ゴブリン
「なぁ、進本当に受けて良かったのか? 」
「嫌なら来なきゃ良いだろ? 」
「冷たいこと言うなよ」
「クライさん、直々のお願いだからな」
「このお人好しめ! 」
今回のクエストはゴブリンの長と話をし平和条約を結ぶことだ
クライさんは、ゴブリンとあまり戦いたくないようだ
ゴブリンと平和条約を結びたいなら、直接自分で行けば良いのに何故?
「なんで俺達なんだろうな~」
「多分、レイブンが絡んでる」
「レイブン? って誰だ? 」
「俺もよく知らないんだが、俺のこの世界に来て1番最初にあった人だ」
「ほぉ~お前どこで目覚めた? 」
「俺は、畦道で目を覚ましたな。お前は? 」
「俺は、ギルドの屋根上で目を覚まして、降りられなくなっていた
所をクライに助けられた」
「お前、どんなとこで目覚ましてんだよ」
「俺に聞くな! 俺だってあんな屋根に登った子猫が降りられなくなった
見たいな注目の集め方したく無かったわ! 」
俺は、1つの疑問が頭を過った
「てかさ、今からゴブリンの巣窟に行くんだよな?」
「そうだな」
「女は? 」
「は? 」
「お! ん! な! は! 」
「なに言ってんだお前? 」
「普通ゴブリン=女だろ! 」
「はぁ……? 」
「強気な女騎士! イキッてる駆け出し女冒険者! 弱気な女魔法使い!
清楚な女賢者! これがゴブリンに挑むべきメンツってもんだろ!? 」
「あ~あ始まった」
「強気な女騎士もゴブリンに負け【くっ! 私には何をしてもいい! だが!
仲間には何もしないでくれ! 】ってやるやつだろ!? 」
「お前、流石にひくぞ」
「だれが男とゴブリンと戦うとこ見たいんだよ!! 」
「お前本当最低な野郎だな……だが! それ良いな! 」
「だろ! 」
「あぁ! 特に清楚な女賢者がたまらないよな! 」
「あれな! 【おぉ神よ、我らにお慈悲を】とか言って助けをこうやつだろ! 」
「そうそう! それだよ! 」
「だよな~! 」
「あと、イキッてる駆け出し女冒険者が
【この私がこんなゴブリンごときに! 】とか言うやつ良いよな! 」
「あぁ~!! 最高だなそれ! 」
俺と嵐牙の猥談は洞窟付近まで続いていた
「おっと、着いたぞ」
「こんな猥談で異世界とか……今の会話完全に高校生だったな」
「高校生だもの」
「確かに」
「よし行ってこい嵐牙! 」
「お前もこいよ! 」
「ちげーえよお前の分身を行かせるんだよ」
「あぁ、なるほど」
「ちゃっちゃとやってくれ」
「おい、ちょっと体触らせろ」
「なんだよ急に、お前そっちか! 」
「ちげーよ! お前の分身作るから触らせろって言ってんの」
「悪用されたら嫌だから嫌だ」
「てか、作れるんじゃね? 俺のなら」
「ほら、カレー食ったときにお前俺の手掴んだだろ? 」
「あ~確かに〈分身創造アバタークリエイト〉倉本進〉」
「てか、なんで俺の分身? 」
「自分の分身がやられていい気がするやつは居ないだろ? 」
「そうだな」
「だから、自分以外のお前だ」
「くそったれ野郎だな」
「今から分身と感覚を共有リンクするから集中させろ 」
「なんだ? 共有って? 」
「五感を共有するんだ今共有してるのは、視角と聴覚だけだ」
「ほぉ~つまり痛覚も共有するのか」
「あぁ、いや別になんでも」
「まぁ、ひとまず分身を精密に動かすから静かにしてろ」
「あぁ、わかったよ。 何かあったら報告しろよ」
暇だ~寝るか
……い! お……!! おい!! 起きろ進!
「んぁ! なに!? なんかあった! 」
「いやなんも」
「なんで起こした? 」
「いやいびきうるさすぎだろ! あとおれが頑張ってんのに
寝るな! 」
「あぁ、いびきは謝罪するが、寝る! 」
「寝るな! 」
「寝る! 」
「寝たら知らんからな」
「何をする気だ? 」
「さぁ? どうだろうな? 」
「ん!? ちょっと失礼する」
「なんだ? 」
「小便だ」
「臭うから離れろよ」
「わかってるわ」
ふぅ……退屈だな
本当にゴブリンの巣なのか?
「ただいま~」
「進! 居たぞゴブリンだ! 交渉を持ちかけてみる」
「なぁ、お前らの長と会わせてくれないか? 」
「おさ? おまえ? にんげん? 」
「あぁ、人間だ」
「にんげん! ひどい! 倒す! 」
「このゴブリン殴りかかってきたぞ! 」
「俺の分身だ! 大切にしろ! 」
「分身がちゃんと出来てるのは、手だけだ。
俺の分身は触れる部分が少なければ少ない程耐久力がない! 」
「おそらく、ゴブリンの攻撃一撃で消えるぞ分身」
「逃げるか? 」
「いや! 奥に突っ切れ! 」
「こっ、これは! ゴブリンの巣中に蟻の巣見たいな
物がある! 」
「これは、これは、人間が我が王国に何の用ですかな? 」
「お前がこの巣の長か? 」
「巣と言わないでくだされ」
「すまない訂正する。この王国の国王か? 」
「いかにも、私がこの国の国王ゴブリンの王、人間の言葉でグアトリィアと
申します。お名前を聞いてもよろしいですか? 」
「俺の名前は」
「おっと、貴方では無いですよ。操っている本人の方々がいらっしゃいますね
こちらに敵意はありません。どうぞこちらへ」
「おい! どういう状況だよ! 」
「ゴブリンの国王が俺達に来いって言ってるぞ」
「どうする? 」
「これで和解が決裂したら困るな」
「行くか? 」
「行くぞ」
「わかった、今からそちらに向かう」
「緊張してきた」
「ゴブリンの国王は見た感じは、ゴブリンの国王って感じだったぞ」
「あー、なんかわかる感じがする」
「なぁ、結構遠いんじゃね? 」
「あぁ、ずっとお前の分身を歩かせてやっと着いた所だからな
この洞窟相当深いぞ」
「だろうな。」
何分歩いたんだろう。足が棒を越えて、もはやボディービルダーの腹筋
「なぁ、まだか? 」
「もう少しなはずだ」
「にんげん! おそい! こうおう、まってる! 」
「うぉあ!! 」
「ビックリした! 」
「心臓がキュ! ってなった! 」
「こっち! くる! 」
ゴブリンが手引きしている
「行くか? 」
「俺の足はもうボディービルダーの腹筋だ。罠でも行く」
「行くぞ? 本当に行くぞ? 」
「早く行け! 」
ドンッ!
「あぁ~!! 」
「へぇ~中は滑り台みたいになってんだな」
ん? ならあのゴブリンはどうやって来たんだ?
あっ、横に階段あるやん。
まぁ、滑り台を使わせて貰おう
「うぉーー!! 結構早いな! 」
「進~気を付けろよー」
「うぼぉ! 」
「言ったそばから」
クッションが無い……
「クッションが無いから気を付けろって言おうとしてたんだけどな大丈夫かぁー? 」
「もう少し早く言ってくれ後、腰を軽く叩いてくれ……」
「これくらいか? 」
「あぁ、そのくらいだ」
「あの~? 宜しいですかな? 」
「よろしく無いです……」
「そのままで宜しいのでお聞かせください」
「貴方のお名前と、ご友人のお名前を」
「俺の名前は木羽嵐牙。ここに倒れてるのが」
「どうも、倉本進です……」
「木羽嵐牙様、倉本進様、何故我らの王国に? 」
「ギルドマスターの代理であんた達と平和条約を結びに来た」
「成る程、パーシャのギルドマスターと直接お話がしたい。
会わせてはいただけませんかな? 」
「すこし待ってくれ。おい進お前クライからなんかもらってたよな」
「あぁ、クライさんの連絡魔法が入ったスクロールだ」
「それを貸せ」
「わかったけど使い方わかるのか? 」
「知らん! 」
「なら貸せ、俺が連絡してやる」
「この世界スマホが無いから不便だよな」
「まじでそれ! 」
「で、どうやって使うんだ? 」
「このスクロールを開いて! 魔力を込める! 」
「おぉ~手慣れたもんだな~」
「練習したからな格好よく使う練習をな! 」
「無駄な練習を」
「あれ? おかしいな? 」
「貸して下さい」
プルルルルル
音が電話過ぎる
「魔力がちゃんと込められて無いようですね」
「だっせぇ」
「どうしたの進くん? 」
「こんにちは、パーシャのギルドマスターよ
私の名前はグアトリィア」
「あぁ、わざわざ申し訳ありません私は
パーシャのギルドマスターをしています。
クライ・アルベルトです。この度直々に伺えない非礼をお詫び申し上げます。
代理の物がなにか致しましたか? 」
「いえ、私はあなたがどんな人か、我々と共存できるかを
確かめたかっただけです。我々も人間と手を取り共に歩みたいと
思っているのです」
クライさん、エルフだけどね
「また後日、日を改めて直接対談したいのですがどうでしょうか? グアトリィア王」
「えぇ、私もです。クライ様」
「そちらの連絡用のスクロールは差し上げます
どうぞ、お納めください」
「では、是非いただこうではこちらも、我が一族に伝わる万能薬です
どうぞお受け取りください」
「よろしくのですか? 」
「はい、ほんの細やかなお礼です」
「では、失礼致します。進くん、嵐牙くん、気をつけて帰っておいで」
そう言うとクライさんの声がしなくなった
「では、また後日会いましょう。若き冒険者のお二人」
「失礼する」
「失礼します」
「にんげん! こっち! ちかみち! 」
「ありがとう」
「なぁ、進」
「なんだ? 」
「思ったんだけどさ、なんであのゴブリン達俺達と同じ言葉を喋れるんだ? 」
「さぁ? 勉強したんじゃね? 」
「なるほどな」
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