第13話 合流して村に帰ろう

 俺は二人を抱えて地上に戻った。そして今冒険者ギルドの前で彼女の到着を待っていた。


「おっせぇな~。道草くってんのか?」

「女の子の足ですから……」

「それも計算に入れたんだけどな」


 今日が到着予定日だ。俺は今すぐ村に帰りたくて仕方ないと言うのに彼女が中々来ない。


「……あ! リクトさん、来ました!」

「やっと来たか」


 しょんぼりした表情で下を向きギルドに向かう彼女。俺はそんな彼女に声を掛けた。


「遅いぞ!」

「え? ……あ……り、リクトくん……。え? う、嘘……!? ふ、二人とも……! 無事だったのっ!?」


 彼女の瞳に涙が浮かび上がる。


「無事……じゃないかな。でも……リクトに助けられたから……えへへ」

「……え?」

「ごめんね? 私達もう冒険者引退する事にしたの……あははっ」

「ち、ちょっ……! な、なんで? 三人で一流の冒険者目指そうって……」


 二人が言った。


「もう無理だよ……。私達……魔物に犯されたんだよ?」

「う、嘘……」

「本当よ、ゴブリンエリートに処女奪われてさ……。何回も何回も色んな所に出されてさ……。怖くて怯えてたんだよ」

「あ……そん……な……!」


 表情を曇らせる彼女に対し二人は『でも!』と言い、笑顔を見せた。


「魔物は怖いけどさ、ヤられた事はリクトに上書きしてもらったからもう大丈夫よ?」

「へ? う、上書き?」

「そ。六日前かな? リクトが私達を助けに来てくれてさ、それから昨日までダンジョンの中でゴブリンにヤられた以上に優しく愛してもらってたのよ~」

「あ、愛しっ……?」

「「ごめんね? 私達冒険者辞めてリクトのお嫁さんになるからっ!」」

「は、はぁぁぁぁっ!? リクトくんっ!?」


 リクトが彼女に言った。


「魔物にヤられるってさ……めっちゃキツいと思うんだ。この二人を救うには上書きするしかなかったんだよ。そしたら二人とも俺の子が欲しいって言い出してさ。これから一緒に村に帰るんだよ。それで……君はどうする? まだ冒険者続けるの?」

「や、ちょっ……! そんなのダメぇぇぇぇぇっ! 私だってリクトくんの赤ちゃん欲しいもんっ! 私好きって告白したよね!?」


 リクトは彼女に言った。


「ああ、聞いたよ。でもさ、君は冒険者としてやっていくんでしょ? なら村で一緒に暮らす事はできないじゃないか。残念だけど……冒険者としてやっていくなら俺の答えはノーだ」

「あ、はい。辞めます。仲間もいなくなったし、冒険者なんてこりごりです。私も一緒に村に帰る!」

「そっか。なら答えはイエスだ。帰り道みんなで楽しみながら行こうな?」

「う、うんっ! あはっ……。でも……リクトくんこんなにお嫁さん増やして大丈夫なの?」

「ああ、大丈夫だよ。だから抱くし迎えるんだ。無理なら最初から手は出さないよ。さ、行こうか。最初の宿場町が君の初めてをもらう場所だ」

「はぅぅ……っ。よ、よろしく……」


 それから俺達は最初の宿場町の宿を借り、数日間その宿で過ごした。彼女は二人に負けまいと出遅れた分を取り戻すかのように俺を求めた。


「私の方が先に出会ってるんだからぁっ! リクトくん……、私に一番最初に当ててぇっ!」

「欲しいなら二人みたいに自分からこいよっ! 自分で動いて当ててみろっ!」

「もちろんっ! 抜かせてあげないんだからぁっ!」


 俺はこっそり避妊魔法を使い、たっぷりと彼女を楽しんだ。お陰で村に帰るまで二週間も経ってしまった。正直やり過ぎた感が満載だ。ちなみに、地味子二人もしっかりと抱きまくった。宿からうるさいと苦情を入れられないために防音魔法でしっかりと室内の音を遮断してある。完璧だ。宿に入ったら最低三日は泊まる。一人一日計算だ。タフな奴らである。


「ふにゅ……、もう一生分した気がするよぉ~」

「あ、じゃああんたはもう良いわよね? 後は私達二人だけでやるから」

「い、一生は彼氏ができなかった場合の一生だもん! 新しい一生はリクトと過ごす一生だから……まだまだ足りないもん!」

「わけわからんぞ……」


 困惑する俺に三人が言った。


「私達まだ十三だからこれから先もいっぱい愛してねっ、リクト!」

「ですね、地味で普通な私ですが……リクトの赤ちゃんいっぱい産みます!」

「私も産む~! 早く一人目欲しいな~」


 ふむ、この距離なら朝出発したら昼にでも村に到着するだろうし……。


「よし、じゃあ避妊はここまでだ。ここからは避妊なしでやるぞ? 孕む用意はいい?」

「は、早く早く! 私一番!」

「じゃ私二番!」

「私は三番かぁ~」

「別に早くやったからって確実に最初に孕むってわけでもないでしょ。こればかりは運次第だからね」


 それから町を出発して二週間。


「あ、村が見えてきたよ」

「あれが私達の住む村……。リクト、私達を助けてくれてありがとね」

「ああ、こちらこそ。みんな、新しい命……大切にしていこうな」

「「「はいっ!」」」


 こうして俺は新たに三人の妻を迎え家に帰った。家には母と元他人妻、騎士団長に元騎士団員、そして新たに三人が加わり滅茶苦茶狭い。これにそれぞれ子を産んだらさらに狭くなるだろう。


(どうやらそろそろ引っ越ししなきゃならなそうだなぁ)


 俺はみんなの幸せそうな横顔を眺めつつ、引っ越し先の相談を持ち掛けるのであった。

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