第42話前半 前日夜・1回戦終了後のインターバル(PG12)
■■■■ 注意事項 ■■■■
本日掲載分は前半,後半の2部構成です。
前半(このお話)はPG12指定ですので、12歳未満の方は飛ばして下さい。
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「何か最近、アシュ、逞しくなったよね。この辺とかこの辺とか」
フィオナに裸の脚とか肩とかつままれてぎくっとする俺。
確かに魔法武闘会に備えて鍛えているからな。
より速く的確に動けるように。
「体力が無いからさ。最近は毎日散歩するなり一応努力しているんだ」
「あんまり無茶はしないでね。テディが心配するから」
ちょっと待ってくれ。
この台詞って、ひょっとして何か感づいているうえでの台詞なのだろうか。
「まあ全部が全部テディに打ち明けてとまでは言わないけれどね。アシュにも理由があるだろうから」
おいおい何か完全に感づいているだろう。
しかもフィオナの口調だと最低でもテディ、下手すると全員が。
俺はわからない事は聞いてみる主義だ。
無論魔法武闘会の件は言わないけれど。
「何かおかしいところでもあったか、俺の行動?」
「アシュは割と素直だからさ、言わなくても行動に出るんだよね。今は何かに備えて身体を鍛えている感じかな。前とは違って仕事の後に必ず一人で散歩に行ったりしているし。12月最初の週の分余分に仕事をやっている最中にも関わらずね。
ついでに言うと只の散歩じゃない事も確かだよ。もう涼しい季節なのに大汗かいていたりするし」
うーむ、確かにそう言われればそうだ。
「僕としては特に心配はしていないよ。アシュの事だから何やかんや言ってそれなりの目算があってやっているのだろうと思うしね。ミランダは僕とテディの中間かな。心配するほどじゃないけれどちょい気になるってところ」
なるほど。
全員気付いているなりにスタンスは違う訳か。
「悪いな。隠しているようで」
「言わないという事は言えない理由があるんだろうしね。でもその場合はあくまで『何でもない』と否定しなきゃ。そうでもないと隠し事を認めている事になるよ」
「わかった。以後気をつける」
「まあその辺の素直さもアシュのいい処なんだけれどね」
うーむ。
でも陛下に誰にも言うなと言われているしな。
仕方ない。
「という事で今日の僕のお話はおしまい。アシュから僕に言う事はある?」
うーむ、フィオナに言う事か。
「特にないよな。強いて言えば何か他に希望は無いかなくらいだな。フィオナにも色々頼んでいるしさ。特に医学書追補版はほぼ任せきりだし。もっと仕事を減らそうとか別の事をやりたいとか」
「僕は今の環境に満足しているよ。今の医学書追補版、やりがいもあるしね。調べる事が多くて知識も身につくし。
それにさ」
フィオナは俺にくっついてきて、そして耳元でささやくように言う。
「言動は頼りなさそうな癖に実はなかなか頼りがいがある誰かさんが大好きだしさ」
こらフィオナ、今のは反則だぞ。
そう思いつつ俺はフィオナを抱きしめる。
「ありがとう、フィオナ」
困った事に、申し訳ないとも不釣り合いだと思っても、俺も3人が好きでたまらなかったりするのだ。
勿論フィオナも。
俺は抱きしめた腕を少し緩めて、ちょい深めのキスをして、そして……
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