30

 これは、と唸るように云ったきり黙り込んでしまったヴァレリーを相手にすることなく、シュテファーニアは、ここのところしばらくかかりきりになっている西国の歴史書の頁を開いた。

 そこに綴られているのは、一般的によく知られている西国の歴史ではなく、いまや彼の国の暗部とさえ呼ばれるようになってしまった秘術と、それを扱う魔法師や魔女を中心にして書かれた歴史である。シュテファーニアは夢中になって頁を繰っていく。時間が足りない、と彼女は思っていた。

 読めば読むほど知らないことばかり、わからないことばかりが増えていく。知らないことを知るために、わからないことを調べるために次々と書を紐解き、そのたびにまた読むべき書が増えて、と近ごろの彼女はこの図書庫で夜を明かすことが増えてきている。

 シュテファーニアの身を案じるツェツィーリアには苦い顔をされるけれど、いまはこうすることが必要なのだと、神ツ国の民から巫女姫と呼ばれて慕われる教主の娘はそう思っていた。

 なにが巫女姫か、とシュテファーニアは思う。なにも知らないくせに、ただ教主の娘であるというだけで祭り上げられていい気になっていた過去を思うと、無知で愚かだった自分に仕えてくれていたツェツィーリアやほかの者たちにさえ、なぜ諌めてくれなかったのかと八つ当たりしたくなるほどだ。

 もっともいまのシュテファーニアには、ツェツィーリアらが自分に対しなにも云おうとしなかった理由さえもよくわかる。云っても無駄だと思われていたのだ。なにを聞かせたところでわかるはずがない、わかろうともしないと、そう思われていたのだ。

 莫迦にしてくれたものだわ、と苛立たしく思う半面、莫迦にされても当然だったのかもしれないとも思う。結局は、わたくしが愚かだったということに、すべての原因があるのだけれども。

「おい」

 ヴァレリーの声を自分に対する呼びかけとは思いもせず、自分の考えに耽っていたシュテファーニアは、突然目の前に広げていた書物の頁を叩かれて飛び上がった。

「な、なにをなさるの!」

「何度も呼んだのだ。ぼうっとするな」

「呼んだ?」

 まさか、とシュテファーニアは思う。さっきの、おい、というのがそれではないでしょうね?

 この無礼者が、と雄弁に語る紫色の瞳から逃れるように、屈んでいた身を起こしたヴァレリーは、史料室はこのひと部屋か、と落ち着いた声で尋ねた。

「ええ。とはいえ、ほかにもあるのかもしれません。この神殿にはわたくしの知りえないこともたくさんありますから」

「教主の娘であるのにか」

 かつての誇りを揶揄するような元夫の口調に、シュテファーニアは優雅に微笑んでみせる。しかし返す言葉は辛辣だった。

「きっと殿下は、東国のことをなにもかもあまねくご存知でいらっしゃるのでしょうね」

 わたくしはそんなふうに思い上がることはできない、というシュテファーニアの言外の思いはヴァレリーに正しく伝わり、彼は顔を歪めて苦々しく吐き捨てた。

「で、理由はなんだ」

「理由?」

「おれをここへ素直に招き入れた、その理由だ」

「昨夜、ここを見たいとおっしゃったのは殿下ですわ」

 それはそうだが、とヴァレリーは眉根を寄せ、冷たく端正な元妻の顔を見つめた。


 昨夜、さんざんに待たされた末にようやく現れたシュテファーニアは、伴ってきた元侍女ツェツィーリアにエリシュカを託し、自分ひとりヴァレリーの前に立つと、開口一番こう云った。

「なぜここにいるのかとお訊きしてもよろしいですか、殿下」

 だいたいなぜあなたがエリシュカとともにいるのです、とシュテファーニアは続ける。

「エリシュカは殿下を嫌って、城を飛び出したのではなかったのですか。それが、なぜ一緒にいるのです?」

 嫌って、とヴァレリーは思わずといった調子で呻いた。なにかが神経に障ったらしい。

「殿下が自らそうしたためてこられたのですよ」

「そんなことは書いていない」

「似たようなものですわ」

 シュテファーニアは鼻を鳴らし、そんなことはいまはどうでもいいわ、と云う。

「そんなことよりも、なぜ、あなたがここにいるか、ということのほうがわたくしにとっては重要です」

 よほど云いづらいことであるのか、ヴァレリーは珍しく夏空色の眼差しを下へと落とし、さらにやや俯き加減になる。向かいあって座るシュテファーニアからも、彼の視線の行方はよくわからなくなった。

「殿下」

「国で叛乱が起きた。首謀者のひとりはすぐに捕らえたが、もうひとりの行方を追って神ノ峰へと足を踏み入れ、そこで……」

 ヴァレリーが自らの身に起きたことを努めて冷静な口調で説明する。シュテファーニアは驚きに目を見開き、しかし、話を聞いているうちに徐々に納得した表情を浮かべるようになった。

 ようやく理由がわかった、と彼女は思っていた。しばしの逗留を許されたはずの北の要塞から、まるで追い立てられるように出立を求められたことの、その理由が。

 しかしあの東国で叛乱とは、とシュテファーニアはわずかに眉根を寄せた。神ツ国に比べればずっと豊かで恵まれているように見えるあの国にも、見えぬ暗部があったということなのだろうか。わたくしが見ようともしなかっただけで――。

「すると殿下は、現在、国では行方不明だと考えられていると、そういうことなのですね」

 ああそうだ、とまっすぐに顔を上げたヴァレリーは頷いた。

「だから一刻も早く国へと使いを立てたい。そなたであれば、その方法を知っているかもしれないと……」

 冬の迫るこの時期に神ノ峰を越える方法はたしかにある、とシュテファーニアは表情を変えないよう努めながら考えた。

 彼女が東国へ嫁す折、あるいは帰国する折にも護衛についてくれた案内役らは、神ノ峰を越えるすべを熟知している。そもそも彼らは神ツ国と他国とを結ぶ使者の役割を担う者であり、必要とあらば真冬に山を越えることもあるらしいと聞く。

 だが、シュテファーニアはそれ以上詳しいことを知らなかったし、また自由に彼らを使役することのできる立場にあるわけでもない。ヴァレリーに対する個人的な感情を云々するまでもなく、シュテファーニアが彼に協力することはできそうにないのだった。

 シュテファーニアがそう云うと、元夫は、そうか、と頷いた。そして、ごくなんでもないことのように付け加えた。

「では、おまえの父である教主に会わせてもらいたい」

 莫迦な、とシュテファーニアは思った。

「できるわけがありませんわ、そんなこと」

「なぜだ」

「わたくしと離縁した殿下を父が歓迎するとでも思うのですか。それに殿下は、そもそもここにいてよい人間ではありません」

 歓迎などされずともよい、とヴァレリーは云った。国に宛てて使者を立てられれば、それでよい。さして長居せずに、おれも国へ戻るつもりだ。

「人目を忍ぶ身でなんということを……」

「別に人目を忍ぶ必要などない。いまのこの神官の格好だって、そなたが勝手に気を働かせただけのことではないか。エリシュカのことを考えて黙って従いはしたが、おれは身を明かすことも吝かではないのだぞ」

「その、御身を明かすものをお持ちではないのに、ですか」

 ヴァレリーは不愉快そうに目を細めた。身を明かす徴は持っている。彼の左手の中指に合うように作られた指輪――東国王太子の徽章が刻印されている――がそのひとつで、それはいまも革紐に通した上で、首から下げて携えていた。兵を率いて城を出るとき、剣を握るのに邪魔だったのでそうしておいたのだが、結果的に肌身離さず持ち歩くこととなっていた。

 だが、そのことをシュテファーニアに告げる必要はない。だいたいこの指輪の徴が威力を発揮するのは東国国内においてのことで、この神の国とやらにおいてはなんの力も持たないだろう。

「明かすものはあるさ」

 ヴァレリーは軽い口調で云い、肩を竦めてシュテファーニアを見た。

「おまえだ。それからおまえの侍女であった者たち、それにエリシュカ」

「エリシュカの証言など、この国ではなんの意味もありません」

 まあな、とヴァレリーは物憂げに呟く。

「そうであろうと思ったから、とりあえずはおとなしくおまえの侍女の云うことに従ったのだ」

 だが、これ以上待つことはできない、とヴァレリーは続ける。

「東国へ使いを立てる方法をおまえが知らぬのであれば、教主に訊くしかなかろう。この辛気臭い衣を脱いで教主の宮とやらへ出向き、門の前から大声で呼ばわってやろうか」

「……殿下」

 シュテファーニアは呆れたようにため息をついて、片手で額を軽く押さえた。傍若無人で傲慢な男だとは思っていたけれど、自国を離れてもなおその性質はあらたまるものではないらしい。

「殿下のお心はわかりました。できる限りご希望に添うよう努力しましょう」

「……できる限り?」

 できる限り、とシュテファーニアはヴァレリーの言葉を繰り返しながら、頭痛を堪えるような顔をした。

「修行中の身であるわたくしにできることには限りがあります。そこを押して、と云っているのですから、お汲み取りいただけませんか」

「明日中にどうにかしろ」

 明日、と呟きながら、シュテファーニアは、これはもう兄に縋るしかないだろう、と考えていた。ツィリルがやってきたら兄への書状を託し、この厄介者をどうにかしてもらうことにしよう。

 お話はわかりました、とシュテファーニアは答え、ですが、と続けた。

「いまひとつ、お尋ねしておきたいことがあります」

「なんだ」

「エリシュカのことです」

 ヴァレリーは表情を変えなかった。シュテファーニアは探るような目つきになりながら先を続ける。

「わたくしはエリシュカの主として、殿下のもとへあの子を置いてきました。わたくしなりに己の振舞いを顧みて、あの子の身を考えてのことです。ですが、エリシュカは王城から逃げ出した。ここへたどり着いた経緯はどうあれ、この事実を無視することはできません」

「どういう意味だ」

「殿下は近いうちに国へお帰りになられるでしょう。そのとき、エリシュカをどうなさるおつもりですか」

 ヴァレリーは夏空色の瞳を眇め、元妻の顔をじっと睨み据えた。

 エリシュカはおれのものだ、とヴァレリーの中に潜む傲慢はいまもそう喚いている。エリシュカに対する想いに怯え、謙虚でいられるのは彼女とともにあるときだけで、こうしてひとりになったり、彼女以外の誰かと向かいあったりするときには、どうしても強気を捨てることができない。

「むろん、連れて帰るつもりだが」

「帰る?」

 ヴァレリーの言葉を聞き咎めたシュテファーニアは、眉間に深い皺を刻んで元夫に強い眼差しをぶつけて返す。

「あの子の故郷はここです。たったひとりきりで旅をしてまで帰ろうとした故郷はこの神ツ国なのです」

 はっ、とヴァレリーは嘲笑の声を上げた。

「自分を虐げ、踏み躙るだけのこの国がか」

 故郷だと、笑わせるな、と吐き捨てたヴァレリーの勢いにも、シュテファーニアは揺らがなかった。

「殿下がそれをおっしゃるのですか」

「云うさ。おまえたちの暴虐は腹に据えかねるものがある」

 暴虐と云うならば、それはそのとおりです、とシュテファーニアは悔しげに応じた。

「ですがそれは、殿下とて同じではありませんか。殿下の振る舞いに耐えかねて、エリシュカは王城を逃げ出したのでしょう」

「同じなものか!」

 おれはエリシュカを愛しているんだぞ、と美貌の王太子は恥も外聞もなく怒鳴るように云った。

「おれはもう二度とエリシュカの意に添わぬことはしない。その身に触れるなと云うのなら、そうするさ」

「エリシュカがここに残ると云ったらどうします?」

 考えたくない、とばかりにヴァレリーは首を横に振った。

「なにがなんでも連れて帰るとおっしゃるつもりですか。愛しているからと、大切にするからと、それでは以前となにも変わっていないではありませんか」

「それでも、ここにいるよりは、いいだろう」

 絞り出すようにヴァレリーは云う。結局のところ、おれはなにも変わっていないのか、と彼は思った。厭がるエリシュカに閨を強いたときと、これではなにも変わらない。元妻の云うことは正しい。

 シュテファーニアは紫色の瞳で、じっとヴァレリーを見つめていた。傲慢さを隠そうともせず、しかしいまの彼は同時に怯えや後悔も隠そうとしない。彼もわたくしと同じで、少しは前に進むことができたのかしら、と彼女は思った。

 一度たりとも心を交わしたことのない夫婦だった。形だけであってさえ寄り添ったことはなく、たまに近くにあるときも背中を向けあうばかりだった。

 それでも、わたくしたちは夫婦だった、とシュテファーニアは思う。不本意な相手と絆を結び、人生をともにしなければならないことに対する憤りや哀しみを、ほんの刹那であったとはいえ共有した。

 幸せになってもらいたいと思う。よき君主になってもらいたいと思う。もしもそのためにできることがあるのなら、喜んで力を貸そうと思う。

「殿下」

 シュテファーニアの声からは、先ほどまであった刺々しさが抜けている。それに気づいたヴァレリーもまた、表情を緩めて元妻を見つめた。

「お気持ちはわかりました。ですが、わたくしがその返事をするわけにはまいりません。エリシュカのことはエリシュカが自ら決めなくては」

 殿下のおっしゃるとおり、ここはあの子につらくあたるしかできぬ国ではありますが、とシュテファーニアは淡く微笑んでみせた。

「わたくしはもう、あの子にどんなことも強要したくはないのです」


 あのあともわたくしたちは少しだけ話をした、とシュテファーニアはヴァレリーの顔を見上げながら思い出した。ヴァレリーは旅の話を、シュテファーニアは修行の話を、それぞれほんのわずかずつ。

 なんということのない、他愛のない話だった。旅路で口にした食べもののことや、馬の扱いのこと。修行の朝の厳しさや、近ごろ夢中になっている書物のこと。

 それでも、元夫に自分のことを話したのははじめてだった。そしてそれはきっと、ヴァレリーも同じだったのだろう。

 ヴァレリーを部屋に残し、自室に戻るために歩きながら、シュテファーニアはどこか憑物が落ちたような自分がいることに気づいていた。わたくしたちの縁は、と彼女は思った。わたくしと殿下の縁は、これで本当に断ち切ることができたのかもしれない。

 間違って結ばれた絆だった。望みもしない縁だった。それでも、一度絡みあってしまった運命は、ふたりの手できちんと解いておかなければならない。そうでないと、未来に禍根を残すこととなってしまう。

 わたくしたちは昨晩、本当の意味で離縁することができた、とシュテファーニアは清々しく思う。たとえ偶然のなせる技であったとしても、彼がここを訪れてくれたことを幸いに思う。

 だから、ヴァレリーの望みは能う限り叶えてやろうと、そう思っていたのに。いったいなんだってこの男はこうも不機嫌なのだろう。

「なんが不満なんですの?」

「不満だと?」

 ヴァレリーは小さく舌打ちをした。あまり品がいいとは云えない仕種だが、彼にはじつによく似合っている。

「なにがって、なにもかもだ。おれは今日のうちには東国へ連絡を取る手段を教えろと云ったはずだ。悠長に構えている余裕はないんだ。さっさとしなければ、国は……」

「申し上げましたでしょう。いまのわたくしはこの神殿から動くことのできない身なのです。親が死んでも、子が病を得ても、修行を途中で投げ出すことはできません」

「そんなことを聞いているんじゃない」

 おまえの都合などどうでもよいわ、とヴァレリーは云った。おれは、と彼の声はかすかに震えている。

「おれは一刻も早く、この身の無事を国に知らせなくてはならないのだ。おまえにならばわかるだろう、この意味が」

「東国への使いのことは、わたくしのすぐ上の兄、イエレミアーシュに頼んであります。すでに神殿を預かる身ですから、兄にできることは多い。じきに返事が届くはずです」

 じきにではなくいますぐだ、という言葉をぐっと飲み込んだのは、ヴァレリーにはまだ元妻に尋ねたいことがあったからだ。エリシュカは、と彼は云った。

「エリシュカは、いまどうしている?」

 シュテファーニアは驚いたように目を瞠ったが、すぐに、ツェツィーリアとともにおりますわ、と素直に答えた。

「下女を装わせておりますから、ツェツィーリアの仕事を手伝わせています。神官服を着た殿下のそばに置くわけにはいきませんから」

 神官の世話は下男がするものと決まっておりますから、とシュテファーニアは云う。

「あまり目立つことをしますと、神殿の者たちが殿下やエリシュカに気づいてしまうかもしれませんから。仕方がないのです」

「会うことはできないのか」

 そうですね、とシュテファーニアは困ったように眉根を寄せて首を傾げた。

「むずかしいかもしれません。お会いになりたいのですか」

 ヴァレリーは答えなかった。だが、なにを語るよりも雄弁な沈黙に、シュテファーニアは苦笑する。

「昨夜のお話もございますから、いずれ必ずふたりで会える機会を設けます。それまではどうぞ、おとなしくなさっていてくださいませ」

 憤懣やるかたない、と云った調子でヴァレリーは大きな息をつき、しかし気分を切り替えるように大きく首を横に振ったあと、わかった、と頷いた。

「無理を云っているのはおれだ」

 そういうことだな、と続けるヴァレリーに、シュテファーニアは、やはりこの方は変わったのだ、と思わずにはいられなかった。いいえ、と彼女は首を横に振る。殿下にしてみれば、と当然の主張かと思いますわ。

 そして読書に戻ろうと、ふたたび頁に目を落としたところで、またもや呼び止められた。

「おい」

 それにしてもこの呼び方はどうにかならないのかしらね、とシュテファーニアは思う。不愉快だわ。

「まだなにか?」

「しれっとしていれば誤魔化せるとでも思ったか」

「なにがです?」

「なぜこの史料室におれを招き入れたか、と訊いている」

 さすがは一国の王太子、とシュテファーニアは思った。この場所の意味をすぐに理解したのだろう。そして、わたくしの真意を読みきることができずに戸惑っている。だからこそ、これほどまでに不機嫌なのだ。

「昨夜、殿下がおっしゃったのですよ。最近は寝る間も惜しんで書を読み耽っていると申しましたら、おれもその書を見てみたい、と」

 シュテファーニアは先ほどと同じ答えを返し、ヴァレリーの様子を探る。たしかに云ったな、と彼は唸った。

「だが、ただそれに応えるだけならば、図書庫に案内すればそれで十分だったはずだ。わざわざこの史料室まで招き入れたその理由を尋ねている」

 扉の向こうを指差したヴァレリーは、剣呑な眼差しでシュテファーニアを見据えた。

「おまえ、なにを考えているんだ」

 やはり、とシュテファーニアは喉の奥を小さく鳴らした。やはり、こうしてよかったのだ、と彼女は思う。殿下をここへ招き入れたことは間違いではなかった。

 彼は薄々気がついているのに違いない。わたくしが東国王太子をここへ招き入れた、本当の思惑に。

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