悪魔の果実なのに天国ってどういうこと?
「ビーフカレー中辛で」
「嵐牙~オススメは? 」
「初めて来た店だ、取り敢えず俺は、確実に美味いやつを頼んだ
てか、お前カツカレーを頼むんじゃ無かったのか?」
「そうしようと思ったんだけど、カツカレーが無いんだ」
「だから俺に聞いたのか」
カツカレーが食べたいが、しょうがない他のを頼むか……
「進くん。ここのオススメはチキンカレーの甘口だよ」
「それ、お前が辛いの苦手だからだろ! 」
キースが笑いながらクライの背中を叩く
「お前は辛いのイケる口か? 」
「まぁまぁって所ですね」
「なら、このポークカレーの中辛がいいだろう」
スキンヘッドの筋肉がが丁寧に教えてくれている
なにこの筋肉さん優しすぎてトキメイちゃう!
「じゃあそれで」
「ライスか? ナンか? どっちにするんだ? 」
「ライスでお願いします」
「ポークカレー中辛2つ、片方ナン、片方ライスで頼む」
「じゃあ僕は、チキンカレーの甘口、ナンで」
「おれは、ビーフカレーの中辛を1つ、ナンでよろしく」
「俺は、地獄唐辛子成分10個分の辛さを持つ悪魔の果実、
ルビデをふんだんに使った、天国行きカレーの天国辛
追加で天国辛のタンドリーチキンを頼む」
ん? あの金髪の筋肉なに頼んだ?
えっ? なんつった?? 天国行きカレー? ただの唐辛子じゃなくて、
地獄唐辛子?? ルビデ? 反対から読むとデビル?? ん!?!?
てか、どんだけ天国なんだよ。 悪魔の果実を使った天国行きカレーって
なに?
「あっ、あの~」
「なんだ? 」
「地獄唐辛子って何ですか? 」
「唐辛子7000個分の辛味成分を含む、世界で3番辛い唐辛子だ」
「え~っと? それ10個分の成分を含むのが、ルビデの果実ですか?? 」
「あぁ、そうだな」
金髪の筋肉が冷静に答える
「ぐぁぁぁ!!!! 」
嵐牙の叫び声が店中に響く
「おい嵐牙! 他の人に迷惑がかかるだろ、静かにしろ」
「わかっているがまるで、 目を全力で殴られた感覚だ」
「おぉ、すまねぇな、そこの席変わってくれ」
「痛すぎて目から涙が止まらないし、涙で前が見えない
だれか手を貸してくれ」
「しょうがねぇな、ほらここだ」
「感謝するぞ進」
「今度なんか奢れよ」
「そこの席は、天国行きカレーの風下だから、目に入ると痛いんだ」
「クライさん、あの人は大丈夫なんですか? 」
「心配しなくて大丈夫だよ進くん」
「なんでですか? 」
クライさんは完全に安心しきった顔をしている
「キースは根っからの激辛好きで、パーシャの町で年に1度開かれる、激辛大食い大会の
レジェンドなんだよ」
へぇ、激辛大食い大会かぁ~、聞いただけで辛いな
「手荒い場に行って目を洗いたいんだが、手荒い場はどこだ? 」
「案内するよさぁ、手をどうぞ」
「感謝する」
クライさんと涙が滝のように出ている嵐牙はトイレに行ってしまった
「そういやー、お前名前は? 」
キースが遠くの方から話かけてきた
「倉本進です」
「おぉー!! お前が倉本進か! 」
「クライがお前の事、すげぇ気に入ってたぞ!」
「クライさんがですか? 」
「あぁ、人族で属性と能力持ちはそういないし、
その上お前の能力はその中でもかなりレア。魔法好きのクライが
気に入るのもわかる」
金髪の筋肉が笑いながら教えてくれた
「もう一人のあの子の名前は? 」
「木羽嵐牙です」
「おぉ! あの子が木羽嵐牙が! 」
「あいつもクライが気に入っててな」
「お前の能力、〈創造〉と同じくらいレアだな」
ちっ! あいつと同じか複雑な気分だ
「少し質問しても良いですか? 」
「なんだ? 」
「答えられる範囲なら」
「俺の能力と嵐牙の能力ってレアなんですよね? 」
「あぁかなり」
「100年に1人現れるかどうかだな」
「なら、その俺達と同じくらいレアな能力ってどのくらいあるん
ですか? 」
「俺が知ってる限りだと」
スキンヘッドの筋肉が答えてくれた
「えーと、付与エンチャント、合成魔法ミックスマジック、上級回復ハイヒール、破壊デストロイの四つですか? 」
「あぁ、おれが知ってるのはその4つだ」
う~ん、全部俺の能力より強そうだな。特に最後
なに? 破壊デストロイって? 明らかに1つ物騒なの混じってるじゃん
「わかる範囲で能力の説明をして貰っても良いですか? 」
「おれがわかるのは、付与と合成魔法の二つだな」
「おれは、上級回復だけだな」
1番知りたい破壊の能力がわかんないのか
恐らく物を破壊する能力なんだろうけど、仮に精神や能力まで破壊
出来るなら、敵に回られたら1番厄介そうだな。
特に魔王がその能力を持っていたら勝ち目が無いに等しくなるな
「付与から教えて貰っても良いですか? 」
「付与エンチャントの能力は、武器や身体などに属性、耐性、
身体能力強化などの能力を自分または他人に与える事ができる能力だ」
スキンヘッドの人は教え方は丁寧でわかりやすいな
「普通のヒールは、魔法使いならほとんどが使えるが
上級回復は、ヒールの更に上、完全回復パーフェクトヒール、リジェネ、
リザレクション等が使えると言われている。
あくまで、本で読んだ知識だがな」
金髪の筋肉の人は更に丁寧だ!
「今言った魔法の説明要るか? 」
「是非お願いします!! 」
「完全回復は自分のライフとスタミナを完全回復できる魔法だ
リジェネは自分の自然治癒能力を向上させる魔法だな。
リザレクションは一言で言うと蘇生魔法だ」
「蘇生魔法? ですか? 」
「あぁ、例えばだ首を切られてお前が死んでしまったらだ、
時間内なら蘇生させる事ができる」
時間内と言うことは、時間が経ちすぎたらいけないのか…
「質問いいですか? 」
「いいぞ」
「例えばですけど、寿命で死んでしまったり、身体の一部が欠損して
死んでしまった場合はどうなるんですか? 」
こればっかりは聞いておかないと。
特に身体の一部が欠損した場合は1番ある死亡ケースだと思うからな
捕食されて復活できないなんてケースよくあるからな
「寿命の場合は本にも書いて無いからわからんが、
身体の一部が欠損した場合、
捕食されていたりしたら完全に消化されていなかったら
蘇生出来るだろうな。
だが、身体の一部が完全に消滅、消化されていた場合、
変わりになる物がないと蘇生させるのは難しいだろうな」
つまり、食べられても消化されなければ蘇生可能
殺されても、消滅してなければ蘇生可能
恐らく、寿命で死んでしまったら蘇生は出来ないだろうな
変わりになる物、つまり変わりの寿命が用意できないと
蘇生は恐らく不可能。
「進つぎ良いか?」
「あぁ、お願いします! 」
「お待たせ、チキンカレー甘口、ポークカレー中辛ふたつ
ビーフカレー中辛お待たせ」
「おっと、説明は後だ今は飯だ飯」
「ふぅ、目がまだ少し痛いな」
「目冷やしといた方が良いよ」
「おまち、天国行きカレー天国辛ね」
なんで、店員さっきまで着けてなかったマスクと
サングラスしてるんだ? てか、マスクとサングラスあるんだ!!
「やっときたな俺のカレー」
外では少し風が吹いている
「涼しい風だな~」
「ぐぁぁぁぁ!!! 」
再び響く嵐牙の叫び声
「らっ、嵐牙君!? 大丈夫かい! 」
「目が焼けて要るようだ! 」
「急いで目を洗わないと」
ここからでも分かるくらいスパイシーな香りがする
あれ、絶対人間が食べちゃダメな辛さだよな
カレーの色は普通なんだよな
色だけは……
「キース、早くそれ食べろ」
スキンヘッドの筋肉が金髪の筋肉に注意する
「わぁってるわぁってる」
金髪の筋肉はそう言うと、目の前のカレーを
物凄い勢いで食べ始めた
「相変わらず凄い食いっぷりだなキース」
凄いですませて良いのか? あれ?
「俺達も冷めないうちに食べよう」
「そうですね、いただきます。」
まずは、ルーだけで
こっこれは! 口の中に広がる野菜の甘味!
だが、それに引けをとらない豚肉の旨み!
そこに、何種ものスパイスの香りが鼻を抜ける
これは、ご飯が進む!!
「進お前、クライから聞いてはいたが本当に飯を美味そうに食うな」
「そうですか? 普通に食べてるだけなんですけど」
昔からそうだったな。母さんも良く俺の食べてる所を見て
嬉しそうにしてたな……
「どうしたカレーが辛かったか? 」
「以外と中辛でも辛いんで涙がでちゃいました」
「なら、これだ! 」
スキンヘッドの筋肉は机の真ん中に置いてあった
小さな焼き物を俺の前に置いた
「こっ、これは!! 福神漬け! 」
「そうだ! ここのカレーは福神漬けとよく合うんだ
いやむしろ、ここからが本領発揮だ! 」
確かに福神漬けとカレーの相性は日本人なら誰しもが知っている!
こんなの美味いに決まっている!
「福神漬けは多めに盛っておけ」
カレーの辛味が福神漬けの甘味で緩和してより食べやすくなった!
ここの福神漬けは食感が日本のより良いな
だけど、甘さは控えめだな。だから、多めに盛っておいてくれたのか
「どうだ? 美味いだろ! 」
「はい! 」
「やっと、痛みが取れたな」
「いざと言うときに持っていた薬草が役にたって良かったよ」
「聞いてくれよ進! クライって凄いんだぞ! 」
「はいはい。後で聞くから早く食わんと冷めるぞ」
「僕たちも早く食べよう」
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