第6話シェレネの誕生日。の裏側。あの状況はいかにして生まれたのか?

「アランドルお兄様〜」


「ん?どうしたんだい、クリスティ。」


「今日の聖妃様の誕生日パーティーの打ち合わせ?があるから、に行かないと……」


「ああ、そうだね。行こうか。」


とは、闇の森のこと。

隠語を使わないとバレますからね。


「ジャン〜」


「ジュリア、アランドル、来たか。」


「打ち合わせって何?」


「結構昔から決まってたんだが……、俺は妃を貰ったら社交界に出ろって言われてるんだ。できるだけ、俺たち4人で行動しておいて、タイミングを見計らい闇の森の神王家として挨拶に出なければならない。」


「そうなの?いいよ〜」


「タイミングは僕に任せて〜」


「私もですよね……」


そう、この新王家は、王がお妃様を貰ったら社交界に出る、というふうになんています。

そうでもしないといつまでも出てきませんからね、この王様。


「まあ、とりあえず行こう?」




「聖妃様、お誕生日おめでとうございます!聖妃様、もう15歳なんですね。私はあと半年後やっと14歳なのに。」


「そうね……でも、クリスティンも……すぐに誕生日が来る……」


シェレネにそう言われると、クリスティンは少し元気になったみたいです(笑)


「クリスティン様〜、ご機嫌麗しゅう。」


「今日はどなたのエスコートですの?」


「また兄君さま?」


今日も、レスト家と仲良くなろうと、下心丸出しのご令嬢達がやってきます。


「今日はバジル·セルヴィール様のエスコートですわ。アランドルお兄様にはナイチンゲール嬢がいますし……」


「え!?バジル様?」


「お父様が目の敵にされている家の方ではございませんこと?」


まあ、この反応は当たり前ですよね。


「バジル様はお兄様の相方のようなか方ですから。それに、アランドルお兄様も一緒に行動しているので大丈夫ですわ♡」


「そう?それならいいのですけれど……」


皆さんご不満そうです。




「バジル、今なら行けそうだよ。」


「そうか。クリスティン嬢、ルールーリア嬢、少し外に出るぞ。」


「はーい」


周りのご令嬢がたを軽くあしらって、王宮の庭の1番静かな守衛のいないところに行きます。


「ジャンにクリスティン嬢って言われるの違和感ある……」


「私も〜。お兄様が敬語って(笑)」


確かに違和感あります。

雲に隠れていた銀色の月が姿を現しました。

それと同時に、ジャンとルールーリア体が月光に包まれて……


「わあ、ジャン綺麗!」


「ルールーもね。」


1匹の銀月オオカミと青いナイチンゲールに変わります。

そして、もう一度変化して、白銀髪、夜の藍色の瞳に金の線の入った少年と少女に。

クリスティンとアランドルも変わります。


「行こうか。」


そして、4人は表の扉に向かいました。




ドアが空くと、広間の熱気が溢れ出してきます。

4人は真っ先に王族などが紹介される時に使うバルコニーへ。

名前を呼ぶ人が物凄く慌てていたのは気のせいでしょう。


「や、闇の森の神王陛下御一行の御成です!」


広間がざわつきます。


「闇の森の神王陛下ジャン·ジャック·セルリオール·ウィルフリーズア様、神王妃殿下ジュリア·ジュネ·スノーオーロラリア·ウィルフリーズア様、神王弟殿下ジューンベルナンデス·ウィルフリーズア様、神王弟妃殿下ジャーナ·ルールーリア·ウィルフリーズア様のお越しです。」


「おい、闇の森の神王ってほんとに居たのか……」


「どこが見覚えのある要な気がするが……何も思い出せん。」


そうですか。

まあそういうふうにジャンが仕組みましたからね(笑)


「神王だけでなく、妃殿下、王弟殿下、王弟妃殿下までいらっしゃるぞ!?」


あ、これ、ジャンとクリスティンとアランドルとルールーリアですよ?

みんなはそんな人がいたなんて知りません。


「ディアネス国の聖妃殿下の誕生日を、闇の森一同心よりお祝い申し上げる。俺が妃を貰ったため、この場に招かれている。以後の夜会でも、参加しようと思っている。よろしく願いたい。」


ジャンが代表で挨拶をします。

会場のざわめきは絶えませんが、夜会はもうちょっと続きますよ〜

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刻印の花嫁~姫の嫁ぎ先は闇の国~Story Christine&Jean-Jack 森ののか @Nonoka_Ephemeral_Elfilion

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