狼
「進はどこの村出身だ?」
やばい全然考えて無いぞ! どうするか
「名前がわからない村なんだ」
苦し紛れの言い訳だが、仕方ない
「ほぉ~そうなのか。」
おっ意外と追求してこない。ラッキーだな
「なぁ、レイブン」
「おっ、なんだ?」
「あと、どのくらいでギルドに着くんだ?」
流石に馬車とは言え腰が痛い
「う~んあと、10時間くらいかな?」
10時間! 長いなと言うよりもう夜になるだろ
「よし、ここら辺で今日は野営しよう」
焚き火をレイブンと俺は、迎えあって座っていた
何でもない雑談をしていると
「おい! お前の茂みが今動いた」
「ゆっくりこっちにこい」
レイブンが静かに俺に囁く
「わかった」
レイブンは、小型のダガーを手に持っている
「伏せろ……!」
その瞬間茂みから一匹の狼が出てきた
「ワオーン!」
そう、狼が鳴くと更に回りを囲むように狼が4匹出てきた
「おいレイブンどうする? 」
「任せとけって」
レイブンは、落ち着いている
「ワオーン!」
狼が同時に襲いかかってきた!
「進絶対に目を開けるなよ」
レイブンが俺にそう言うと、目を閉じても分かるほど目映い光が暗い森を照らした
「キュアア」
「もう、目を開けて良いか? 」
「あぁ、良いぞ」
目の前には5匹の狼が死んでいた
「ふぅ、まさか狼の縄張りだとはな……」
「レイブンは、大丈夫か? 」
強い3秒もかかってないぞ
「俺は、大丈夫無傷よ」
「レイブンお前何者? 」
「まだ、言ってなかったけ? 俺の本業は冒険者だからな」
「レイブン冒険者だったのか! 」
どうりで狼5匹を一気に相手出来るわけだ
「よし、この狼の皮は高く売れるんだ」
そう言うと手際よく狼の皮を剥ぎ始める
正直グロい
「今日は狼の肉で鍋でも作るか」
鍋だと! この世界にも鍋があるのか!
「狼鍋は食ったことあるか?」
「食ったことどころか聞いた事すらないな」
狼鍋って美味いのか?
「そりゃそうだろなんたって新鮮じゃなきゃ食えんからな」
多少抵抗はあったが予想以上に味は美味かった。
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