二人目の転生者

「えっ? お前意味わかってる? 」

「えっ? なにが? 」

「熊は誰か刺激した? 」

「俺」

「熊が追ってくる条件は? 」

「背中を向けて走ってる人」

「この条件に合致する人は? だ~れだ? 」

「う~ん? 」

「正解は俺たちで~す」

「な~るほど! 」


「ってやってる場合じゃねぇー!! 」

「ギャー!! お前バカだろ! 熊は時速50kmでるんだぞ! 」

「結構距離あるし、ほら枝とか色々あるから直線でこれないだろ」

「グォォォォォーーー!! 」

「めっちゃ直線距離で来てるじゃん! なぁどうするよ! 」

後ろからは、合成獣と熊、どうする! どうすればいい!?

えぇい! やけくそだ!

「〈創造〉石の槍」もっと長く3mくらい長く

「おい早くしろ! 」

「お待たせ! かかってこいや! 」


「グォォォォォー!!! 」

こっこえぇ~、リーチがあるとはいえ、やっぱり怖い

「これを熊の体に刺して後ろに倒す。 そうすれば、うさぎも潰れる」

「なるほど! 一石二鳥だな! なら俺の能力を使え」

「〈分身創造〉木羽嵐牙」

「その間に俺たちは逃げるんだな! 」

「あぁそう言う事だ! 俺の分身に槍を持たせろ! 」

「頼んだぞ! 分身! 」

「全力でダッシュだ~!! 」


気がついたら森を抜けていた

「ハァ、ハァ……」

「うぇえ気持ちわる、おいお前なんか食い物無いのか? 」

「はぁ? そんなのねぇよ、それよりなんか飲み物ねぇか? 」

「あぁ、あるぞほら」

「サンキュ」

「腹減った~」

「飯食い行くか? 」

「奢りか? 」

「んな訳」


何故かこいつは人見知りしないで話せるな

「お前名前は? 」

「倉本進くらもとすすむだ」

「倉本? お前! 転生者か!? 」

「あぁ、お前もそうだろ? 」

「何故知ってる!? 」

「自分の能力使ったときに、自分の名前叫んでただろ? 」

「はぁっ! そうだった! 」

こいつバカだな

「改めて、俺は 木羽嵐牙きばねらんがだ転生者同士しよろしくな」

「お前の能力について疑問があるんだがいいか? 」

「良いぞ、ただ俺もお前の能力に疑問がある」

「教えたら教えてやるまずは、俺からだ」


最初の質問はジャブ的な感じだ

「お前の能力に代償は付いてるか? 」

「あぁ、付いてる」

「どんな代償だ? 」

「使うと喉が渇く。 しかもその分身の創る部分が

多ければ多い程、喉が渇く」

「ん? 創る部分? 」

「まぁ百聞は一見にしかずだ、丁度喉も潤ってるし」

「誰を創るんだ? 」

「メロウさんで試せばいい」


「〈分身創造アバタークリエイト〉メロウさん」

「おお!! 」

他人の能力見るのってテンション上がるな!

「どうだ! 完璧な出来だろ? 」

「あぁ、完璧だ! 」

「実はこの分身触れるんだ! 知ってる」

「何故!? 嵐くんがメロウさんの分身とイチャイチャしてる

のを、遠目に見てたからな」

「お前さては、ストーカーだな! 」

「ちげぇよ! クエストだよ! ク! エ! ス! ト! 」


「まぁ、良いや触って見ればわかる」

「どこでも良いのか? 」

「あぁ、好きな所を触りたまえ」

「ほぉ? なら遠慮なく! このたわわな胸を!! 」

「ふっ……若いな」

「なっ!? 透ける! だと……! 」

「これが我が能力!! 直接触れた箇所以外は、見えても

触れられないのだ! だから、メロウさんの胸に触りたいなら、

俺が直接メロウさんの胸に触れなければならない! 」


「美人の胸がこんな目の前にあるのに! 触れられないだと!

なんともどかしい! 」

「ふっふっふ……そんな事俺だって考えたさただ、

メロウさんにステータスカードを作って貰って気づいたんだ……

そんな上手い話、この世に無いって」

こいつ、色んな苦労を乗り越えて来たんだな


「なぁ、服は脱がせられないのか? もしくは服を無しにできないのか? 」

「それも無理だ、自分が直接見た物じゃないと出来ない」

「くそ! なんとかできないのか!? 」

「諦めろ……」

「そうだ! 女湯を覗けば! 」

「バカ野郎!! 見つかったら俺の命は尽きる」

「クソ!! 」

「お前まさか、質問はそれだけか? 」

「いいや、他にもある」


「真面目な質問な」

「おう」

「お前なんで転生した? 」

「俺は、事故りそうになってた爺さんを助けたら、魔王を倒して

悪魔の杖を持ってくれば、蘇らせてやるって」

「その爺さんって、髭もじゃの? 」

「そうだが? 何故お前が知ってる? まさか! 」

「そのまさかだ、俺もその爺さんを助けて転生した」

「お前も事故して、全身粉砕骨折? 」

「わからない、意識不明の重体って事だけ聞いてる

後、目覚めても植物人間って事も」

「さらっと凄いこと言ったな」


「いやお前も、さらっと全身粉砕骨折ってやばいから」

「お互い大変だな」

「なぁ、俺達でパーティー組もうぜ! 」

「それ名案だな! 」

「よろしくな嵐牙 」

「おう! よろしく進」


「って! あやふやにされるとこだった」

「ちっ! めんどいからスルー出来ると思ったのに」

「逆に俺からも質問だ、お前の能力も代償はあるのか? 」

「勿論ある。」

「どんな代償だ? 」

「創造する物に応じて、腹が減って、カロリーが消費される」

「今、創造できるのは、何だ? 」

「木と石だな。 石は魔法石って言われる魔力電導率がめっちゃ良いらしい

あと、普通の石より重い」

「石の種類は変えられるのか? 」

「やったこと無いな」


「やってみろよ! 」

「やってみるか! 」

う~ん石の種類ってよくわからないな? まぁ適当にやってみるか

「〈創造〉石のナイフ」

あれ? 出てこないぞ?

「おい早くしろよ」

「やってるけど出てこないんだ」

なんでだ? やっぱりしっかりしたイメージがないと出来ないのか?

だけど、イメージはしたぞ? なんで出てこない?

お…… も……もし? き…… るか?

『この声は! 』

「お前にも聞こえたのか!? 」

「あぁ、久しぶりに聞いたぜ爺さんの声」

お~い聞こえておるのか? 返事をせ~い


「聞こえてるよ爺さん」

「爺さ~ん久しぶりだな! 元気してるか? 」

一応元気じゃよ。 今回は進に伝えることがある

「なんだ爺さん? 」

お主の能力、創造はお主が口に含むとそれを創造する事が

できるようになる

「口に含むって、もしかして、イートって事か? 」

食べたいなら食べれば良い。 まぁ、鉱物とかを食べられるならな

「じゃあどうすればいいんだ? 」

いや言ってるじゃろ、口に含めば良いんじゃ

「バイ菌とか付いてたらどうするんだ! 」

水で洗えば良いじゃろ

「てか、鉱物とかを口に含むとか、赤ちゃんじゃねぇんだから」

「だがお前、石出せるじゃん」

「んっ? て、事は!? 」

そうじゃお主を転生させたとき、畦道で起きたじゃろ?

「うん」

その時ジャリジャリしなかったか?

「めっちゃした! ジャリジャリし過ぎて、口の中が不快すぎて

超うがいした! 」

「お前の能力不便すぎないか? 」

「それは俺が1番わかってる」


仕方がない。 それがお主の能力なんじゃ。 悔やんでも仕方がない

「口に含めば創造の幅が広がるんだな? 」

うむ、じゃが、条件を満たしていたらの問題じゃがな

「条件? 」

うむ、例えば、石などは条件はないが、鉄を創造するには、

筋力が130以上必要なんじゃ、じゃが今のお主の筋力は96じゃ

まだまだ、到底足りん

「なぁ、質問いいか? 」

何じゃ嵐牙?

「なんで爺さんはそんなに創造について詳しいんだ? 」

その能力はわしも使えるからの。 因むと、嵐牙の能力も使えるぞ

「えぇ!! 爺さん俺の能力使えるのか!? 」

「俺の最強の能力も使えるのか!? 」


使えるぞ、お主達よりもな

「へぇどんな感じなんだ? 」

進の能力なら、城を創造つくる事ができるぞ

「城!! 」

「城って! あのキャッスルか!? 」

そうじゃ、嵐牙の能力なら、10人は分身は創造れるぞ

『10人!? 』

それと、わしは代償を無しで能力が使える

「代償がないだと! 」

「そんなのただのチートじゃねぇか! 」

ふぉっふぉっふぉ

まぁ、実力差と言うやつじゃの


「俺達も出来るようになるのか? 」

いつかは出来るんじゃないかの?

「俺の最強の能力が更に強くなってしまうな! 」

わしはお前らの行動を一部見てるからの。

あんまり無茶をするでないぞ

『あ~い』

それじゃあの~


そう言うと爺さんの声は聞こえなくなった

「爺さんって不思議だよな」

「めっちゃわかる」

「俺達の会話とか聞かれたりしてるのかな? 」

「さぁ? それは爺のみぞ知るってやつだろ」

「おっ、上手いな」

「とりあえず、飯いこうぜ」

「だな」

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