後の英雄、性的サビアを買いに行く
夜のパピヨンを再び訪れた俺。
店に入ると俺がバルトさんからの紹介の客と知った後なので、この前と違い店員は愛想を振りまく。
「ラーゼルさん、いらっしゃいませ! お待ちしていました」
すぐに店主が奥から現れて交代した。
心配そうな顔をして俺を覗き込む。
「この前のサビアに何か不都合でもございましたか?」
「いえ、こうしてパートナーとして大変うまくやってますよ」
後ろに立っているエレネスを見せる。
エレネスも俺の誉め言葉に誇らしげだ。
「それはよろしゅうございました。では、今日のご用件はなんでしょうか?」
「今度は戦闘サビアでなく性的サビアが欲しくてやってきました」
「初めてのサビアを持ったことでめくるめく性の世界に火が付きましたか……なるほどなるほど」
してねーから!
そんなことが出来るならわざわざ性的サビアなんて買いに来ないし!
エレネスはあくまでも冒険のパートナーだし!
そんなことしたらただじゃすまねーし!
店主はすぐにサビアを連れてきた。
今回は10人だ。
俺は彼女たちを鑑定する。
その中に一人、レベル13で上限に達していた娘を見つけた。
名前:メイミー
LV:13/13
狩猟種族ラビータ族の娘だ。
見た目はほとんど人間と変わらないが、頭にちょこんとのった白いうさ耳がチャームポイント。
たしか初めてこの店にやってきた時に紹介された5人の女性の中の一人で、恥ずかしそうにしていた娘だ。
成人しているはずだがどう見ても少女の見た目。
かなりおしとやかな感じだ。
プロフィールを見ると20歳なので間違いなく成人。
元冒険者をしていたが依頼の連続失敗で借金を抱え、利息が膨らみサビア落ちしたそうだ。
まあ、レベル13で限界じゃな。
俺よりひどいよ。
なんで冒険者を始めたのか謎なレベル上限だ。
まあ、レベル15が上限だった俺の言う話じゃない。
もちろん生娘。
初めてを捧げる相手にとって間違いなくふさわしい。
俺は初めての相手に彼女を選ぶことに決めた。
「きみと少し話をしたい」
「私とですか?」
自分が選ばれると思っていなかったメイミーは何かの間違いと思い辺りをうかがいまくって動揺していた。
店主は他の女の子を下げ「ごゆっくり」と部屋を出ていく。
残されたメイミーは落ち着きがない。
「私なんかでいいんですか?」
「もちろんだ」
「でも私、体型が子どもっぽいし胸もそんなに大きくないし」
「いいんだ、それがいい」
初めての相手は俺がリードしたい。
世間ずれしている相手だと俺が圧されてしまい遊ばれるだけで練習にならない。
あくまでも練習のための相手だ。
もちろん練習が済んでしまえば彼女の役目は終わり。
さすがに練習だけして用済みと捨てるのでは気が引けるので好条件を出す。
「まずこちらの条件だが……俺にその身をささげて欲しい。するのは一回限りだ」
「一回だけなんですか?」
「おう。その見返りとしてレベル上限を上げよう。レベル30にまで上げることを約束する」
「レベル30に? レベル上限を上げられるのですか?」
「ああ、嘘じゃない。俺の能力で上げられるんだ」
それを聞いたメイミーは驚きのあまり目を丸くするが、エレネス迄驚いていた。
「やはりラーゼルは魔道具なんて探し出さなくても他人のレベル上限を上げることが出来るんじゃないか! 今まで騙していたのかよ!」
エレネスは顔を真っ赤にして怒っている。
嘘が気に入らなかったんだろうな。
下げたままのこぶしを握り締めてプルプルしている。
「私もレベル上限を上げて欲しいんだが!」
「今は無理だ。ラネットさんの件が片付いたあとだ」
「そんな!」
「事が済んだらサビアから解放する。悪い話じゃないだろ?」
「なんだと! たった一度お前と寝るだけでそこまでしてやるのか!?」
声を上げたのはメイミーじゃなくエレネスだった。
「ラーゼル! そんな女は買わずに私を買え!」
「えっ?」
「だから私を買えと言ってるんだよ!」
「それって……」
「お前にこの身体をくれてやるよ!」
すさまじい勢いで迫るエレネス。
瞳孔が開きまくり血走っている。
これは断れる雰囲気じゃない!
「いいのかよ? お前は男嫌いなんだろ?」
「お、お前なら、す、好きだから! ぜ、全然問題ないし!」
へ?
俺のことを好きだったの?
知らなかった……。
こんなとこに買いに来る必要なかったんじゃないか。
でも、グイグイ来すぎなうえに瞳孔全開で目が怖い。
本当にしちゃって大丈夫なのかな?
「済んだら約束の条件はちゃんと守ってくれよ」
「サビアの開放のことか?」
「それとレベル上限を上げることもな」
エレネスは俺の腕を引っ張り半ば強引に宿屋へと連れ戻った。
俺の初めては武闘系のサビアに食われてしまうようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます