良いラブコメ

「その手をどけろ進」


「できない……」


「進くん、嵐牙くん喧嘩は良くないよ」


「すみませんクライさんここは絶対に譲れないんです」


「なんでそこまでするんだい? 」


「男には絶対に譲れない物があるんです! 」


「お前そこまで……! 」


「その水だけは絶対に飲ませねぇ! 」


「何故だ! 」


「お前だけずるいだろ! 俺は空腹に耐えてんのにお前だけ

喉を潤そうなんて! 俺たちの仲間だろ!? 」


「それと、これとは話が別だろ! 」


「どうしても飲みたいなら軽食を用意しろ! 」


「くっ! このドクズが! 」


「クズでも構わねぇぞ? クズだからこの水飲んじゃおーかなー?

キンキンに冷えてて渇いた喉に染みるだろうな~」


「くっ! 」


「あ~でも今は水より、食べ物が食べたいな~」


「いいよ、嵐牙くん」


「クライ……!? 」


「サンドイッチくれる? 領収書は僕の名前できって」


「了解しましたギルドマスター」


「いやクライさん悪いですよ」


「いいよ頑張ったからご褒美だよ」


「違います、こいつはこの前なんか奢るって言ってたんですよ

なのに、いつまでたっても奢る気配すらないんですよ!

それどころか、こいつ俺に奢らせようとしてきたんですよ! 」


「奢るとは言ったがお前と食うと余裕で3000GARAとぶんだよ! 」


「奢るってことはそう言う事なんだよ!

クライさんを見てみろ! この前行ったカレー屋の金額知ってるか!?

おれ、お前、クライさん、結局奢った、バーンさんと、キースさん

五人の金額合わせて、16000GARAだぞ! 」


「あの人はギルマスやってんから金があんだろ!? 俺はただの冒険者だ! 」


「まぁまぁ二人ともこれでも食べて落ち着いて。

あっ、嵐牙くんにはお水だよ」


「感謝するぞ! クライ! 」


「毎回すみません」


「いいよいいよ気にしないで」


「それ、食べながらメロウのところ行こっか」


『は~い』

あっ、なんか小学生ぽっい


「クライさん」


「なんだい? 」


「質問なんですけど、冒険者にも階級みたいなものってあるんですか? 」


「あるよ」


「何個くらいあるんですか? 」


「1番下から駆け出し級冒険者、初級冒険者、中級冒険者、

上級冒険者、ギルドマスター級冒険者、伝説級冒険者だね」


「いっぱいあるんですね」


「俺達が1番したの駆け出しか」


「そうだねそして、試験に合格したから、

晴れて初級冒険者にランクアップだね」


「ステータスカードの色は何種類あるんだ? 」


「たしか、白、赤、黄、青、虹だった気がするんだけど」


「伝説級冒険者の色は? 何色なんですか? 」


「それが僕も知らないんだよね」


「クライさんでも知らないんですか? 」


「うん。伝説級冒険者になる条件すら知らないね」


「さすが、伝説なだけはあるな」


「ギルドマスター級はどうやってなるんですか? 」


「二種類あるんだけど、片方は実力を示す試験と、

もう片方は知力を試す試験だよ」


「クライさんはどっちを受けたんですか? 」


「クライなら当然実力だろ」


「嵐牙くんの言う通り実力の試験を受けたよ。

ちなみに、バーンとキースも実力の試験を受けて余裕って言ってたね」


どんな試験かは知らないけど恐らく、この人たちヤバイ


「知力を試す試験ってどんななんですか? 」


「戦略を立てたり、筆記の試験があったり、魔法術式を解読したり

古代語の解読したりするらしいよ」


「らしいって事は誰かに聞いたんですか? 」


「うん、メロウに聞いたんだ」


「って事は、メロウさんは知力の試験を受けたんですか? 」


「メロウは両方の試験を受けてるよ」


「両方の試験を受けるメリットってあるんですか? 」


「特にないかな? だけどメロウの場合、ただ単に楽しそうだからって

理由で両方受けてたよ」


化け物かよ……


「そうこうしてるうちに着いたね」


「やっぱりこの道何度来ても血生臭いよな? 」


「うん血生臭い」


「血生臭いよね」


コンコン


「メロウ入るよ~」


「クライじゃない? 久しぶり~」


「メロウこそ、元気にしてる? 」


「うん、もちろんよ。で、今日は何のよう? 」


「この二人のステータスカードの更新だよ」


「嵐牙くんと、進くん、久しぶり~」


「メロウさんお久しぶりです」


「久しぶりだな、メロウ」


「で、二人は駆け出しから、初級になるの? 」


「うん、この二人の見事な戦術に一本取られたよ」


「クライから一本取るなんて、相当な作戦だったのね? 」


「うん、まぁそれはまた今度ね」


「そうね、また今度ゆっくり話しましょ? 」


「そうだね、早速頼むよ」


「わかったわ、二人ともステータスカードを貸してくれる? 」


「わかった」


どうしよう…… ステータス見られるの恥ずかしい

そうだ!


「早くだせよ進」


「わかった」


ふっ、ペンでステータスの部分を塗り潰せば見られない!

我ながら完璧な作戦!


「それじゃ少し待っててね。あと進くん、ステータスカード更新するときに

色とか変えるために一回白紙にするから、インクで塗り潰しても意味ないよ」


なんだと……! おれの完璧な作戦が破られるだと!


「ドンマイ進くん」


「お疲れ、劣等生! 」


「お前、いつか殺す」


~数時間後~


「リトマス試験紙」


「シーフードピラフ」


「紛失」


「罪」


「ミサイル」


「ミカン……あっ、ゼリー」


「お前いま、ミカンって言っただろ」


「違いますぅ~、ミカンじゃありませ~ん! ミカンゼリーですぅ~」


「なんで、俺達は2時間くらいしりとりしてんだ? 」


「確かにそうだな」


「クライさんはギルドに戻ったし、メロウさんは遅いし」


「一回外の空気吸ってくる」


「血生臭い空気か? 」


「ちげぇ~よ」


はぁ、長いな……


「愛してるよ」


「僕も愛してる」


んっ!? いや、異世界だからか? いやだとしてもだろ


「愛してるわ」


「私もよ」


いやいやいや!! おかしいだろどう考えても!

なんで、男は男と、女は女と、キスとかしてんだ!?


「おい嵐牙! 」


「なんだ? 犬の糞でも踏んだか? 」


「そしたらお前の服で拭くからな」


「で、何があったんだ? 」


「外を見てみろ」


「好きだ! 」


ムキッ


「俺もお前が1番好きだ」


ムキムキ!


「進……袋……」


「え? 」


「うぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


「ああああ!!! 落ち着け!

〈創造クリエイティブ〉石の箱! これに吐け」


「うぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


「何を見たんだ? 」


「外、筋肉……」


「筋肉? 」


「お姉さんちゅき! 」


チュ


「私も好きよ」


チュ


「えっ、何あれずっと見てられる……

お前、あれで吐いたのか? 」


「あんな筋肉どうしがイチャイチャするの見たいのか!? 」


「筋肉? どこに? 」


「あるだろ! 」


「愛してる兄さん!!!! 」


ムキムキ!


「俺も愛してるぞ弟よ! 」


ムキムキムキムキ!


「ヴォォォォォォォォォォ」


「えっ!? えっ!? 」


「私、本当は……」


「私も、本当はずっと! 」


うわぁ~! クライマックスじゃん! 長髪の子、頑張れ!


「まって、私から言わせて」


「うん……」


その数秒の間は、何分、何時間にも感じるな!


「私、ずっと好きだった! でも、言ったら今の関係が

無くなるのが嫌で言えなかったけど! 好き! 好き! 大好き! 」


おぉー! いったぁー! 相手の反応は?


ギュ


「私もよ、ずっと好きだった! 愛してる! 」


「ずっ、いい話じゃねぇか…… お幸せにな!」


「なんで、泣いてんだ? 」


「いい、ラブコメを見た気分だ」


「お前も見てみろって」


「私本当は……」


ムキッ


「私も本当はずっと! 」


ムキムキッ


「ヴェッ」


「お前の事が大好きだった! けど!

この関係が今の関係が無くなるのが嫌で!! 」


ギュッ、ムキムキ!


「俺も愛してる!! 」


ムキムキムキムキ!


「ヴォォォォォォォォォォ、オロロロロ」


「お~! 破壊光線見たいに出てて、おもろ」


ん~、流石におかしいよな。


「メロウさん、外の様子がおかしいんですが……」


「あら、かわいい子猫ちゃん」


「んっ、ダメですこんなところで……」


「って言っても体は素直ね」


「えーー! 」


「嵐牙! クライさんの所に行くぞ! 」


「わがった」


「喉にガラガラじゃん、酒飲み過ぎた中学校の時の先生みたい」


「だれだよ」


「時田」


「しらね~、てか、知るよしもねぇ~」


「ほら、水」


「サンキュ」


「早く行くぞ! 」


「おう」

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