閑話レスト公爵家のアランドル3
「父上、お話いいですか?」
「アランドルか。どうした?」
「結婚してもいいですか?」
「!?お前が!?相手は誰だい?」
「ナイチンゲール·ナイーリア嬢です」
「ナイーリア?聞かん名前だな。」
それもそのはず。
ナイチンゲール·ナイーリアは、ルールーの偽名だからね。
「それと、もうひとついいでしょうか。」
「なんだ?」
「私は家督を継ぎません。誰か弟に譲ってください。ナイチンゲールと結婚したら別のところで暮らすので。レストはそのまま貰っておきます。」
「いいのか?」
「はい。」
「では、そのナイチンゲール嬢を連れてこい。お前が射止めた女性なのだろう?」
「はい」
うん、私は射止めてないけどね。
ジャンが紹介してくれただけだし。
まあ、可愛いからよしとしよう。
――――――――――――――――――――――――――――――
「はじめまして、お義父さま。ナイチンゲール·ナイーリアと申します。かの有名なレスト家の公爵様とお会いできて、嬉しい限りです。」
「そんなにかしこまらなくてもいいですよ。このアランドルの所に嫁いでくれるだけでも嬉しいからね。」
うん、ルールーは森で育った小鳥娘にもかかわらず、なかなか礼儀正しいみたいだ。
セルヴィール家と並んで筆頭貴族の公爵相手にこんなにきちんと挨拶できる人はなかなかいないからね。
「父上〜、アランドルがお嫁さん連れてきたってほんと?」
「僕も兄上のお嫁さん見たい〜」
「俺も〜」
揃って、弟たちが来た。私のルールーはあげないからな!特にお前。オズワールズ!
オズワールズはというと……
「なんて美しいお嬢さんなんだ。あんなゆるふわなんて放っておいて、僕と一緒になりませんか?」
って!誘惑するな!
「ほらほら、ふざけるのも大概にしなさい。ひとつ話しておかないと行けないことがある。次期公爵をアランドルが降りるみたいだから、次を決めないとね。」
「俺パスで〜」
と次男のオズワールズが言い、
「俺もー」
と四男のセシルが言い、
「僕はさすがに無理そうですね〜」
と五男のゼルディランが言う。
つまり残りは……
「私に……やれと言うのか……?」
三男、クロフォード。
頑張れ。君にもそのうち、励ましてくれる運命の人がいるよ。
まあ、クロフォードは僕から見ても父上から見ても満点の出来だと思うね。
近衛騎士団団長だし。
「……仕方ない。」
まあ、次期公爵も決まったことだし、いいとしようか。
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