍か、リーチは俺の方が長い


「なんで、あんた私の魅了が聞かないの!? 」


「はっきり言ってやろう、胸だよ」


「あんた最低ね」


「お前みたいな、胸の無いサキュバス恐れるに足らない! 」


「殺してやるわ。」


「ふん! そっくりそのまま返してやる! 」


「普通に戦ってもあんたには負ける気がしないわ! 」


「〈創造クリエイティブ〉石の斧」


石の斧を大量に創る!


「その石の斧をどうするの? そんなリーチの短い武器で戦うの? 」


「武器は切る以外にも使い方はあるんだぜ! 」


斧を相手に向かって投げる! 投げる! 投げまくる!


「ふっ、そんな攻撃あたる訳がない」


予想はしてたけど素早いな


「ハムッ」


「戦闘中に食事とは余裕ね」


「お前みたいな雑魚飯を食いながらでも戦えるわ! 」


「さっきから腹がたつのよ!! 」


「今だ! 」


奴が槍を構えて高速で突撃するのを待ってたぜ!


「〈創造〉石の板」


「なに! 」


予想通り! 止まれないな!


「これでぶっ潰れろー!!! 」


石の板の下敷きになりやがれ!!


「はっ!! 」


「終わった……」


ついにユリキュバスは我が能力の前に破れ去った!

異世界、最強、ふはははは! 〈創造クリエイティブ〉パワー!!

愚かな街の民どもよ魔法を解いてやるぞ!

さて、茶番はここまでにしてと。

これで、この町の魔法は半分解けるだろ


「何か勘違いしてない? 」


「えっ? 」


「私は死んで無いわよ 」


「何故! 死んでない! 」


こいつ! 槍を使って自分の体を後ろに押したんだ!

だが! あいつにはもう武器がない!


「おいおい、武器がないサキュバスなんてとうとう無力だな! 」


「あんたなんてこれで、十分よ」


あれは、俺の斧! しまったな自分の能力が裏目に出るとは


「おいおい、俺が創っておいて言うのもなんだが、斧は戦闘する

物じゃないぞ」


「知ってるわよ、だからこう使うのよ」


また、ピンク色の靄か……


「効かないぞ、学ばない奴だ」


「使い方にもよるわよ」


ピンク色の靄の中から斧を投げると言うより

落として来ている


「こいつ! 姑息な! 」


どうするか……、空に飛ばれてたら勝ち目がないぞ


「あんたはあんたの能力で死ぬのよ! 」


「なめんなよ」


すす……、す……、む!!!


この感じは! 爺さん!


「爺さんか!? 」


進! 聞こえるか!


「聞こえるぞ爺さん! 」


「なに一人で喋ってんの? 」


進! 戦闘中だから、単刀直入に言うぞ!


「わかった!! 」


お主の能力には、もう1つ出来ることがある!

それは、遠距離で創造の物を出すことが出来る!


「遠距離で創造が出来る? 」


そのままの意味じゃ、ある程度の距離なら、創造の物を

手元以外で出すことができるのじゃ!


「あっ、ぶな! わかった! やってみる」


「なに、さっきから一人で喋ってるの? 頭がおかしく

なっちゃったの? 」


「バカめ! 頭がおかしくなるのは、お前だ!!! 」


遠距離で創造できるなら!!


「〈創造クリエイティブ〉石の箱!! 」


「空から! 箱が! 」


「サキュモンゲットだせ!! 」


「ここからだせ!! 」


「なら、町にかかった魔法を解け!」


「それは出来ない……」


「おれは、お前を殺したくない頼むといてくれ」


はよ解けや、疲れてるからはよしてや


「あの子と約束したから……」


「おい、やめろよそーゆーの! 俺が悪者見たいになるじゃん! 」


「魔法は絶対に解けない! 」


「なら、そのお友達が解いてくれたら解くのか? 」


「あの子は強い、あんたらになんか負けない! 」


「へぇ~、嵐牙のところ手伝いに行くか」


「良いの? 私を放置して」


「お前じゃその石の箱は壊せないだろ」


「本当に? 」


「そもそも、もう武器無いだろ」


「んっ……」


はぁ、デカくし過ぎたな……、ブリトー食べよ


「この箱本当に壊せない」


「大人しくしてろ、別に殺すなんて言ってないだろ」


「あの子は私が守る」


「はぁ、まじで悪者に思われるな」


嵐牙あいつの事助けに行くか



~嵐牙視点~


あのくそバラキュバスとか言う奴は絶対に殺す!

良くも俺にあんなもの見せてくれたな!!


「ここまで来れば良いだろ」


よし、俺の分身も上手いこと隠れたな

背中から剣でグサッ!! は、ダメって言われてるんだよな

クソ! だが1発くらい殴っても怒られんだろ

ヤバい考えただけで笑顔がとまらない


「あんたさっきからキモすぎ」


「黙れ、お前は今から殺されるんだ、念仏でも唱えてろ」


「あんたがうちに勝てると思ってるの? ウケる」


「お前は所詮、魅了して相手の力を奪うしか出来ない

応用力、戦闘能力、共に最弱クラスのザコ中のザコ、

ワースト一位のザコ、キングオブザコ、お前は女だから、

クイーンオブザコ、ザコ過ぎてイワシかと思った!

おっと、それはイワシに失礼だったな!

そんなザコに戦闘で負けると思うか? 」


「ふん! 口先だけは最強ね! あんたこそ弱い犬ほどよく吠える

って、言うじゃない。かかってくればわかるでしょ? 」


「おれは犬じゃなくて人間だけどな! そんな事も理解できないのか?

だから、ザコなんだよ!俺の言いたい事が分からないか?

その魅了しか出来ない脳みそで考えろ。今降参すれば

許してやらん事もないって言ってるんだよ」


「笑わせないでくれる? 人族風情が調子によってんじゃないわよ! 」


「お前こそ、人間を馬鹿にするわりには、人型の魔物だけどな!

どんな気持ちだ? 馬鹿にしてる人間と同じってどんな気持ちだ? 」


「殺すわ! んっ……! 」


「動くなマジに殺すぞ」


「なに? これで勝ったつもり? 」


「動くなって言ってるのが聞こえないのか? お前のその耳は飾りか?

それとも、そう言うファッションか? サキュバスの間では流行ってるのか?

覚えておくよ」


「口だけは最強ねあんた」


ふぅ、苦手な話術で気を引けてラッキーだったな

だが、案外あっけなかったな。


「お前には付いてきてもらうぞ」


「なに? 公開処刑にでもするの? 」


「それもありだな」


「本当に悪趣味ねあんた達人間は!! 」


あいつ負けてないだろうな

しかし、引っ掛かるな、こいつらは今まで

吸収してきた相手の力を持ってると言っていた

何故、その力を使わないのか? それだけが疑問だ……


~進視点~


「おっ、見えたな! 嵐牙~!! 」


「進~!! そこ箱はなんだ~?? 」


「この中にユリキュバスが入ってる~」


「今すぐそっちに行くからな~」


「わかった~」


「おい、魔法を解け」


「絶対に嫌! 」


「はぁ? お前自分の立場理解してるか? 断れる立場じゃないだろ」


「死んでも魔法は解かない! まぁ、あたし達が死ぬ前にこの町の

人間が全員死ぬだろうけどね!! 」


こいつ! やっぱり殺してやろうか!


「おい。黙って魔法を解け殺すぞ」


「脅したって無駄よ! 絶対に解かないわ! 」


「試しに、片腕切り落とすか。進~! 」


「なんだ~?? 」


「こいつの腕一本切り落としてもいいか~?? 」


「お前に任せる~」


「進の許可も降りたな、お前利き腕はどっちだ? 」


「右よ」


意外と素直に答えたな……なら!


「そうか、それじゃあ左腕を落とすか。 俺は優しいからな

利き腕だけは残しといてやるよ」


「本当にカスね! あんた達みたいな種族滅びればいいんだわ!! 」


「それじゃあじっとしてろ」


「くっ……」


「な~んちゃって」


「えっ? 」


「驚いたか? 俺達は最初からお前らを殺す気はない」


「なんで……? 」


「ひとがたの魔物を殺すのは抵抗があるからな」


「おっ、嵐牙お疲れ」


「進、ユリキュバスはどんな感じだ? 」


「中でブリトー食べてるよ」


「ごめんね。フィラーうち負けちゃったよ」


「ううん良いの、私も捕まっちゃったし」


「で? 魔法は解くのか? 解かないのか? 」


「良いわ解いてあげる。今回はあたし達の敗けだし」


う~ん、解けたのか? これ?


「おい、解いたのか? 」


「解いたわよ、早くうち達を解放して! 」


「待て、お前らに提案がある」


「何よ? これ以上何をしろって言うの! 」


「俺達と商売をしないか? 」


『えっ?』

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